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日本医科大学/2007年度/1次

日本医科大学 2007年 数学 第IV問解答・解説

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1問題

日本医科大学2007年度第IV問

平面上に外接円の半径が 1 の正三角形 UVWUVW がある。その外心を OO とし,u⃗=OU→\vec{u}=\overrightarrow{\mathrm{OU}},v⃗=OV→\vec{v}=\overrightarrow{\mathrm{OV}},w⃗=OW→\vec{w}=\overrightarrow{\mathrm{OW}} とおく。正しく作られたサイコロを nn 回投げたとき,「1 または 2 が合わせて aa 回,3 または 4 が合わせて bb 回,5 または 6 が合わせて cc 回出る確率」を p(a,b,c)p(a,b,c) とし, x⃗=1n(au⃗+bv⃗+cw⃗)\displaystyle \vec{x}=\frac{1}{n}(a\vec{u}+b\vec{v}+c\vec{w}) とおく。ただし,nn は与えられた正の整数であり,   (∗)a,b,c(*)\quad a,b,c は,a+b+c=na+b+c=n を満たす 0 または正の整数である   とする。   (1) t=ab+bc+cat=ab+bc+ca とおく。∣x⃗∣2|\vec{x}|^{2} を,n,tn,t を用いて表せ。   (2) p(a,b,c)p(a,b,c) を求めよ。   (3) 上記の条件 (∗)(*) を満たすように a,b,ca,b,c をくまなく動かしたときの 1a!b!c!\displaystyle \frac{1}{a!b!c!} の和 Sn=∑(∗)を満たす (a,b,c)1a!b!c!\displaystyle S_{n}=\sum\limits _{\substack{(*)\text{を満たす }(a,b,c)}}\frac{1}{a!b!c!} を考える。たとえば,n=2n=2 のときは, S2=12!0!0!+10!2!0!+10!0!2!+11!1!0!+11!0!1!+10!1!1!\displaystyle S_{2}=\frac{1}{2!0!0!}+\frac{1}{0!2!0!}+\frac{1}{0!0!2!}+\frac{1}{1!1!0!}+\frac{1}{1!0!1!}+\frac{1}{0!1!1!} である。条件 (∗)(*) を満たすように a,b,ca,b,c をくまなく動かしたときの p(a,b,c)p(a,b,c) の和が 1 であること,すなわち ∑(∗)を満たす (a,b,c)p(a,b,c)=1\displaystyle \sum\limits _{\substack{(*)\text{を満たす }(a,b,c)}}p(a,b,c)=1 が成り立つこと(このことは証明しないでよい)に注意して,SnS_{n} を nn を用いて表せ。   (4) abab の期待値を nn を用いて表せ。   (5) ∣x⃗∣2|\vec{x}|^{2} の期待値を nn を用いて表せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2解答

解答を見る答えはこの解答の中にあります

日本医科大学 2007年度 数学 Q4

正三角形の外接円半径は1なので ∣u⃗∣=∣v⃗∣=∣w⃗∣=1,u⃗⋅v⃗=v⃗⋅w⃗=w⃗⋅u⃗=cos⁡120∘=−12.\displaystyle |\vec u|=|\vec v|=|\vec w|=1,\qquad \vec u\cdot\vec v=\vec v\cdot\vec w=\vec w\cdot\vec u =\cos120^\circ=-\frac12. サイコロ1回ごとに、各分類「1または2」「3または4」「5または6」が出る確率はそれぞれ 1/31/3 である。

(1) ∣x⃗∣2|\vec x|^2

t=ab+bc+cat=ab+bc+ca とすると、 ∣x⃗∣2=1n2∣au⃗+bv⃗+cw⃗∣2=a2+b2+c2−tn2.\displaystyle \begin{aligned} |\vec x|^2 &=\frac1{n^2}|a\vec u+b\vec v+c\vec w|^2\\ &=\frac{a^2+b^2+c^2-t}{n^2}. \end{aligned} a+b+c=na+b+c=n より a2+b2+c2=n2−2ta^2+b^2+c^2=n^2-2t だから ∣x⃗∣2=1−3tn2.\displaystyle \boxed{|\vec x|^2=1-\frac{3t}{n^2}}.

(2) p(a,b,c)p(a,b,c)

各回の分類は確率 1/31/3 の3種類である。分類の並び方は n!/(a!b!c!)n!/(a!b!c!) 通りあり、各並びの確率は 1/3n1/3^n なので p(a,b,c)=n!3na!b!c!.\displaystyle \boxed{p(a,b,c)=\frac{n!}{3^n a!b!c!}}.

(3) SnS_n

問題文で与えられた確率の総和を使うと 1=∑a+b+c=np(a,b,c)=n!3n∑a+b+c=n1a!b!c!=n!3nSn.\displaystyle 1=\sum\limits _{a+b+c=n}p(a,b,c) =\frac{n!}{3^n}\sum\limits _{a+b+c=n}\frac1{a!b!c!} =\frac{n!}{3^n}S_n. 従って Sn=3nn!.\displaystyle \boxed{S_n=\frac{3^n}{n!}}.

(4) abab の期待値

第 ii 回目が第1分類なら1、それ以外なら0となる指示変数を XiX_i、第2分類なら1となる指示変数を YiY_i とする。このとき a=∑i=1nXi,b=∑j=1nYj,ab=∑i=1n∑j=1nXiYj.\displaystyle a=\sum\limits _{i=1}^nX_i,\qquad b=\sum\limits _{j=1}^nY_j,\qquad ab=\sum\limits _{i=1}^n\sum\limits _{j=1}^nX_iY_j. i=ji=j では同じ回が第1・第2分類を同時にとれないので XiYi=0X_iY_i=0。i≠ji\ne j では別々のサイコロ投げが独立であり、E[XiYj]=(1/3)(1/3)=1/9E[X_iY_j]=(1/3)(1/3)=1/9。従って E[ab]=n(n−1)9.\displaystyle \boxed{E[ab]=\frac{n(n-1)}9}.

(5) ∣x⃗∣2|\vec x|^2 の期待値

3分類は対称なので E[ab]=E[bc]=E[ca]=n(n−1)9,E[t]=n(n−1)3.\displaystyle E[ab]=E[bc]=E[ca]=\frac{n(n-1)}9, \qquad E[t]=\frac{n(n-1)}3. (1)を用いて E[∣x⃗∣2]=1−3n2E[t]=1−n−1n=1n.\displaystyle \boxed{E[|\vec x|^2] =1-\frac3{n^2}E[t] =1-\frac{n-1}{n} =\frac1n}.

**使用解法:** 正三角形の中心角と内積、ベクトルの内積展開、分類ごとの多項分布、確率総和、指示変数と独立性による期待値計算。

**issues:** なし。

この問題で使う考え方

  • ベクトルの内積
  • 位置ベクトル
  • 順列
  • 確率の基本法則
  • 独立な試行
  • 期待値

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