[II] 二袋の球操作(解説改訂2) 袋の順に RB∣RW のように書く。袋の中の球を取り出す組合せは等確率で数える。状態遷移を調べる際、袋の入替えや赤・白の入替えで同じになる状態はまとめる。
(1)(i) 状態Aへの初回到達 初期状態を S=RB∣RW、目標を A=R∣W とする。S からは確率 1/4 で S に戻り、確率 1/4 で T=RB∣BW になる。残りの確率 1/2 で移る状態からは A に到達しない。T からは確率 1/4 で T に戻り、確率 1/4 で A になる。残りの確率 1/2 で移る状態からも A には到達しない。
n 回目に初めて A となる経路では、S で k−1 回とどまったのち T に移り、T で n−k−1 回とどまってから A になる(k=1,…,n−1)。各経路の確率は 4−n、経路数は n−1 なので pn=4nn−1(n≧1).
(1)(ii) 両方が空になる状態Bへの初回到達 Z=∅∣∅ を目標とする。以下が初期状態から到達する状態と次の遷移である。L=R∣W は状態Bには到達せず、そのまま止まらない状態である。 状態SDEFGHUVL袋の中身RB∣RWB∣RRB∣BWRB∣RBBB∣BRBB∣BBB∣BR∣RR∣W次の状態(確率)S (41), D (41), E (41), F (41)U (1)L (41), G (21), E (41)V (41), G (21), U (41)D (21), H (21)U (1)Z (1)Z (1)L (1) G からは D または H を経て、いずれも3回の操作で必ず Z となる。初期状態 S に戻る回数を k とする。
n=k+3 の到達経路は、S から D へ進む場合と、F から U または V へ進む場合である。合わせた確率は 4−k(41+41⋅21)=834−k. n≧5 では次の2種類もある。S から F を経て G に進む経路は、k=n−5 と決まり、確率は 814−(n−5) である。また S に k 回、E に l 回とどまり、E から G に進む経路は k+l=n−5 を満たす。非負整数の組 (k,l) は n−4 通りあり、各経路の確率は 814−(n−5) である。従って q1=q2=0,q3=83,q4=323, さらに n≧5 では qn=834−(n−3)+814−(n−5)+8n−44−(n−5)=22n−316n−45.
(2) 初期状態 RBB∣RWB から状態Aへの初回到達 袋内の並びを無視すると、初期状態は X15=BBR∣BRW である。目標は A=R∣W。次表の N は、以後どの経路でも A に届かない状態群をまとめた記号である。 状態X8X9X14X15袋の中身BR∣BWBR∣RWBBR∣BBWBBR∣BRW次の状態(確率)A (41), X8 (41), N (21)X8 (41), X9 (41), N (21)X8 (94), X14 (91), N (94)X9 (92), X14 (92), X15 (91), N (94) ここで N に含めた状態群は N={B∣B, B∣R, R∣R, BB∣BB, BB∣BR,BB∣RW, BR∣BR, BBB∣BBB,BBB∣BBR, BBB∣BRW, BBR∣BBR}. とその袋・赤白の入替えで得られる状態である。操作後もこの集合内か Z にとどまり、A には移らない。例えば BB∣BR は B∣R または BB∣BB へ、BBB∣BRW は BB∣RW または BBB∣BBR へ移り、いずれも集合内にある。表の N への遷移はこの閉じた状態群への遷移をまとめたものである。
X8,X9,X14,X15 を出発したとき、n 回目に初めて A となる確率をそれぞれ fn,gn,hn,rn とする。また f0=g0=h0=r0=0 とおく。遷移表から、n≧1 で f1=41,fn=41fn−1 (n≧2),g1=0,gn=41fn−1+41gn−1 (n≧2). 従って fn=4−n,gn=(n−1)4−n. 同様に h1=0,hn=94fn−1+91hn−1(n≧2). これを順に代入すると等比数列の和になり、 hn=944−(n−1)j=0∑n−2(94)j=5164−n−5369−n. 初期状態が X15 であることから r1=0,rn=92(gn−1+hn−1)+91rn−1(n≧2). この漸化式を解くと rn=25⋅4n40n+16+25⋅9n234−360n(n≧1). この式は n=1 で 0 である。また、gn−1,hn−1 と rn−1 の式を漸化式の右辺に代入すると 92(gn−1+hn−1)+91rn−1=(98(n−2)+45128+225160n−96)4−n+(−572+25594−360n)9−n=25⋅4n40n+16+25⋅9n234−360n. 従って初項と漸化式が一致し、帰納法で全ての n に対して成り立つ。