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慶應義塾大学/2012年度

慶應義塾大学 2012年 数学 第II問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2012年度第II問

以下の文章の空欄に適切な数または式を入れて文章を完成させなさい。

xyxy 平面上で点 PP は xx 軸上に,点 QQ は yy 軸上に置かれ,点 PP の xx 座標と点 QQ の yy 座標はそれぞれ −2-2 以上 22 以下の整数であるとする。点 P,QP,Q に対して次の操作を考える。

操作:点 PP の座標が (i,0)(i,0),点 QQ の座標が (0,j)(0,j) であるとき,次の規則に従って2点 P,QP,Q を互いに独立に同時に処理する。

(P1) −1≦i≦1-1\leq i\leq1 ならば点 PP を (i+1,0)(i+1,0) または (i−1,0)(i-1,0) のどちらかに確率 12\displaystyle \frac12 ずつで移す。

(P2) i=−2i=-2 ならば点 PP を必ず (−1,0)(-1,0) に移す。

(P3) i=2i=2 ならば点 PP をそのままにしておく。

(Q1) −1≦j≦1-1\leq j\leq1 ならば点 QQ を (0,j+1)(0,j+1) または (0,j−1)(0,j-1) のどちらかに確率 12\displaystyle \frac12 ずつで移す。

(Q2) j=−2j=-2 ならば点 QQ を必ず (0,−1)(0,-1) に移す。

(Q3) j=2j=2 ならば点 QQ をそのままにしておく。

さて,2点 P,QP,Q がともに (0,0)(0,0) に置かれている状態から始め,上の操作を3回繰り返し行う。

(1) 3回の操作の後,点 PP が (1,0)(1,0) に置かれている確率は (あ)\boxed{\text{(あ)}} であり,(−1,0)(-1,0) に置かれている確率は (い)\boxed{\text{(い)}} である。

(2) xyxy 平面上で不等式 y>xy>x の表す領域を AA,不等式 y>−xy>-x の表す領域を BB とする。各回の操作後に点 PP が常に A∪BA\cup B 内に置かれているという事象を UU とし,各回の操作後に点 QQ が常に A∪BA\cup B 内に置かれているという事象を VV とすると,事象 U∪VU\cup V の確率は (う)\boxed{\text{(う)}} である。

xyxy 平面上で2点 P,QP,Q を結ぶ線分の長さを PQPQ とする。ただし2点 P,QP,Q がともに (0,0)(0,0) に置かれている場合は PQ=0PQ=0 とする。

(3) 3回の操作を通じてちょうど1回だけ PQ=2PQ=\sqrt{2} となる確率は (え)\boxed{\text{(え)}} である。

(4) 3回の操作を通じた PQPQ の最大値の期待値は (お)\boxed{\text{(お)}} である。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

各座標の有限状態遷移を整理し、独立性と距離の状態分類で各確率と期待値を計算する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)((1)\quad (あ)=14, (\displaystyle )=\frac14,\space{}(い)=12;\displaystyle )=\frac12;
    (2)((2)\quad (う)=58;\displaystyle )=\frac58;
    (3)((3)\quad (え)=716;\displaystyle )=\frac7{16};
    (4)((4)\quad (お)=32+5+24\displaystyle )=\frac{3\sqrt2+\sqrt5+2}{4}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

各座標は同じ規則で動き、点 P,QP,Q の動きは互いに独立である。1個の座標は1回目の操作後に ±1\pm1、2回目の操作後に 0,2,−20,2,-2 のいずれかとなり、その確率はそれぞれ 1/2,1/4,1/41/2,1/4,1/4 である。22 はその後も 22 にとどまり、−2-2 は次に −1-1 へ移る。

(1) 2回目の操作後に点 PP が 00 にある確率は 1/21/2 であり、3回目にそこから 11 へ移る確率は 1/21/2。したがって P=(1,0)P=(1,0) となる確率は 1/41/4。P=(−1,0)P=(-1,0) となるのは、2回目に 00 にいて3回目に −1-1 へ移る場合と、2回目に −2-2 にいて3回目に −1-1 へ移る場合である。よって確率は (1/2)(1/2)+(1/4)=1/2(1/2)(1/2)+(1/4)=1/2。

(2) P=(i,0)P=(i,0) が領域 A∪BA\cup B にある条件は i≠0i\ne0、Q=(0,j)Q=(0,j) が同領域にある条件は j>0j>0 である。点 PP は1回目には必ず非零で、2回目にも非零である確率は 1/21/2。2回目に 22 または −2-2 なら3回目も非零なので、Pr⁡(U)=1/2\Pr(U)=1/2。点 QQ が各回後に正であるには、1回目に 11、2回目に 22 となればよく、その確率は Pr⁡(V)=1/4\Pr(V)=1/4。独立性から Pr⁡(U∪V)=Pr⁡(U)+Pr⁡(V)−Pr⁡(U)Pr⁡(V)=12+14−18=58.\displaystyle \Pr(U\cup V)=\Pr(U)+\Pr(V)-\Pr(U)\Pr(V)=\frac12+\frac14-\frac18=\frac58.

(3) 距離 PQ=2PQ=\sqrt2 となるのは ∣i∣=∣j∣=1|i|=|j|=1 のときである。1回目は必ずこの距離となり、2回目にはどちらの座標も 0,±20,\pm2 なのでこの距離にならない。3回目に1個の座標が絶対値1となる確率は、2回目に 00 または −2-2 にある確率を合わせて 1/2+1/4=3/41/2+1/4=3/4。したがって3回目に両方の絶対値が1となる確率は (3/4)2=9/16(3/4)^2=9/16。ちょうど1回だけ距離が 2\sqrt2 となる確率は 1−9/16=7/161-9/16=7/16。

(4) 2回目の位置により最大距離を分ける。両方が 00 の確率は 1/41/4 で、そのとき最大距離は 2\sqrt2。一方だけが ±2\pm2、他方が 00 の確率は 1/21/2。このうち +2+2 側なら3回目に距離 5\sqrt5、−2-2 側なら3回目に距離 2\sqrt2 となるが、2回目の距離は 22 なので最大値はそれぞれ 5\sqrt5、22 であり、各確率は 1/41/4。両方が ±2\pm2 の確率は 1/41/4 で、その時点で距離 222\sqrt2 が最大となる。よって最大距離の期待値は 142+145+14⋅2+14⋅22=32+5+24.\displaystyle \frac14\sqrt2+\frac14\sqrt5+\frac14\cdot2+\frac14\cdot2\sqrt2=\frac{3\sqrt2+\sqrt5+2}{4}.

この問題で使う考え方

  • 独立な試行
  • 確率の基本法則
  • 期待値

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