大問5 解答(5-1~5-4の全選択肢)
5-1(1) 単元ラベル: 行列の累乗と等比和。 方法ラベル: 右からの積を展開して項を消去する。 使用公式・定理: 行列の積の分配法則、XjX=Xj+1。
論証・解答: (E+X+X2+⋯+Xn)(E−X)=(E+X+⋯+Xn)−(X+X2+⋯+Xn+1)=E−Xn+1. ここで各項は同じ行列 X の累乗なので、右側の積を展開したときに中間項が相殺する。仮定より E−X は逆行列を持つから、両辺の右から (E−X)−1 を掛ければ E+X+X2+⋯+Xn=(E−Xn+1)(E−X)−1 を得る。
5-1(2) 単元ラベル: 行列の積・累乗。 方法ラベル: 成分ごとの積和と、A3 を使う指数の分解。 使用公式・定理: 行列積の定義、(A3)qAr=A3q+r。
論証・解答: A2=((−2)(−2)+2(−2)(−2)(−2)+0(−2)(−2)2+2⋅0(−2)2+0⋅0)=(04−4−4). さらに A3=A2A=(8008)=8E. したがって 100=3⋅33+1、101=3⋅33+2 より A100=833A=(−2100−210021000),A101=833A2=(02101−2101−2101).
5-1(3) 単元ラベル: 行列の累乗和。 方法ラベル: 3項ずつまとめ、スカラー等比数列の和を使う。 使用公式・定理: A3=8E、等比数列の和。
論証・解答: q=833、r=(833−1)/7 とおく。指数を3つずつまとめると E+A+⋯+A100=j=0∑32(A3j+A3j+1+A3j+2)+A99+A100=r(E+A+A2)+q(E+A). ここで E+A+A2=(−12−2−3)、E+A=(−1−221) だから E+A+A2+⋯+A100=71(1−8q−12q−212q+24q+3),q=833.
5-2(1) 単元ラベル: 極座標と直交座標。 方法ラベル: x=rcosθ, y=rsinθ を用いて変換する。 使用公式・定理: r2=x2+y2。
論証・解答: r=2cosθよりr2=2rcosθ=2x, したがって x2+y2=2xすなわち(x−1)2+y2=1. 中心 (1,0)、半径1の円である。図示すると、(0,0) と (2,0) を左右の端点とし、中心を (1,0) にもつ円となる。
5-2(2) 単元ラベル: 円と直線の共有点。 方法ラベル: 直線を代入した二次方程式の判別式。 使用公式・定理: 二次方程式が異なる2実根をもつ条件 D>0。
論証・解答: 点 (−1,0) を通る傾き k の直線は y=k(x+1)。これを x2+y2=2x に代入すると (1+k2)x2+2(k2−1)x+k2=0. その判別式は D=4(k2−1)2−4(1+k2)k2=4(1−3k2). 交点が異なる2点であるための条件は D>0 なので −31<k<31.
5-2(3) 単元ラベル: 二次方程式の解と軌跡。 方法ラベル: 解と係数の関係から中点を媒介変数表示する。 使用公式・定理: ヴィエタの公式、円の方程式。
論証・解答: 交点の x 座標を x1,x2 とすると、前問の二次方程式から x1+x2=1+k22(1−k2). 中点を M=(u,v) とおけば u=2x1+x2=1+k21−k2,v=k(u+1)=1+k22k. よって u2+v2=1。また ∣k∣<1/3 から u>1/2 であり、k=0 では (u,v)=(1,0) を含む。したがって中点の軌跡は u2+v2=1,u>21 で表される単位円の右側の弧である。端点 (1/2,±3/2) は含まない。
5-3(1) 単元ラベル: 離散型確率変数と確率。 方法ラベル: 36通りを等確率として条件を満たす組を数える。 使用公式・定理: 等確率の場合の確率は該当する場合の数を全場合の数で割る。
論証・解答: (X,Y) は36通りの順序対を等確率でとる。T=6 は Y=2X−6 であり、該当する組は (4,2),(5,4),(6,6) の3通りだから P(T=6)=363=121. T≧0 は Y≦2X。X=1,2 のとき該当する Y はそれぞれ2通り、4通りであり、X=3,4,5,6 では各6通り。合計30通りなので P(T≧0)=3630=65.
5-3(2) 単元ラベル: 期待値と分散。 方法ラベル: 一様分布の公式と期待値の線形性を使う。 使用公式・定理: V(X)=12n2−1(1から n の一様分布)、E(aX+bY)=aE(X)+bE(Y)。
論証・解答: X は1から6の一様分布だから V(X)=1262−1=1235. また E(X)=E(Y)=7/2 なので E(T)=2E(X)−E(Y)=27.
5-3(3) 単元ラベル: 分散の変換。 方法ラベル: 独立性で和の分散を求めてから定数倍する。 使用公式・定理: 独立な確率変数について V(U+W)=V(U)+V(W)、V(aU)=a2V(U)。
論証・解答: さいころの目 X,Y は独立で、同じ一様分布に従う。したがって V(T)=V(2X−Y)=4V(X)+V(Y)=5⋅1235=12175. V(aT)=a2V(T)=25 より a2=17525⋅12=712,a=±7221.
5-4(1) 単元ラベル: 確率密度関数と連続型確率変数の期待値。 方法ラベル: 密度の積分を1に規格化し、xf(x) を積分する。 使用公式・定理: ∫f(x)dx=1、E(X)=∫xf(x)dx。
論証・解答: 確率密度の全積分が1であることから 21+∫13(−4x+k)dx=21+(−1+2k)=1, よって k=3/4。平均は E(X)=∫012xdx+∫13x(−4x+43)dx=41+[−12x3+83x2]13=41+65=1213.
5-4(2)(a) 単元ラベル: 標準正規分布の対称性。 方法ラベル: 区間を0の左右に分け、g の差または和にする。 使用公式・定理: 標準正規分布の確率密度は偶関数である。
論証・解答: P(a≦Z≦b)=⎩⎨⎧g(b)−g(a),g(−a)−g(−b),g(−a)+g(b),0≦a<b,a<b≦0,a<0<b. 負の区間は標準正規分布の対称性で正の側へ移し、0をまたぐ場合は左右の確率を加える。端点が0の場合は上の該当する式を用いる。
5-4(2)(b) 単元ラベル: 標本平均の標準化と標準正規分布。 方法ラベル: 標本平均の標準誤差で標準化し、対称性で g に直す。 使用公式・定理: E(Xˉ)=μ、SD(Xˉ)=σ/n(正規モデルまたは標準正規近似)。
論証・解答: 標本平均の平均は50、標準誤差は 10310=3. 標準化すると、求める確率は P(−3≦Z≦−21)=P(21≦Z≦3)=g(3)−g(21). この表現は設問の意図する標準正規モデル(または正規近似)での値である。母集団分布を指定せず平均と標準偏差だけを与えた場合、有限標本での厳密な確率はそれらだけからは定まらない。
5-4(2)(c) 単元ラベル: 母分散既知の母平均の信頼区間。 方法ラベル: 中央確率を lp で表し、標準誤差を掛けて幅を求める。 使用公式・定理: 標準正規分布で −lp≦Z≦lp となる確率は 2g(lp)、標準誤差は σ/n。
論証・解答: g(lp)=p/2 より P(−lp≦Z≦lp)=p。母標準偏差は5、標本の大きさは20なので標準誤差は 5/20。標本平均45に対する区間は 45−205lp≦m≦45+205lp. したがって区間幅は 2⋅205lp=5lp. ここでは母分散既知の標準正規による両側区間(母集団正規モデルまたは標準正規近似)を用いた。