慶應義塾大学/2002年度/医
慶應義塾大学 2002年 数学 第IV問解答・解説
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1問題
設問(1)から(5)に答えなさい。
を を満たす素数とする。すなわち とする。このとき を満たす自然数の組 は有限個存在する。
これらの組に対し、次の手続きで組を別の組へ移す。
(1) 組 が (Q) を満たし、 であるとき、手続き (i) で得られる組も (Q) を満たすことを示しなさい。
(2) (Q) を満たす自然数の組 で、 または となるものが存在しないことを示しなさい。
(3) この手続きで移らない組が存在する。 のとき、その組 を で表して具体的に示し、それ以外に移らない組がないことを示しなさい。
(4) この手続きを2回続けて行うと何が起こるかを簡潔に説明し、(Q) を満たす自然数の組の総数が偶数か奇数かを答え、その理由を説明しなさい。ただし、各場合に手続きで得られる組も (Q) を満たすものとしてよい。
(5) を満たす任意の素数 は、自然数 を用いて と表せることを示しなさい。
まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。
2答え
答えを見る自分の答えと照らし合わせる
- 1. 場合(i)の変換後も 。
2. なら 、 なら となり、いずれも矛盾。
3. 唯一変化しない組は 。
4. 手続きは2回で元に戻り、解の総数は奇数。
5. 解を 交換で対応させると固定解 があり、 。数式が横に長い場合は、左右にスクロールして確認できます。
3解答
解答を見る途中式つきの解答
は素数なので 、従って である。解 は正の整数で を満たす。解の集合は有限である。実際、 であり、 も正の整数だから、 はそれぞれ有限個の値しかとらない。
自然数に を含める流儀でも、 なら 、 または なら となって素数に矛盾する。従ってこの式を満たす各成分は正である。
手続きを と書く。
(1) 場合(i)での式の保存
なら なので、変換後の も正の整数の組である。また 従って変換後も を満たす。
(2) 境界条件が起きないこと
もし なら なので右辺は より大きい平方数であり、素数 にならない。
もし なら よって の倍数となる。これは に矛盾する。従って、どの解も または ではない。
(3) 手続きで変化しない組
場合(i)で変化しないとすると、第1成分について が必要だが、これは に反する。場合(iii)では が必要となり、 に反する。
場合(ii)で変化しないためには 従って である。このとき第3成分も となり、実際に変化しない。さらに は場合(ii)の条件 を満たす。式 は は素数で だから、正の整数因子 は でなければならない。従って 、さらに より である。逆に は場合(ii)に属し、変化しない。
よって、変化しない組はただ1つで である。
(4) 2回続けたときと解の個数の偶奇
より であり、(2)で等号の場合を除いたので、すべての解は場合(i)、(ii)、(iii)のちょうど1つに属する。
各場合について、次の手続きの分岐を確認する。
- 場合(i)で得る組を とする。 なので次は場合(iii)であり、 - 場合(ii)で得る組を とする。このとき なので次も場合(ii)であり、 - 場合(iii)で得る組を とする。このとき なので次は場合(i)であり、
従って を2回行うと必ず元の組に戻る。解の有限集合上で、変化しない組は(3)の1組だけであり、それ以外は異なる2組ずつの組に分かれる。よって解の総数は という形であり、奇数である。
(5) を2つの平方の和として表す
解の集合を とする。(4)より の要素数は奇数である。また、写像 は を保ち、2回適用すると元に戻る。すなわち、 上のこの写像も、固定されない組を2組ずつ対応させる。
が奇数なので、この写像には少なくとも1つ固定される組がある。固定条件は である。その組について ここで は正の整数である。従って所望の表示が得られる。
最終答案
1. 場合(i)の変換後も 。 2. なら 、 なら となり、いずれも矛盾。 3. 唯一変化しない組は 。 4. 手続きは2回で元に戻り、解の総数は奇数。 5. 解を 交換で対応させると固定解 があり、。
使用した解法
整数の因数分解、素数の約数の性質、手続きの逆変換、有限集合上の対合による偶奇判定、および対称性を用いた。
この問題で使う考え方
- 約数・倍数
- 対偶・背理法による証明
- 等式・不等式の証明
- 和の法則
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