設定(図の読み取り) 図より,折れ線 P0P1P2P3⋯ は次の規則で作られている。
・ P0P1 は x 軸の正の向きから測って角 θ だけ上向きに傾いた線分である(P0 での角 θ が x 軸と P0P1 の間に描かれている)。
・ 各 Pk(k=1,2,3,…)を通り x 軸に平行な破線が引かれ,次の線分 PkPk+1 はその破線から角 θ だけ上向きに傾く。ただし図から,k が奇数のとき(P1P2,P3P4,…)は破線の負の向き(左向き)から角 θ 上向き,k が偶数のとき(P2P3,P4P5,…)は破線の正の向き(右向き)から角 θ 上向きである。
したがって,第 n 番目の変位ベクトル Pn−1Pn の向きは,x 軸正方向を基準とする偏角で表すと n が奇数(n=1,3,5,…)のとき角 θ,n が偶数(n=2,4,6,…)のとき角 π−θ であり,大きさは Pn−1Pn=2n−11 である。ゆえに Pn−1Pn=2n−11(cos(偏角), sin(偏角))=2n−11((−1)n−1cosθ, sinθ) (n 奇数なら (−1)n−1=1 で (cosθ,sinθ),n 偶数なら (−1)n−1=−1 で (−cosθ,sinθ) となり,上の記述と一致する)。0<θ<2π より cosθ>0, sinθ>0 であり,これは図の P1,P2,P3 の位置関係(x 座標は正で増減を繰り返しながら,y 座標は単調に増加する)とも合致する。
(1) 各線分の長さは Pn−1Pn=2n−11 であり,これは初項 1,公比 21(21<1)の無限等比級数である。よって P0P1+P1P2+⋯+Pn−1Pn+⋯=n=1∑∞2n−11=1−211=2. (この値は θ に依存しない全経路の長さである。)
(2) Pn=P0+k=1∑nPk−1Pk であり,P0 は原点だから,Pn=(xn,yn) とおくと xn=k=1∑n2k−1(−1)k−1cosθ,yn=k=1∑n2k−11sinθ. xn の和は初項 1,公比 −21 の等比数列の和であるから k=1∑n(−21)k−1=1−(−21)1−(−21)n=32{1−(−21)n} より xn=32cosθ{1−(−21)n}. yn の和は初項 1,公比 21 の等比数列の和であるから k=1∑n(21)k−1=1−211−(21)n=2{1−(21)n} より yn=2sinθ{1−(21)n}. ゆえに Pn(32cosθ{1−(−21)n}, 2sinθ{1−(21)n}).
検算:n=1 とすると x1=32cosθ⋅23=cosθ,y1=2sinθ⋅21=sinθ となり,これは P0P1 の変位そのもの(長さ 1,偏角 θ)と一致する。n=2 とすると x2=32cosθ⋅43=21cosθ,y2=2sinθ⋅43=23sinθ となり,これは直接 P1+P1P2=(cosθ,sinθ)+21(−cosθ,sinθ)=(21cosθ,23sinθ) と加算した結果に一致する。n=3 でも同様に x3=43cosθ,y3=47sinθ となり,直接計算 (21cosθ,23sinθ)+41(cosθ,sinθ) と一致することを確認した。
(3) 0<θ<2π のもとで n→∞ とすると,−21<1, 21<1 であるから (−21)n→0,(21)n→0(n→∞). よって xn→32cosθ,yn→2sinθ. したがって,n を限りなく大きくするとき,点 Pn は点 (32cosθ, 2sinθ) に限りなく近づく。(この極限座標は,各変位を(1)で得た無限等比級数の和の考え方で x 成分・y 成分ごとに足し合わせた結果とも一致し,(1)の全長 2 が x 成分の縮小と y 成分の増大に配分されている様子と整合する。)
数理の主要結論・計算を確認した。医学部範囲内であり、旧解説を採用候補として保存。