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慶應義塾大学/2007年度/一般

慶應義塾大学 2007年 数学 第III問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2007年度第III問

以下の文章の空欄に適切な数または式を入れて文章を完成させなさい。

aa を実数とし, f(a)=∫0π2∣sin⁡2x1+sin⁡2x−acos⁡x∣ dx\displaystyle f(a)=\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}\left|\frac{\sin 2x}{1+\sin^{2}x}-a\cos x\right|\,dx とする。sin⁡x=y\sin x=y とおくと, f(a)=∫0c∣g(y)−a∣ dy\displaystyle f(a)=\int_{0}^{c}|g(y)-a|\,dy となる。

(1) c=(あ)c=\boxed{\text{(あ)}},g(y)=(い)g(y)=\boxed{\text{(い)}} である。

(2) a≦0a\leq0 のとき f(a)=(う)f(a)=\boxed{\text{(う)}},a≧1a\geq1 のとき f(a)=(え)f(a)=\boxed{\text{(え)}},0<a<10<a<1 のとき f(a)=(お)f(a)=\boxed{\text{(お)}} である。

(3) f(a)f(a) は a=(か)a=\boxed{\text{(か)}} のとき最小となり,最小値は (き)\boxed{\text{(き)}} である。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

y=sin x の置換で絶対値積分を 0≦y≦10\le y\le1 の範囲の積分に直し、g(y)=a となる点で場合分けする。積分結果を a で増減調査して最小値を求める。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) あ=1,  =1,\;い=2y1+y2/\displaystyle =\frac{2y}{1+y^2}\quad/\quad(2) う=ln⁡2−a,  =\ln2-a,\;え=a−ln⁡2,  =a-\ln2,\;お=2(1−1−a2)−a+ln⁡(1+1−a2)22/\displaystyle =2(1-\sqrt{1-a^2})-a+\ln\frac{(1+\sqrt{1-a^2})^2}{2}\quad/\quad(3) か=45,  \displaystyle =\frac45,\;き=ln⁡3225\displaystyle =\ln\frac{32}{25}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

0≦x≦π2\displaystyle 0\leq x\leq\frac{\pi}{2} で y=sin⁡xy=\sin x とおくと,dy=cos⁡x dxdy=\cos x\,dx であり, sin⁡2x1+sin⁡2x−acos⁡x=cos⁡x(2y1+y2−a)\displaystyle \frac{\sin 2x}{1+\sin^2x}-a\cos x =\cos x\left(\frac{2y}{1+y^2}-a\right) となる。ここで cos⁡x≧0\cos x\geq0 だから,絶対値の中の式を絶対値に入れたまま置換できる。端点は x=0x=0 で y=0y=0,x=π2\displaystyle x=\frac{\pi}{2} で y=1y=1 なので, c=1,g(y)=2y1+y2(0≦y≦1)\displaystyle c=1,\qquad g(y)=\frac{2y}{1+y^2}\quad(0\leq y\leq1) である。また g′(y)=2(1−y2)(1+y2)2≧0\displaystyle g'(y)=\frac{2(1-y^2)}{(1+y^2)^2}\geq0 であり,gg は 0≦y≦10\leq y\leq1 で増加し,g(0)=0, g(1)=1g(0)=0,\ g(1)=1 である。原始関数は ln⁡(1+y2)\ln(1+y^2) である。

a≦0a\leq0 なら g(y)−a≧0g(y)-a\geq0 だから f(a)=∫01(g(y)−a) dy=ln⁡2−a.\displaystyle f(a)=\int_0^1(g(y)-a)\,dy=\ln2-a. a≧1a\geq1 なら g(y)−a≦0g(y)-a\leq0 だから f(a)=∫01(a−g(y)) dy=a−ln⁡2.\displaystyle f(a)=\int_0^1(a-g(y))\,dy=a-\ln2.

0<a<10<a<1 のときは,増加性より g(α)=ag(\alpha)=a を満たす α\alpha が 0<α<10<\alpha<1 の範囲にただ一つ存在する。方程式 aα2−2α+a=0a\alpha^2-2\alpha+a=0 の 0<α<10<\alpha<1 の解は α=1−1−a2a=a1+1−a2.\displaystyle \alpha=\frac{1-\sqrt{1-a^2}}{a}=\frac{a}{1+\sqrt{1-a^2}}. したがって f(a)=∫0α(a−g(y)) dy+∫α1(g(y)−a) dy=ln⁡2−2ln⁡(1+α2)−a+2aα=2(1−1−a2)−a+ln⁡(1+1−a2)22.\displaystyle \begin{aligned} f(a)&=\int_0^\alpha(a-g(y))\,dy+\int_\alpha^1(g(y)-a)\,dy\\ &=\ln2-2\ln(1+\alpha^2)-a+2a\alpha\\ &=2\left(1-\sqrt{1-a^2}\right)-a+\ln\frac{\left(1+\sqrt{1-a^2}\right)^2}{2}. \end{aligned} 最後の等号では 1+α2=21+1−a2\displaystyle 1+\alpha^2=\frac{2}{1+\sqrt{1-a^2}},2aα=2(1−1−a2)2a\alpha=2(1-\sqrt{1-a^2}) を用いた。

この式を aa で微分すると,a=2α1+α2\displaystyle a=\frac{2\alpha}{1+\alpha^2} より f′(a)=2α−1+α′(2a−4α1+α2)=2α−1.\displaystyle \begin{aligned} f'(a)&=2\alpha-1+\alpha'\left(2a-\frac{4\alpha}{1+\alpha^2}\right)\\ &=2\alpha-1. \end{aligned} α\alpha は aa とともに増加し,α=12\displaystyle \alpha=\frac12 となるのは a=g(12)=45\displaystyle a=g(\frac12)=\frac45 のときである。よって 0<a<45\displaystyle 0<a<\frac45 では f′(a)<0f'(a)<0,45<a<1\displaystyle \frac45<a<1 では f′(a)>0f'(a)>0 である。さらに a≦0a\leq0 では傾き −1-1,a≧1a\geq1 では傾き 11 だから,全体でも a=45\displaystyle a=\frac45 で最小となる。その値は f(45)=ln⁡2−2ln⁡54=ln⁡3225.\displaystyle f\left(\frac45\right)=\ln2-2\ln\frac54=\ln\frac{32}{25}. なお a=0,1a=0,1 では隣り合う場合の式の値がそれぞれ一致する。

この問題で使う考え方

  • 置換積分法
  • 三角・指数・対数関数等の積分
  • 不定積分・定積分の性質
  • 商の微分
  • 合成関数の微分
  • 指数・対数関数の微分

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