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慶應義塾大学/2002年度/医

慶應義塾大学 2002年 数学 第II問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2002年度第II問

以下の文章の空欄に適切な数または式を入れて文章を完成させなさい。  四角形の頂点に時計回りに 1,2,3,41,2,3,4 の番号をつけ、時刻 00 に頂点 1,31,3 に粒子を1個ずつ置き、頂点 2,42,4 には粒子を置かない(図1)。

図1では四角形の頂点に左上1、右上2、右下3、左下4の番号が時計回りに付いている。頂点1と3には灰色の丸があり、頂点2と4には丸がない。

1秒ごとに、粒子の置かれている番号が最も小さい頂点を選ぶ。その粒子を、確率 12\displaystyle \frac{1}{2} で取り除き、確率 14\displaystyle \frac{1}{4} ずつで隣り合う2頂点のいずれかへ移動させる。移動先に粒子がある場合は、2個の粒子を1個にまとめる。  自然数 nn に対して、時刻 nn にちょうど1頂点に粒子が置かれている確率を PnP_n、どの頂点にも粒子が置かれていない確率を QnQ_n とする。

(1) P2=(あ), Q2=(い)P_2=\boxed{(\text{あ})},\ Q_2=\boxed{(\text{い})} である。

(2) 自然数 mm に対して、 P2m−1=(う),P2m=(え),Q2m−1=(お),Q2m=(か)P_{2m-1}=\boxed{(\text{う})},\qquad P_{2m}=\boxed{(\text{え})},\qquad Q_{2m-1}=\boxed{(\text{お})},\qquad Q_{2m}=\boxed{(\text{か})} である。  図1は四角形の頂点 1,2,3,41,2,3,4 が時計回りに並び、初期粒子が頂点 1,31,3 に置かれていることを示す。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • - あ:58\displaystyle \quad \frac58\quad
    - い:14\displaystyle \quad \frac14\quad
    - う:104m−168m\displaystyle \quad \frac{10}{4^m}-\frac{16}{8^m}\quad
    - え:54m−58m\displaystyle \quad \frac5{4^m}-\frac5{8^m}\quad
    - お:1−104m+128m\displaystyle \quad 1-\frac{10}{4^m}+\frac{12}{8^m}\quad
    - か:1−54m+48m\displaystyle \quad 1-\frac5{4^m}+\frac4{8^m}

3解答

解答を見る途中式つきの解答

状態を、粒子がない確率 QnQ_n、1頂点にだけ粒子がある確率 PnP_n、2頂点に粒子がある確率に分ける。2粒子の配置が隣接頂点上である確率を AnA_n、向かい合う頂点上である確率を OnO_n とする。粒子数は増えず、初期粒子数は2個なので、これらの3分類で全状態を尽くす。

(1) あ・い

時刻1までに、頂点1の粒子を確率 12\displaystyle \frac12 で取り除くと1粒子、確率 14\displaystyle \frac14 ずつで頂点2または4へ移すと隣接する2粒子となる。よって P1=12,A1=12,O1=Q1=0.\displaystyle P_1=\frac12,\qquad A_1=\frac12,\qquad O_1=Q_1=0.

1粒子状態では次の1秒で、確率 12\displaystyle \frac12 で空、確率 12\displaystyle \frac12 で1粒子のままである。隣接2粒子状態では、選ばれた小さい番号の粒子を取り除く確率 12\displaystyle \frac12、もう一方の粒子のいる隣接頂点へ移して合体する確率 14\displaystyle \frac14 により1粒子となる。残りの確率 14\displaystyle \frac14 では空き隣接頂点へ移り、向かい合う2粒子となる。したがって P2=12P1+34A1=14+38=58,Q2=12P1=14.\displaystyle P_2=\frac12P_1+\frac34A_1 =\frac14+\frac38=\frac58,\qquad Q_2=\frac12P_1=\frac14. よって、あは 58\displaystyle \frac58、いは 14\displaystyle \frac14。

(2) う・え・お・か

向かい合う2粒子状態では、選ばれた粒子の隣はどちらも空である。粒子を取り除く確率 12\displaystyle \frac12 で1粒子となり、隣へ移す確率の合計 12\displaystyle \frac12 で隣接2粒子となる。よって各時刻の遷移は An+1=12On,On+1=14An,\displaystyle A_{n+1}=\frac12O_n,\qquad O_{n+1}=\frac14A_n, Pn+1=12Pn+34An+12On,Qn+1=Qn+12Pn.\displaystyle P_{n+1}=\frac12P_n+\frac34A_n+\frac12O_n,\qquad Q_{n+1}=Q_n+\frac12P_n. 最初の時刻の状態 A1=12, O1=0\displaystyle A_1=\frac12,\ O_1=0 から、2時刻ごとに A2m−1=12⋅8m−1=48m,O2m=18m,\displaystyle A_{2m-1}=\frac{1}{2\cdot8^{m-1}}=\frac4{8^m},\qquad O_{2m}=\frac1{8^m}, また O2m−1=A2m=0O_{2m-1}=A_{2m}=0 である。

Um=P2m−1U_m=P_{2m-1} とおくと、 P2m=12Um+34A2m−1=12Um+38m.\displaystyle P_{2m}=\frac12U_m+\frac34A_{2m-1} =\frac12U_m+\frac3{8^m}. さらに Um+1=P2m+1=12P2m+12O2m=14Um+28m,U1=12.\displaystyle U_{m+1}=P_{2m+1} =\frac12P_{2m}+\frac12O_{2m} =\frac14U_m+\frac2{8^m}, \qquad U_1=\frac12. この漸化式を解くと Um=104m−168m.\displaystyle U_m=\frac{10}{4^m}-\frac{16}{8^m}. 実際、m=1m=1 で U1=12\displaystyle U_1=\frac12 となり、右辺は漸化式に代入して次の項の同じ式を与える。したがって P2m−1=104m−168m,P2m=54m−58m.\displaystyle P_{2m-1}=\frac{10}{4^m}-\frac{16}{8^m},\qquad P_{2m}=\frac5{4^m}-\frac5{8^m}.

空状態の確率は、全確率から1粒子状態と2粒子状態を引いて求める。奇数時刻には2粒子状態の確率が A2m−1=48m\displaystyle A_{2m-1}=\frac4{8^m}、偶数時刻には O2m=18m\displaystyle O_{2m}=\frac1{8^m} だから、 Q2m−1=1−P2m−1−A2m−1=1−104m+128m,\displaystyle Q_{2m-1}=1-P_{2m-1}-A_{2m-1} =1-\frac{10}{4^m}+\frac{12}{8^m}, Q2m=1−P2m−O2m=1−54m+48m.\displaystyle Q_{2m}=1-P_{2m}-O_{2m} =1-\frac5{4^m}+\frac4{8^m}. よって、うは 104m−168m\displaystyle \frac{10}{4^m}-\frac{16}{8^m}、えは 54m−58m\displaystyle \frac5{4^m}-\frac5{8^m}、おは 1−104m+128m\displaystyle 1-\frac{10}{4^m}+\frac{12}{8^m}、かは 1−54m+48m\displaystyle 1-\frac5{4^m}+\frac4{8^m}。

最終答案

- あ:58\displaystyle \frac58 - い:14\displaystyle \frac14 - う:104m−168m\displaystyle \frac{10}{4^m}-\frac{16}{8^m} - え:54m−58m\displaystyle \frac5{4^m}-\frac5{8^m} - お:1−104m+128m\displaystyle 1-\frac{10}{4^m}+\frac{12}{8^m} - か:1−54m+48m\displaystyle 1-\frac5{4^m}+\frac4{8^m}

使用した解法

粒子数による状態分け、推移確率の漸化式、および有限等比型漸化式を用いた。

この問題で使う考え方

  • 条件付き確率
  • 確率の基本法則
  • 余事象
  • 漸化式
  • 等比数列の一般項と和

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