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慶應義塾大学/2007年度/一般

慶應義塾大学 2007年 数学 第II問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2007年度第II問

以下の文章の空欄に適切な数または式を入れて文章を完成させなさい。

nn を自然数とする。1,2,3,4と番号のつけられた4つの箱が用意されている。番号1の箱の中には球が1個入っていて,他の箱の中には何も入っていないとする。ここで次の操作 TT を nn 回繰り返し行う。

操作 TT:球をいま入っている箱以外の3つの箱のどれかに確率 13\displaystyle \frac{1}{3} ずつで移す。

操作 TT を1回行った時点で球が入っている箱の番号を a1a_{1} で表す。同様に,操作 TT を ii 回(i=1,2,3,…,ni=1,2,3,\ldots,n)繰り返し行った時点で球が入っている箱の番号を aia_{i} で表す。箱の番号の集合 U={1,2,3,4}U=\{1,2,3,4\} を全体集合とし,UU の部分集合 An={a1,a2,…,an}A_{n}=\{a_{1},a_{2},\ldots,a_{n}\}を考える。

(1) a1=1a_{1}=1 となる確率は0,a2=1a_{2}=1 となる確率は (あ)\boxed{\text{(あ)}} であり,一般に ai=1 (i=1,2,3,…,n)a_{i}=1\ (i=1,2,3,\ldots,n) となる確率は (い)\boxed{\text{(い)}} である。

(2) n≧2n\geq2 のとき An={1,2}A_{n}=\{1,2\} となる確率は (う)\boxed{\text{(う)}} であり,An={3,4}A_{n}=\{3,4\} となる確率は (え)\boxed{\text{(え)}} である。

(3) n≧1n\geq1 のとき An⊂{1,2,3}A_{n}\subset\{1,2,3\} となる確率は (お)\boxed{\text{(お)}} であり,An⊂{2,3,4}A_{n}\subset\{2,3,4\} となる確率は (か)\boxed{\text{(か)}} である。

(4) n≧3n\geq3 のとき An={1,2,3}A_{n}=\{1,2,3\} となる確率は (き)\boxed{\text{(き)}} であり,An={2,3,4}A_{n}=\{2,3,4\} となる確率は (く)\boxed{\text{(く)}} である。

(5) n≧3n\geq3 のとき {1,2,3}⊂An\{1,2,3\}\subset A_{n} となる確率は (け)\boxed{\text{(け)}} である。

(6) n≧3n\geq3 のとき An∪{1,2}=UA_{n}\cup\{1,2\}=U となる確率は (こ)\boxed{\text{(こ)}} である。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) (あ)=13, (\displaystyle )=\frac13,\space{}(い)=14+34(−13)i;\displaystyle )=\frac14+\frac34\left(-\frac13\right)^i;
    (2) (う)=13n, (\displaystyle )=\frac1{3^n},\space{}(え)=23n;\displaystyle )=\frac2{3^n};
    (3) (お)=(23)n, (\displaystyle )=\left(\frac23\right)^n,\space{}(か)=(23)n−1;\displaystyle )=\left(\frac23\right)^{n-1};
    (4) (き)=2n−43n, (\displaystyle )=\frac{2^n-4}{3^n},\space{}(く)=3⋅2n−1−63n;\displaystyle )=\frac{3\cdot2^{n-1}-6}{3^n};
    (5) (け)=3n−7⋅2n−1+53n;\displaystyle )=\frac{3^n-7\cdot2^{n-1}+5}{3^n};
    (6) (こ)=3n−2n+1+13n\displaystyle )=\frac{3^n-2^{n+1}+1}{3^n}

3解答

解答を見る途中式つきの解答

各時点の箱の番号を Xi=aiX_i=a_i とし、操作前を X0=1X_0=1 とする。どの移動列 (a1,…,an)(a_1,\ldots,a_n) も、隣り合う番号が異なれば各移動の確率が 13\displaystyle \frac13 なので、その列が起こる確率は 3−n3^{-n} である。

(1) pi=P(ai=1)p_i=P(a_i=1) とおく。a1=1a_1=1 は起こらず、p0=1p_0=1 である。また、時点 ii に箱1にいれば次に箱1へ移れず、箱1以外にいれば次に箱1へ移る確率は 13\displaystyle \frac13 だから pi+1=1−pi3.\displaystyle p_{i+1}=\frac{1-p_i}{3}. この漸化式の定数解は 14\displaystyle \frac14 であり、差をとると pi+1−14=−13(pi−14)\displaystyle p_{i+1}-\frac14=-\frac13(p_i-\frac14) となる。よって pi=14+34(−13)i.\displaystyle p_i=\frac14+\frac34\left(-\frac13\right)^i. したがって (あ)=p2=13\displaystyle (あ)=p_2=\frac13、(い)=14+34(−13)i\displaystyle (い)=\frac14+\frac34(-\frac13)^i。

(2) An={1,2}A_n=\{1,2\} なら、最初は箱2に移り、その後は箱1と2を交互に移るしかない。この移動列は一つなので確率は 3−n3^{-n}。An={3,4}A_n=\{3,4\} なら、最初に箱3か4を選ぶ二通りがあり、その後は交互に移る。よって (う)=13n,(え)=23n.\displaystyle (う)=\frac1{3^n},\qquad (え)=\frac2{3^n}.

(3) An⊂{1,2,3}A_n\subset\{1,2,3\} は操作後に箱4を一度も訪れないことと同じである。各操作で許される三つの移動先のうち、箱4以外は二つなので確率は (23)n\displaystyle (\frac23)^n。An⊂{2,3,4}A_n\subset\{2,3,4\} は操作後に箱1を一度も訪れないことを表す。1回目は必ず箱2,3,4のいずれかに移り、2回目以降は毎回三つの移動先のうち二つが箱1以外なので (お)=(23)n,(か)=(23)n−1.\displaystyle (お)=\left(\frac23\right)^n,\qquad (か)=\left(\frac23\right)^{n-1}.

(4) 各移動列の確率は 3−n3^{-n} である。箱4を訪れない列は各回二つの選択肢があるため 2n2^n 列。そこから箱1を訪れない列を除くと、その列は箱2,3を交互に移る二通りである。箱2を訪れない列、箱3を訪れない列はそれぞれ箱1と残る一箱を交互に移る一通りである。二種類以上の箱を訪れない列は、n≧3n\ge3 では同じ箱に続けてとどまれないため存在しない。したがって An={1,2,3}A_n=\{1,2,3\} となる列は 2n−2−1−1=2n−42^n-2-1-1=2^n-4 列である。

一方、箱1を訪れない列は、最初に箱2,3,4の三通りから選び、以後は箱1を避ける二通りから選ぶので 3⋅2n−13\cdot2^{n-1} 列である。ここから箱2,3,4のいずれかを訪れない列を除く。残る二箱を交互に移る列は、除く箱ごとに二通りずつある。よって (き)=2n−43n,(く)=3⋅2n−1−63n.\displaystyle (き)=\frac{2^n-4}{3^n},\qquad (く)=\frac{3\cdot2^{n-1}-6}{3^n}.

(5) 全ての移動列は 3n3^n 通りである。箱1を訪れない列は 3⋅2n−13\cdot2^{n-1} 通り、箱2を訪れない列と箱3を訪れない列はそれぞれ 2n2^n 通りである。これらの重複を加え戻すと、箱1,2をともに訪れない列は箱3,4を交互に移る二通り、箱1,3をともに訪れない列も二通り、箱2,3をともに訪れない列は箱1,4を交互に移る一通りである。三つとも訪れない列は、箱4だけを訪れることになるが、同じ箱に続けてとどまれないため n≧3n\ge3 では存在しない。包除により条件を満たす列数は 3n−3⋅2n−1−2n−2n+2+2+1=3n−7⋅2n−1+5.3^n-3\cdot2^{n-1}-2^n-2^n+2+2+1 =3^n-7\cdot2^{n-1}+5. したがって (け)=3n−7⋅2n−1+53n\displaystyle (け)=\frac{3^n-7\cdot2^{n-1}+5}{3^n}。

(6) An∪{1,2}=UA_n\cup\{1,2\}=U となる条件は、箱3と箱4の両方を操作後に訪れることである。箱3を訪れない列は、許される三箱のうち箱3以外を選ぶため最初の二通り、その後も各回二通りで、2n2^n 列。同様に箱4を訪れない列も 2n2^n 列である。箱3,4の両方を訪れない列は箱1,2を交互に移る一列だけなので、包除により (こ)=3n−2n−2n+13n=3n−2n+1+13n.\displaystyle (こ)=\frac{3^n-2^n-2^n+1}{3^n} =\frac{3^n-2^{n+1}+1}{3^n}.

この問題で使う考え方

  • 確率の基本法則
  • 和の法則
  • 積の法則
  • 余事象
  • 漸化式

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