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金沢大学/2006年度

金沢大学 2006年 数学 第4問解答・解説

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1問題

金沢大学2006年度第4問

定数 a, b, c に対し、行列 A=[[a, 2], [-1, b]], X=[[2, 1], [1, 1]], D=[[c, 0], [0, -2c]] が等式 AX=XD を満たしている。このとき、次の問いに答えよ。

(1) a, b, c の値を求めよ。

(2) 正の整数 n に対し、A^n を求めよ。

(3) (2)の A^n に対し、A^n=[[s_n, t_n], [u_n, w_n]], x_n=s_n-u_n, y_n=t_n-w_n とおく。xy平面上の点 P_n, Q_n を P_n(x_n, x_n), Q_n(x_{n+1}, y_{n+1}) と定める。3つの直線 OP_n, OQ_n, P_nQ_n で囲まれた部分を y軸の周りに1回転させてできる回転体の体積を V_n とする。このとき、無限級数 Σ_{n=1}^{∞} V_n の和を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)
    a=−43,b=53,c=−13\displaystyle a=-\frac43,\quad b=\frac53,\quad c=-\frac13
  • (2)
    An=(2(−1/3)n−(2/3)n−2(−1/3)n+2(2/3)n(−1/3)n−(2/3)n−(−1/3)n+2(2/3)n)A^n=\begin{pmatrix}2(-1/3)^n-(2/3)^n&-2(-1/3)^n+2(2/3)^n\\(-1/3)^n-(2/3)^n&-(-1/3)^n+2(2/3)^n\end{pmatrix}
  • (3)
    ∑n=1∞Vn=π156\displaystyle\sum\limits _{n=1}^{\infty}V_n=\frac\pi{156}

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 等式 AX=XDAX=XD の両辺を計算すると (2a+2a+2b−2b−1)=(2c−2cc−2c).\begin{pmatrix}2a+2&a+2\\ b-2&b-1\end{pmatrix} =\begin{pmatrix}2c&-2c\\ c&-2c\end{pmatrix}. 従って c=a+1c=a+1, a+2=−2ca+2=-2c, b=c+2b=c+2, b−1=−2cb-1=-2c。これを解いて a=−43,b=53,c=−13.\displaystyle a=-\frac43,\qquad b=\frac53,\qquad c=-\frac13.

(2) det⁡X=1\det X=1 で X−1=(1−1−12)X^{-1}=\begin{pmatrix}1&-1\\-1&2\end{pmatrix}。AX=XDAX=XD より帰納法で AnX=XDnA^nX=XD^n、従って An=XDnX−1A^n=XD^nX^{-1}。ここで rn=(−13)n\displaystyle r_n=(-\frac13)^n, qn=(23)n\displaystyle q_n=(\frac23)^n とすれば An=(2rn−qn−2rn+2qnrn−qn−rn+2qn).A^n=\begin{pmatrix}2r_n-q_n&-2r_n+2q_n\\r_n-q_n&-r_n+2q_n\end{pmatrix}.

(3) 定義から xn=sn−un=rnx_n=s_n-u_n=r_n, yn=tn−wn=−rny_n=t_n-w_n=-r_n。よって Pn=(rn,rn)P_n=(r_n,r_n), Qn=(rn+1,−rn+1)=(−rn/3,rn/3)Q_n=(r_{n+1},-r_{n+1})=(-r_n/3,r_n/3)。∣rn∣=3−n|r_n|=3^{-n} であり、rn<0r_n<0 の場合は rn>0r_n>0 の三角形を原点について点対称にしたものなので、回転体の体積は同じである。

まず rn=1r_n=1 の単位三角形 O(0,0),P(1,1),Q(−1/3,1/3)O(0,0),P(1,1),Q(-1/3,1/3) を考える。高さ 0≦u≦1/20\le u\le1/2 の水平断面は回転後に半径 uu の円板となる。高さ 1/2≦u≦11/2\le u\le1 では辺 PQPQ の式が x=2u−1x=2u-1 だから、回転後の断面は外半径 uu、内半径 2u−12u-1 の円環である。従って単位三角形による体積は π∫01/2u2 du+π∫1/21(u2−(2u−1)2)du=π6.\displaystyle \pi\int_0^{1/2}u^2\,du+\pi\int_{1/2}^1\left(u^2-(2u-1)^2\right)du=\frac\pi6. 実際の三角形は長さ比 3−n3^{-n} の相似拡大なので体積は Vn=π6 3−3n=π6⋅27n\displaystyle V_n=\frac\pi6\,3^{-3n}=\frac\pi{6\cdot27^n}。したがって ∑n=1∞Vn=π6⋅1/271−1/27=π156.\displaystyle \sum\limits _{n=1}^{\infty}V_n=\frac\pi6\cdot\frac{1/27}{1-1/27}=\frac\pi{156}.

(1) AXとXDを成分比較して連立方程式を解く。(2) AX=XDAX=XDからAnX=XDnA^nX=XD^nを帰納的に得て、X^{-1}を掛ければ明示式が出る。(3) 行列成分差から点P,Qを得る。nの偶奇で三角形は原点反転するだけなので、単位三角形のy軸回転体を断面積で積分し、相似比 3−n3^{-n}の3乗で各体積を求める。体積列は公比 127\displaystyle \frac1{27}の等比級数となる。

この問題で使う考え方

  • 成分比較
  • 行列の累乗
  • 行列による相似変換
  • 断面積積分
  • 等比級数

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