(1) t=log∣x∣ とおく。t<−1 のとき∣t+1∣+t−1=−2 だからg(x)=−1 である。t≧−1 のとき∣t+1∣+t−1=2t なのでg(x)=−∣t∣ となる。したがって f(x)=⎩⎨⎧e1∣x∣∣x∣1(∣x∣≦e1),(e1≦∣x∣≦1),(∣x∣≧1). ここでは定義によりf(0)=1/e とした。グラフはy軸対称で、−1/e≦x≦1/eでは高さ1/eの水平線分となり、その両側で(±1/e,1/e)から(±1,1)まで直線、さらに外側ではy=1/∣x∣となる。
(2),(3)のため、点A(a,h)(h=f(a)>0)から左右それぞれの側で、曲線の下にあるままx軸に達する線分の水平距離の上限をD−(a),D+(a)とする。右端をa+dとすると線分の式はy=h(1−(x−a)/d)、左端をa−dとするとy=h(1−(a−x)/d)である。三角形の底辺の両端がaを挟む場合、その底辺の長さはD−+D+以下である。両端が同じ側にある場合は底辺の長さがその側の遠い端までの距離より小さく、その端に向かう辺は曲線の下にあるから、やはり底辺の長さはD−+D+以下である。よって、どの場合も面積は2h(D−+D+)以下となる。 まず0≦a≦1/eとする。このときh=1/eである。右への距離をdとし、線分がx>eまで達すれば、そこではf(x)=1/xだから e1(1−dx−a)≦x1よりd≦x−ex(x−a). t=x−e>0とおくと右辺はt+2e−a+e(e−a)/tであり、t+q/t≧2q(q>0)より D+(a)≦2e−a+2e(e−a). 同様に左への距離についてx=−u(u>e)を用いると e1(1−da+u)≦u1よりd≦u−eu(a+u). t=u−e>0とおけば右辺はt+a+2e+e(a+e)/tなので、 D−(a)≦a+2e+2e(a+e). 各最小値を与える点は右側では x=e+e(e−a)、左側では x=−e−e(a+e) である。それらまでの距離はそれぞれ上の上界より小さいので、線分がその点まで達しない場合も同じ上界が成り立つ。 ここで e+a+e−a≦2e, というのは、左辺の平方が2e+2e2−a2≦4eだからである。従って D−+D+≦4e+2e(e+a+e−a)≦8e, ゆえにこの範囲では三角形の面積は2e1(D−+D+)≦4である。 特にa=0では左右の距離はいずれも4e以下となる。一方、底辺の両端を(−4e,0),(4e,0)とする三角形は領域内にある。実際、右側の辺はy=e1(1−x/(4e))であり、0≦x≦eではf(x)≧1/e、e≦x≦4eでは xy=ex(1−4ex)=1−(1−2ex)2≦1 なので、いずれもy≦f(x)である。左側も対称性から同じである。この三角形の面積は21⋅8e⋅e1=4だから、S(0)=4である。 次に1/e<a≦1とする。このときh=aである。左端をb<0とすると、1/e<x<aとなるxでf(x)=xであるが、辺ABの高さは a−ba(x−b),a−ba(x−b)−x=a−bb(x−a)>0 となり曲線を上回る。したがって左端はb≧0でなければならず、D−(a)≦aである。 a<1ではr=1−a2、x0=(1+r)/aとおくとx0>1/aである。右端の線分がx0まで達する場合、そこでf(x0)=1/x0を用いると d≦ax0−1ax0(x0−a)=a1(t+2−a2+t1−a2)t=r=a(1+r)2,t=ax0−1. 線分がx0まで達しない場合もd<x0−a<(1+r)2/aなので同じ上界を得る。a=1でもx↓1とすることでD+(1)≦1となり、同じ式が成り立つ。よって S(a)≦2a(a+a(1+r)2)=2a2+(1+r)2=1+r≦2<4.
1≦a≦e/2ではh=1/aである。左端をb<1/eとすると、線分上のx=1/eでの高さが1/e=f(1/e)以下でなければならないから a1(1−da−1/e)≦e1よりd≦e−aae−1≦2a. b≧1/eならば距離はa−b<a<2aであるから、いずれにしてもD−(a)≦2aである。また右側の線分について、x>aではf(x)=1/xであり、線分の高さが1/x以下であることから距離d≦xを得る。x↓aとすればD+(a)≦aである。従ってS(a)≦2a1(2a+a)=3/2<4。 最後にa≧e/2とする。u=a(1+2)>eとおく。左端bが−u以下なら、x=−uにおける線分の高さとf(−u)=1/uを比べて a1(1−da+u)≦u1よりd≦u−au(a+u)=(3+22)a. b>−uの場合もd<a+u=(2+2)a<(3+22)aであるから、D−(a)≦(3+22)aである。右側では前段と同じくf(x)=1/xを用いればD+(a)≦aとなる。したがって S(a)≦2a1((3+22)a+a)=2+2<4. fは偶関数であるから、a<0の場合もS(a)=S(−a)である。以上より任意の実数aについてS(a)≦4=S(0)が示された。