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慶應義塾大学/2019年度/前期

慶應義塾大学 2019年 数学 第IV問解答・解説

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1問題

慶應義塾大学2019年度第IV問

以下の文章の空欄に適切な数または式を入れて文章を完成させなさい。ただし、空欄(あ)から(か)には文字 ss と tt の式が入る。

座標平面の点 Q(s,t)Q(s,t)(ただし、s≠0s\ne0 かつ ∣t∣≠1|t|\ne1 とする)を中心として yy 軸に接する円を CC とし、yy 軸上の点 A(0,−1)A(0,-1) および点 B(0,1)B(0,1) から CC に引いた接線で、yy 軸とは異なるものをそれぞれ LA,LBL_{A},L_{B} とする。

一般に三角形の3頂点から対辺またはその延長に下ろした3本の垂線は1点で交わり、その点を三角形の垂心という。また、点 PP が正の xx 座標をもつとき、点 PP は右半平面にあるという。

(1) s>0s>0 かつ ∣t∣<1|t|<1 のとき LAL_{A} の傾きは あ\boxed{\text{あ}} であり、LBL_{B} の傾きは い\boxed{\text{い}} である。

(2) 点 Q(s,t)Q(s,t) が、右半平面にある点 PP に対する三角形 APBAPB の内心となるための条件は s>0かつうs>0\quad\text{かつ}\quad\boxed{\text{う}} である。

(3) 三角形 AQBAQB の垂心 H(u,v)H(u,v) の座標を ss と tt の式で表すと、u=えu=\boxed{\text{え}}、v=おv=\boxed{\text{お}} である。また、s>0s>0 かつ ∣t∣<1|t|<1 のとき、点 R(−u,−v)R(-u,-v) と直線 LAL_{A} との距離 dd を、絶対値の記号および根号を用いずに、できるだけ簡単な式で表すと d=かd=\boxed{\text{か}} となる。

(4) 右半平面にある点 PP が、2点 A,BA,B を焦点とし、長軸の長さ 2a2a(ただし、a>1a>1 とする)の楕円上にあるとき、三角形 APBAPB の内心 Q(s,t)Q(s,t) は方程式 きx2+くx+けy2+こy=1\boxed{\text{き}}x^{2}+\boxed{\text{く}}x+\boxed{\text{け}}y^{2}+\boxed{\text{こ}}y=1 で表される2次曲線上にある。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • あ=(1+t)2−s22s(1+t),\displaystyle =\frac{(1+t)^2-s^2}{2s(1+t)},\quadい=s2−(1−t)22s(1−t),\displaystyle =\frac{s^2-(1-t)^2}{2s(1-t)},\quadう:s2+t2<1,:s^2+t^2<1,\quadえ=1−t2s,\displaystyle =\frac{1-t^2}{s},\quadお=t,=t,\quadか=1−t2s,\displaystyle =\frac{1-t^2}{s},\quadき=a+1a−1,\displaystyle =\frac{a+1}{a-1},\quadく=0,=0,\quadけ=1,=1,\quadこ=0=0

3解答

解答を見る途中式つきの解答

agraph{問題IV(独立解答)} 円の半径は ∣s∣|s| である。以下、(1)、(2)および(3)の距離の計算では s>0s>0, ∣t∣<1|t|<1 とし、α=1+t>0\alpha=1+t>0, β=1−t>0\beta=1-t>0 と置く。

agraph{(1)} LA:y=mx−1L_A:y=mx-1 と置く。中心 (s,t)(s,t) からこの直線への距離が半径 ss に 等しいので、 ∣ms−t−1∣1+m2=s,(ms−α)2=s2(1+m2).\displaystyle \frac{|ms-t-1|}{\sqrt{1+m^2}}=s, \qquad (ms-\alpha)^2=s^2(1+m^2). 展開して −2msα+α2−s2=0-2ms\alpha+\alpha^2-s^2=0 だから m=α2−s22sα=(1+t)2−s22s(1+t)(あ).\displaystyle m=\frac{\alpha^2-s^2}{2s\alpha} =\boxed{\frac{(1+t)^2-s^2}{2s(1+t)}}\quad(\text{あ}). 同様に LB:y=nx+1L_B:y=nx+1 とすると ∣ns+1−t∣1+n2=s,(ns+β)2=s2(1+n2),\displaystyle \frac{|ns+1-t|}{\sqrt{1+n^2}}=s, \qquad (ns+\beta)^2=s^2(1+n^2), ゆえに 2nsβ+β2−s2=02ns\beta+\beta^2-s^2=0 であり、 n=s2−(1−t)22s(1−t)(い).\displaystyle n=\boxed{\frac{s^2-(1-t)^2}{2s(1-t)}}\quad(\text{い}).

agraph{(2)} QQ が右半平面の三角形 APBAPB の内心ならば、内接円の ABAB 上の接点 (0,t)(0,t) は辺 ABAB の内部にある。したがって s>0s>0, ∣t∣<1|t|<1 である。 また PP は LA,LBL_A,L_B の交点である。両直線の式から Px=2m−n,m−n=1s−s1−t2=1−s2−t2s(1−t2).\displaystyle P_x=\frac{2}{m-n},\qquad m-n=\frac1s-\frac{s}{1-t^2} =\frac{1-s^2-t^2}{s(1-t^2)}. Px>0P_x>0 より s2+t2<1s^2+t^2<1 が必要である。

逆に s>0s>0 かつ s2+t2<1s^2+t^2<1 とする。このとき ∣t∣<1|t|<1 であり、 Px=2s(1−t2)1−s2−t2>2s>0.\displaystyle P_x=\frac{2s(1-t^2)}{1-s^2-t^2}>2s>0. さらに x=sx=s において t−(ms−1)=α−ms=α2+s22α>0,(ns+1)−t=ns+β=β2+s22β>0.\displaystyle t-(ms-1)=\alpha-ms=\frac{\alpha^2+s^2}{2\alpha}>0, \qquad (ns+1)-t=ns+\beta=\frac{\beta^2+s^2}{2\beta}>0. よって QQ は AB,LA,LBAB,L_A,L_B が囲む三角形の内部にある。中心 QQ、 半径 ss の円はこれら三辺を含む直線に接し、三角形の内部側にあるから 内接円である。したがって条件は s2+t2<1(う)\boxed{s^2+t^2<1}\quad(\text{う}) である(問題文にある s>0s>0 と併せる)。

agraph{(3)} ABAB は鉛直なので QQ からの高さは y=ty=t である。一方、 AQAQ の方向ベクトルは (s,1+t)(s,1+t) だから、BB からの高さは sx+(1+t)(y−1)=0.sx+(1+t)(y-1)=0. y=ty=t を代入すれば H=(u,v)=((1+t)(1−t)s,t),u=1−t2s(え),v=t(お).\displaystyle H=(u,v)=\left(\frac{(1+t)(1-t)}{s},t\right), \qquad \boxed{u=\frac{1-t^2}{s}}\quad(\text{え}),\qquad \boxed{v=t}\quad(\text{お}). この式は s≠0s\ne0, ∣t∣≠1|t|\ne1 のもとで成り立つ。

s>0s>0, ∣t∣<1|t|<1 のとき、R=(−u,−t)R=(-u,-t) と LA:mx−y−1=0L_A:mx-y-1=0 の距離は d=∣−mu+t−1∣1+m2.\displaystyle d=\frac{|-mu+t-1|}{\sqrt{1+m^2}}. (1)の m=(α2−s2)/(2sα)m=(\alpha^2-s^2)/(2s\alpha) と u=αβ/su=\alpha\beta/s を代入すると −mu+t−1=−β(α2−s2)2s2−β=−β(α2+s2)2s2,1+m2=α2+s22sα.\displaystyle -mu+t-1 =-\frac{\beta(\alpha^2-s^2)}{2s^2}-\beta =-\frac{\beta(\alpha^2+s^2)}{2s^2}, \qquad \sqrt{1+m^2}=\frac{\alpha^2+s^2}{2s\alpha}. ここで s,α,βs,\alpha,\beta は正だから、絶対値と根号を取り除けて d=β(α2+s2)2s22sαα2+s2=1−t2s(か).\displaystyle d=\frac{\beta(\alpha^2+s^2)}{2s^2} \frac{2s\alpha}{\alpha^2+s^2} =\boxed{\frac{1-t^2}{s}}\quad(\text{か}).

agraph{(4)} P=(X,Y)P=(X,Y) とする。焦点が (0,±1)(0,\pm1)、長半径が a>1a>1 の楕円は X2a2−1+Y2a2=1.\displaystyle \frac{X^2}{a^2-1}+\frac{Y^2}{a^2}=1. X>0X>0 なので ∣Y∣<a|Y|<a である。この式を使って焦点距離を計算すると PA2=X2+(Y+1)2=(a+Ya)2,PB2=X2+(Y−1)2=(a−Ya)2.\displaystyle PA^2=X^2+(Y+1)^2=\left(a+\frac Ya\right)^2, \qquad PB^2=X^2+(Y-1)^2=\left(a-\frac Ya\right)^2. 右辺の平方根の中身は正なので、PA=a+Y/aPA=a+Y/a, PB=a−Y/aPB=a-Y/a となる。 内心の座標は、各辺の長さを対向頂点の重みにした公式 (内心で分割した三角形の面積比から従う)より Q=PB A+PA B+AB PPA+PB+AB=(a−Y/a)(0,−1)+(a+Y/a)(0,1)+2(X,Y)2a+2=(Xa+1,Ya).\displaystyle Q=\frac{PB\,A+PA\,B+AB\,P}{PA+PB+AB} =\frac{(a-Y/a)(0,-1)+(a+Y/a)(0,1)+2(X,Y)}{2a+2} =\left(\frac{X}{a+1},\frac Ya\right). したがって X=(a+1)sX=(a+1)s, Y=atY=at を楕円の式に代入して a+1a−1s2+t2=1.\displaystyle \frac{a+1}{a-1}s^2+t^2=1. 求める2次曲線の係数は き=a+1a−1,く=0,け=1,こ=0.\displaystyle \boxed{\text{き}=\frac{a+1}{a-1}},\qquad \boxed{\text{く}=0},\qquad \boxed{\text{け}=1},\qquad \boxed{\text{こ}=0}.

この問題で使う考え方

  • 座標による距離
  • 直線の方程式
  • 不等式の表す領域
  • 三角形の中心
  • ベクトルの内積
  • 楕円

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