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鹿児島大学/2015年度/旧教育課程

鹿児島大学 2015年 旧教育課程 数学 第5問解答・解説

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1問題

鹿児島大学2015年度第5問

旧教育課程による問題である。新教育課程履修者は新教育課程による問題を解答すること。旧教育課程履修者は新教育課程または旧教育課程のどちらを解答してもよいが、両課程の問題にまたがって解答してはならない。

大問5は次の5-1、5-2、5-3、5-4から1題を選択して解答せよ。解答用紙の所定の欄に解答する問題の番号を記入すること。

5-1 次の各問いに答えよ。

(1) (2−1−42)(xy)=(2−4)\begin{pmatrix}2&-1\\-4&2\end{pmatrix}\begin{pmatrix}x\\y\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}2\\-4\end{pmatrix}となるような点(x,y)(x,y)が2つ以上あることを示せ。

(2) aaとkkを実数とする。(3a124)(xy)=k(xy)\begin{pmatrix}3a&1\\2&4\end{pmatrix}\begin{pmatrix}x\\y\end{pmatrix}=k\begin{pmatrix}x\\y\end{pmatrix}となるような原点以外の点(x,y)(x,y)があるとき、aaをkkを用いて表せ。

(3) nnを自然数とする。等式

(1−1−22)(2−222)n(xy)=(00)\begin{pmatrix}1&-1\\-2&2\end{pmatrix}\begin{pmatrix}\sqrt{2}&-\sqrt{2}\\\sqrt{2}&\sqrt{2}\end{pmatrix}^{n}\begin{pmatrix}x\\y\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}0\\0\end{pmatrix}

を満たす点(x,y)(x,y)が描く図形の方程式を求めよ。

5-2 次の各問いに答えよ。

(1) 原点OOを中心とし半径がrrの円をyy軸を基準とし、xx軸方向にaa倍してできる楕円の焦点を求めよ。ただし、a>0a>0とする。

(2) θ\thetaが0≦θ≦2π0\leq\theta\leq2\piかつcos⁡θ≠0\cos\theta\ne0の範囲で変化するとき、放物線

y=x2−22cos⁡θx+2+sin⁡2θcos⁡2θ\displaystyle y=x^2-\frac{2\sqrt{2}}{\cos\theta}x+\frac{2+\sin 2\theta}{\cos^2\theta}

の頂点の描く曲線の方程式を求めよ。

(3) 半径3の円CCの中心は、はじめ(3,3)(3,3)にあり、CC上の定点PPはCCとyy軸との接点にある。この位置からCCがxx軸上を正の方向に滑らずに転がり、角θ\thetaだけ回転したときの点PPの座標(x,y)(x,y)をθ\thetaを用いて表せ。ただし、0<θ<π2\displaystyle 0<\theta<\frac{\pi}{2}とする。

5-3 整数nn(n≧4n\geq4)に対し、2枚のコインを同時に投げる試行を繰り返し、2枚とも表が出るか、またはnn回繰り返した時点で試行を終了するときの試行の回数をXnX_nとする。確率変数XnX_nについて、次の各問いに答えよ。

(1) n−1n-1以下の自然数kkに対して、確率P(Xn=k)P(X_n=k)を求めよ。また、確率P(Xn>3)P(X_n>3)を求めよ。

(2) 確率P(Xn=n)P(X_n=n)をnnを用いて表せ。

(3) XnX_nの平均をEnE_nとかくとき、En+1−EnE_{n+1}-E_nを求めよ。

5-4 ある病気に対して投与する薬の効果の有無を調べたい。薬を投与し、効果有と判断される比率はppであるとする。この病気を持った患者から無作為にnn人を選び、薬を投与したとき、ii番目の患者に薬の効果が認められれば1とし、認められなければ0とする確率変数をXiX_iとする。このとき、次の各問いに答えよ。

(1) 標本平均X‾=1n∑i=1nXi\displaystyle \overline{X}=\frac{1}{n}\sum\limits _{i=1}^{n}X_iの平均、および分散を求めよ。

(2) この病気を持った患者から無作為に400人を選び、薬を投与したところ320人に薬の効果が認められた。このとき、母比率ppの信頼度95%の信頼区間を、小数第3位を四捨五入して求めよ。ただし、標本の大きさ400は十分大きい数とみなせるとし、また確率変数ZZが標準正規分布に従うとき、

P(Z<−1.96)=0.025P(Z<-1.96)=0.025

が成り立つとする。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 5-1(1) (0,-2),(1,0) は解である。/5−1(2) k≠4\quad/\quad 5-1(2)\space{}k\ne4 のとき a=4k−k2+23(4−k); k=4\displaystyle a=\frac{4k-k^2+2}{3(4-k)};\space{}k=4 では解なし。/5−1(3) n mod 4=0,1,2,3\quad/\quad 5-1(3)\space{}n\bmod4=0,1,2,3 に応じて x=y, y=0, x+y=0, x=0./5−2(1) a>1: (±ra2−1,0),0<a<1: (0,±r1−a2),a=1: (0,0)./5−2(2) 2x2−y2=4./5−2(3) (x,y)=(3+3θ−3cos⁡θ, 3+3sin⁡θ)./5−3(1) P(Xn=k)=14(34)k−1 (1≦k≦n−1),P(Xn>3)=2764./5−3(2) P(Xn=n)=(34)n−1./5−3(3) En+1−En=(34)n./5−4(1) E(X‾)=p,Var⁡(X‾)=p(1−p)n./5−4(2) 0.76≦p≦0.84.\displaystyle x=y,\space{}y=0,\space{}x+y=0,\space{}x=0.\quad/\quad 5-2(1)\space{}a>1:\space{}(\pm r\sqrt{a^2-1},0),\quad 0<a<1:\space{}(0,\pm r\sqrt{1-a^2}),\quad a=1:\space{}(0,0).\quad/\quad 5-2(2)\space{}2x^2-y^2=4.\quad/\quad 5-2(3)\space{}(x,y)=(3+3\theta-3\cos\theta,\space{}3+3\sin\theta).\quad/\quad 5-3(1)\space{}P(X_n=k)=\frac14\left(\frac34\right)^{k-1}\space{}(1\le k\le n-1),\quad P(X_n>3)=\frac{27}{64}.\quad/\quad 5-3(2)\space{}P(X_n=n)=\left(\frac34\right)^{n-1}.\quad/\quad 5-3(3)\space{}E_{n+1}-E_n=\left(\frac34\right)^n.\quad/\quad 5-4(1)\space{}E(\overline X)=p,\quad \operatorname{Var}(\overline X)=\frac{p(1-p)}n.\quad/\quad 5-4(2)\space{}0.76\le p\le0.84.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

5-1(1)  与えられた連立方程式は 2x−y=2,−4x+2y=−42x-y=2,\qquad -4x+2y=-4 である。第2式は第1式の両辺を −2-2 倍した式なので、解は 2x−y=22x-y=2 を満たす点すべてである。例えば (x,y)=(0,−2),(1,0)(x,y)=(0,-2),(1,0) はともにこの式を満たし、異なる2点である。したがって、条件を満たす点は2つ以上ある。

5-1(2)  成分ごとに比較すると (3a−k)x+y=0,2x+(4−k)y=0(3a-k)x+y=0,\qquad 2x+(4-k)y=0 を得る。k=4k=4 なら第2式から x=0x=0、続いて第1式から y=0y=0 となり、原点以外の解はない。そこで k≠4k\ne4 とすると、第2式より y=−2x4−k.\displaystyle y=-\frac{2x}{4-k}. 非零解では x≠0x\ne0 であるから、これを第1式に代入して 3a−k−24−k=0.\displaystyle 3a-k-\frac{2}{4-k}=0. よって a=13(k+24−k)=4k−k2+23(4−k)(k≠4).\displaystyle a=\frac13\left(k+\frac{2}{4-k}\right) =\frac{4k-k^2+2}{3(4-k)}\qquad(k\ne4). この値をとれば任意の x≠0x\ne0 に対して上の yy が定まり、実際に原点以外の解が存在する。

5-1(3)  A=(1−1−22),M=(2−222)A=\begin{pmatrix}1&-1\\-2&2\end{pmatrix},\qquad M=\begin{pmatrix}\sqrt2&-\sqrt2\\ \sqrt2&\sqrt2\end{pmatrix} とおく。AA の第2行は第1行の −2-2 倍なので、求める条件は Mn(xy)\displaystyle M^n\binom{x}{y} の第1成分と第2成分が等しいことである。直接計算すると M2=(0−440),M3=(−42−4242−42),M4=−16I.M^2=\begin{pmatrix}0&-4\\4&0\end{pmatrix},\quad M^3=\begin{pmatrix}-4\sqrt2&-4\sqrt2\\4\sqrt2&-4\sqrt2\end{pmatrix},\quad M^4=-16I. n=4q+r (r=0,1,2,3)n=4q+r\ (r=0,1,2,3) と書けば Mn=(−16)qMrM^n=(-16)^qM^r であり、係数 (−16)q(-16)^q は0でないから、条件は rr だけで決まる。第1成分から第2成分を引くと、r=0,1,2,3r=0,1,2,3 に応じて x−y,−22 y,−4(x+y),−82 xx-y,\qquad -2\sqrt2\,y,\qquad -4(x+y),\qquad -8\sqrt2\,x となる。これらが0となる条件は、それぞれ x=y,y=0,x+y=0,x=0x=y,\qquad y=0,\qquad x+y=0,\qquad x=0 である。

5-2(1)  円を xx 方向に aa 倍すると、できる楕円の半径方向の長さは、xx 軸方向が arar、yy 軸方向が rr である。したがって楕円の方程式は x2a2r2+y2r2=1.\displaystyle \frac{x^2}{a^2r^2}+\frac{y^2}{r^2}=1. a>1a>1 なら長軸は xx 軸方向で、焦点の中心からの距離の2乗は (ar)2−r2=r2(a2−1)(ar)^2-r^2=r^2(a^2-1) だから、焦点は (±ra2−1,0)(\pm r\sqrt{a^2-1},0) である。0<a<10<a<1 なら長軸は yy 軸方向で、焦点は (0,±r1−a2)(0,\pm r\sqrt{1-a^2}) となる。a=1a=1 は円であり、2焦点はともに原点である。

5-2(2)  平方完成すると y=(x−2cos⁡θ)2+sin⁡2θcos⁡2θ.\displaystyle y=\left(x-\frac{\sqrt2}{\cos\theta}\right)^2+ \frac{\sin2\theta}{\cos^2\theta}. よって頂点を (X,Y)(X,Y) とすると X=2cos⁡θ,Y=sin⁡2θcos⁡2θ=2tan⁡θ.\displaystyle X=\frac{\sqrt2}{\cos\theta},\qquad Y=\frac{\sin2\theta}{\cos^2\theta}=2\tan\theta. cos⁡θ≠0\cos\theta\ne0 なので、三角関数の関係式から X22−Y24=1cos⁡2θ−tan⁡2θ=1,\displaystyle \frac{X^2}{2}-\frac{Y^2}{4} =\frac{1}{\cos^2\theta}-\tan^2\theta=1, したがって 2X2−Y2=42X^2-Y^2=4 である。逆に、この双曲線上では X≠0X\ne0 であり、t=Y/2t=Y/2 とおくと X2/2=1+t2X^2/2=1+t^2 となる。したがって tan⁡θ=t\tan\theta=t かつ cos⁡θ\cos\theta の符号が XX と一致する θ\theta を 0≦θ≦2π0\le\theta\le2\pi の範囲から選べるので、双曲線の全点が頂点として得られる。求める曲線は 2x2−y2=42x^2-y^2=4 である。

5-2(3)  円の中心は初め (3,3)(3,3) である。滑らずに角 θ\theta だけ回転すると、円の進む距離は半径 33 と回転角 θ\theta の積 3θ3\theta なので、中心は (3+3θ,3)(3+3\theta,3) に移る。点 PP の中心からの位置ベクトルは初め (−3,0)(-3,0) であり、正の xx 方向へ転がると時計回りに回転するから、回転後は (−3cos⁡θ,3sin⁡θ)(-3\cos\theta,3\sin\theta) である。したがって x=3+3θ−3cos⁡θ,y=3+3sin⁡θ(0<θ<π2).\displaystyle x=3+3\theta-3\cos\theta,\qquad y=3+3\sin\theta \quad\left(0<\theta<\frac{\pi}{2}\right).

5-3(1)  1回の試行で2枚とも表となる確率は 1/41/4、そうでない確率は 3/43/4 である。1≦k≦n−11\le k\le n-1 では、最初の k−1k-1 回で2枚とも表が出ず、kk 回目に2枚とも表が出る必要がある。各回の試行は独立なので P(Xn=k)=(34)k−114.\displaystyle P(X_n=k)=\left(\frac34\right)^{k-1}\frac14. また、n≧4n\ge4 より Xn>3X_n>3 であることは最初の3回とも2枚同時の表が出ないことと同値である。したがって P(Xn>3)=(34)3=2764.\displaystyle P(X_n>3)=\left(\frac34\right)^3=\frac{27}{64}.

5-3(2)  Xn=nX_n=n となるのは、少なくとも最初の n−1n-1 回に2枚とも表が出ない場合である。第 nn 回の結果にかかわらずこの条件なら試行回数は nn で終わるので、 P(Xn=n)=(34)n−1.\displaystyle P(X_n=n)=\left(\frac34\right)^{n-1}.

5-3(3)  0≦j≦n−10\le j\le n-1 について、Xn>jX_n>j となるのは最初の jj 回に2枚とも表が一度も出ない場合であり、 P(Xn>j)=(34)j.\displaystyle P(X_n>j)=\left(\frac34\right)^j. 整数値 XnX_n は Xn=∑j=0n−11{Xn>j}\displaystyle X_n=\sum\limits _{j=0}^{n-1}\mathbf{1}_{\{X_n>j\}} と表せる。各項の平均を足すと En=∑j=0n−1(34)j=4{1−(34)n}.\displaystyle E_n=\sum\limits _{j=0}^{n-1}\left(\frac34\right)^j =4\left\{1-\left(\frac34\right)^n\right\}. よって En+1−En=4{(34)n−(34)n+1}=(34)n.\displaystyle E_{n+1}-E_n =4\left\{\left(\frac34\right)^n-\left(\frac34\right)^{n+1}\right\} =\left(\frac34\right)^n.

5-4(1)  各 XiX_i は効果があれば1、なければ0をとり、P(Xi=1)=pP(X_i=1)=p である。したがって E(Xi)=p,Var⁡(Xi)=p(1−p).E(X_i)=p,\qquad \operatorname{Var}(X_i)=p(1-p). 患者を無作為に選んだ試行は独立とみなせるので、 E(X‾)=1n∑i=1nE(Xi)=p,Var⁡(X‾)=1n2∑i=1nVar⁡(Xi)=p(1−p)n.\displaystyle E(\overline X)=\frac1n\sum\limits _{i=1}^nE(X_i)=p,\qquad \operatorname{Var}(\overline X) =\frac1{n^2}\sum\limits _{i=1}^n\operatorname{Var}(X_i) =\frac{p(1-p)}n.

5-4(2)  標本比率は p^=320/400=0.8\widehat p=320/400=0.8 である。標本が十分大きいので、標本比率の標準誤差を p^(1−p^)400=0.8⋅0.2400=0.02\displaystyle \sqrt{\frac{\widehat p(1-\widehat p)}{400}} =\sqrt{\frac{0.8\cdot0.2}{400}}=0.02 と見積もる。標準正規分布の対称性と P(Z<−1.96)=0.025P(Z<-1.96)=0.025 から、95%信頼区間は 0.8±1.96⋅0.02=0.8±0.0392,0.8\pm1.96\cdot0.02=0.8\pm0.0392, すなわち丸める前は 0.7608≦p≦0.83920.7608\le p\le0.8392 である。小数第3位を四捨五入すると 0.76≦p≦0.840.76\le p\le0.84 を得る。

この問題で使う考え方

  • 行列を用いた表現
  • 楕円
  • 焦点と準線
  • 二次関数のグラフと頂点
  • 軌跡
  • 三角関数の相互関係
  • 二倍角の公式
  • 一般角と弧度法

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