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熊本大学/2014年度/前期

熊本大学 2014年 数学 第2問解答・解説

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1問題

熊本大学2014年度第2問

aa を正の定数とする。条件 cos⁡θ−sin⁡θ=asin⁡θcos⁡θ,0<θ<π\cos\theta-\sin\theta=a\sin\theta\cos\theta,\qquad 0<\theta<\pi を満たす θ\theta について,以下の問いに答えよ。

問1 条件を満たす θ\theta は,0<θ<π2\displaystyle 0<\theta<\frac{\pi}{2} の範囲で,ただ1つ存在することを示せ。

問2 条件を満たす θ\theta の個数を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 条件を満たす解の個数は、0<a<220<a<2\sqrt2 で1個、a=22a=2\sqrt2 で2個、a>22a>2\sqrt2 で3個。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

問1. 0<θ<π2\displaystyle 0<\theta<\frac{\pi}{2} とし、x=tan⁡θ>0x=\tan\theta>0 とおく。条件式の右辺は正なので cos⁡θ−sin⁡θ>0\cos\theta-\sin\theta>0、従って x<1x<1 である。逆に 0<x<10<x<1 はこの範囲の角に対応する。

cos⁡θ=11+x2\displaystyle \cos\theta=\frac1{\sqrt{1+x^2}}、sin⁡θ=x1+x2\displaystyle \sin\theta=\frac{x}{\sqrt{1+x^2}} を代入すると、条件式は a=ϕ(x):=(1−x)1+x2x,0<x<1\displaystyle a=\phi(x):=\frac{(1-x)\sqrt{1+x^2}}x,\qquad 0<x<1 と同値である。ここで ϕ′(x)ϕ(x)=−11−x+x1+x2−1x=−1x(1−x)+x1+x2<0,\displaystyle \frac{\phi'(x)}{\phi(x)}=-\frac1{1-x}+\frac{x}{1+x^2}-\frac1x =-\frac1{x(1-x)}+\frac{x}{1+x^2}<0, 最後の不等式は通分した分子が −1−x3<0-1-x^3<0 となることから従う。よって ϕ\phi はxが大きくなると必ず小さくなり、lim⁡x→0+ϕ(x)=+∞\displaystyle \lim\limits _{x\to0+}\phi(x)=+\infty、lim⁡x→1−ϕ(x)=0\displaystyle \lim\limits _{x\to1-}\phi(x)=0。中間値の定理より任意の a>0a>0 に対して ϕ(x)=a\phi(x)=a は 0<x<10<x<1 の範囲にただ1つ解をもつ。従って問1が示された。

問2. π2<θ<π\displaystyle \frac\pi2<\theta<\pi では x=−tan⁡θ>0x=-\tan\theta>0 とおく。すると sin⁡θ=x1+x2\displaystyle \sin\theta=\frac{x}{\sqrt{1+x^2}}、cos⁡θ=−11+x2\displaystyle \cos\theta=-\frac1{\sqrt{1+x^2}} なので、条件式は a=ψ(x):=(1+x)1+x2x,x>0\displaystyle a=\psi(x):=\frac{(1+x)\sqrt{1+x^2}}x,\qquad x>0 と同値である。対数微分から ψ′(x)ψ(x)=11+x+x1+x2−1x=x3−1x(1+x)(1+x2).\displaystyle \frac{\psi'(x)}{\psi(x)}=\frac1{1+x}+\frac{x}{1+x^2}-\frac1x =\frac{x^3-1}{x(1+x)(1+x^2)}. 従って ψ\psi は 0<x<10<x<1 で減少し、x>1x>1 で増加する。最小値は ψ(1)=22\psi(1)=2\sqrt2 であり、x→0+x\to0+ および x→∞x\to\infty の両端で ψ(x)→+∞\psi(x)\to+\infty。従って第2象限内の解の個数は、a<22a<2\sqrt2 なら0個、a=22a=2\sqrt2 なら1個、a>22a>2\sqrt2 なら2個である。

θ=π2\displaystyle \theta=\frac\pi2 では左辺が −1-1、右辺が 00 なので解ではない。以上から全体の解の個数は {1(0<a<22),2(a=22),3(a>22).\boxed{\begin{cases} 1&(0<a<2\sqrt2),\\ 2&(a=2\sqrt2),\\ 3&(a>2\sqrt2). \end{cases}}

まず 0<θ<π/20<\theta<\pi/2 とする。このとき x=tan⁡θ>0x=\tan\theta>0 とおくと、条件式の右辺は正だから cos⁡θ−sin⁡θ>0\cos\theta-\sin\theta>0、したがって x<1x<1 である。逆に 0<x<10<x<1 はこの範囲の角に対応する。

cos⁡θ=1/1+x2\cos\theta=1/\sqrt{1+x^2}、sin⁡θ=x/1+x2\sin\theta=x/\sqrt{1+x^2} を代入すると a=ϕ(x):=(1−x)1+x2x,0<x<1.\displaystyle a=\phi(x):=\frac{(1-x)\sqrt{1+x^2}}{x},\qquad 0<x<1. ここで ϕ′(x)ϕ(x)=−11−x+x1+x2−1x=−1x(1−x)+x1+x2<0,\displaystyle \frac{\phi'(x)}{\phi(x)}=-\frac1{1-x}+\frac{x}{1+x^2}-\frac1x= -\frac1{x(1-x)}+\frac{x}{1+x^2}<0, 最後の不等式は分母を払った分子が −1−x3<0-1-x^3<0 となることから従う。よって ϕ\phi はxが大きくなると必ず小さくなり、lim⁡x→0+ϕ(x)=+∞\displaystyle \lim\limits _{x\to0+}\phi(x)=+\infty、lim⁡x→1−ϕ(x)=0\displaystyle \lim\limits _{x\to1-}\phi(x)=0。中間値の定理より任意の a>0a>0 に対し ϕ(x)=a\phi(x)=a は 0<x<10<x<1 の範囲にただ1つ解をもつ。これに対応する θ=arctan⁡x\theta=\arctan x も 0<θ<π/20<\theta<\pi/2 の範囲にただ1つである。

次に π/2<θ<π\pi/2<\theta<\pi では x=−tan⁡θ>0x=-\tan\theta>0 とおく。すると sin⁡θ=x/1+x2\sin\theta=x/\sqrt{1+x^2}、cos⁡θ=−1/1+x2\cos\theta=-1/\sqrt{1+x^2} なので、条件式は a=ψ(x):=(1+x)1+x2x,x>0\displaystyle a=\psi(x):=\frac{(1+x)\sqrt{1+x^2}}{x},\qquad x>0 と同値である。対数微分すると ψ′(x)ψ(x)=11+x+x1+x2−1x=x3−1x(1+x)(1+x2).\displaystyle \frac{\psi'(x)}{\psi(x)}=\frac1{1+x}+\frac{x}{1+x^2}-\frac1x=\frac{x^3-1}{x(1+x)(1+x^2)}. 従って ψ\psi は 0<x<10<x<1 で減少し、x>1x>1 で増加し、最小値は ψ(1)=22\psi(1)=2\sqrt2。また両端で ψ(x)→+∞\psi(x)\to+\infty(x→0+x\to0+ および x→∞x\to\infty)である。従って第2象限内の解の個数は、a<22a<2\sqrt2 なら0個、a=22a=2\sqrt2 なら1個、a>22a>2\sqrt2 なら2個である。

θ=π/2\theta=\pi/2 では左辺が −1-1、右辺が0なので解ではない。以上から全体の解の個数は {1(0<a<22),2(a=22),3(a>22).\boxed{\begin{cases}1&(0<a<2\sqrt2),\\2&(a=2\sqrt2),\\3&(a>2\sqrt2).\end{cases}}

この問題で使う考え方

  • tanによる置換
  • 対数微分
  • 増減と中間値の定理

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