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京都府立医科大学/2019年度/前期

京都府立医科大学 2019年 数学 第3問解答・解説

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1問題

京都府立医科大学2019年度第3問

複素数平面における円 C: ∣z∣=1C:\ |z|=1 を考える。複素数 zz に対して,zˉ\bar{z} は zz に共役な複素数を表す。

(1) 円 CC 上の点 α\alpha における接線を ll とする。このとき ll 上の点 zz は等式 z+α2z‾=2αz+\alpha^{2}\overline{z}=2\alpha を満たすことを証明せよ。

次に nn を3以上の整数とし,円 CC 上に nn 個の点 α1,α2,…,αn\alpha_{1},\alpha_{2},\ldots,\alpha_{n} をとる。ただし,αk2≠αk+12 (1≦k≦n−1)\alpha_{k}^{2}\neq\alpha_{k+1}^{2}\ (1\leq k\leq n-1) かつ αn2≠α12\alpha_{n}^{2}\neq\alpha_{1}^{2} とする。点 αk\alpha_{k} における円 CC の接線を lk (1≦k≦n)l_{k}\ (1\leq k\leq n) とする。lkl_{k} と lk+1l_{k+1} の交点を zk (1≦k≦n−1)z_{k}\ (1\leq k\leq n-1) とし,lnl_{n} と l1l_{1} の交点を znz_{n} とする。

(2) このとき ∑k=1n1zk=∑k=1nαk‾\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{n}\frac{1}{z_{k}}=\sum\limits _{k=1}^{n}\overline{\alpha_{k}} であることを証明せよ。

(3) α=cos⁡π2n+isin⁡π2n\displaystyle \alpha=\cos\frac{\pi}{2n}+i\sin\frac{\pi}{2n} とする。ここで ii は虚数単位を表す。 αk=cos⁡kπ2n+isin⁡kπ2n(1≦k≦n)\displaystyle \alpha_{k}=\cos\frac{k\pi}{2n}+i\sin\frac{k\pi}{2n}\quad(1\leq k\leq n) としたときの zkz_{k} について, (α−1)∑k=1n1zk\displaystyle (\alpha-1)\sum\limits _{k=1}^{n}\frac{1}{z_{k}} の値を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

単位円上の接線を半径に垂直な直線として複素数で表し、隣接する接線の方程式を引いて各交点の逆数を導く。(3)ではド・モアブルの定理と有限和の相殺を用いる。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) z+α2z‾=2α.(1)\space{}z+\alpha^{2}\overline{z}=2\alpha.
    (2) ∑k=1n1zk=∑k=1nαk‾.\displaystyle (2)\space{}\displaystyle\sum\limits _{k=1}^{n}\frac{1}{z_k}=\sum\limits _{k=1}^{n}\overline{\alpha_k}.
    (3) 1+i.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1)  α=a+bi\alpha=a+bi, z=x+yiz=x+yi (a,b,x,ya,b,x,y は実数) とおく。 ∣α∣=1|\alpha|=1 より a2+b2=1a^2+b^2=1である。円CCの中心から点α\alpha へ向かう半径の方向ベクトルは(a,b)(a,b)であり、接線llはこの半径に垂直で点(a,b)(a,b)を通る。したがって、z=(x,y)z=(x,y)がll上にあることは a(x−a)+b(y−b)=0,すなわちax+by=1a(x-a)+b(y-b)=0,\quad\text{すなわち}\quad ax+by=1 と同値である。一方、 α‾z+αz‾=2Re⁡(α‾z)=2(ax+by).\overline{\alpha}z+\alpha\overline{z} =2\operatorname{Re}(\overline{\alpha}z)=2(ax+by). また∣α∣=1|\alpha|=1なので、等式 z+α2z‾=2αz+\alpha^2\overline z=2\alpha の両辺にα‾\overline{\alpha}を掛けると α‾z+αz‾=2\overline{\alpha}z+\alpha\overline{z}=2 となる。これはax+by=1ax+by=1と同値である。よってll上の点zzは z+α2z‾=2αz+\alpha^{2}\overline{z}=2\alpha を満たす。

(2)  添字を巡回させるためαn+1=α1\alpha_{n+1}=\alpha_1 とおく。各kkについて、zkz_kはlkl_kとlk+1l_{k+1}の交点だから、(1)より zk+αk2zk‾=2αk,zk+αk+12zk‾=2αk+1.z_k+\alpha_k^{2}\overline{z_k}=2\alpha_k,\qquad z_k+\alpha_{k+1}^{2}\overline{z_k}=2\alpha_{k+1}. この2式を引くと (αk2−αk+12)zk‾=2(αk−αk+1).(\alpha_k^{2}-\alpha_{k+1}^{2})\overline{z_k} =2(\alpha_k-\alpha_{k+1}). 仮定よりαk2≠αk+12\alpha_k^2\ne\alpha_{k+1}^2であるから、αk≠αk+1\alpha_k\ne\alpha_{k+1}かつαk+αk+1≠0\alpha_k+\alpha_{k+1}\ne0である。左辺の係数を因数分解してαk−αk+1\alpha_k-\alpha_{k+1}を約すと (αk+αk+1)zk‾=2.(\alpha_k+\alpha_{k+1})\overline{z_k}=2. 共役をとれば(αk‾+αk+1‾)zk=2(\overline{\alpha_k}+\overline{\alpha_{k+1}})z_k=2であるためzk≠0z_k\ne0であり、 1zk=αk‾+αk+1‾2\displaystyle \frac{1}{z_k}=\frac{\overline{\alpha_k}+\overline{\alpha_{k+1}}}{2} を得る。これをk=1,…,nk=1,\ldots,nについて加えると、巡回の各αk‾\overline{\alpha_k}がちょうど2回ずつ現れるので ∑k=1n1zk=12∑k=1n(αk‾+αk+1‾)=∑k=1nαk‾.\displaystyle \sum\limits _{k=1}^{n}\frac{1}{z_k} =\frac12\sum\limits _{k=1}^{n}(\overline{\alpha_k}+\overline{\alpha_{k+1}}) =\sum\limits _{k=1}^{n}\overline{\alpha_k}.

(3)  ド・モアブルの定理により、与えられたα\alphaに対してαk=αk\alpha_k=\alpha^kであり、∣α∣=1|\alpha|=1だからαk‾=α−k\overline{\alpha_k}=\alpha^{-k}である。(2)を用いると (α−1)∑k=1n1zk=(α−1)∑k=1nα−k=∑k=1n(α1−k−α−k)=1−α−n.\displaystyle (\alpha-1)\sum\limits _{k=1}^{n}\frac{1}{z_k} =(\alpha-1)\sum\limits _{k=1}^{n}\alpha^{-k} =\sum\limits _{k=1}^{n}\bigl(\alpha^{1-k}-\alpha^{-k}\bigr) =1-\alpha^{-n}. 最後の等式では隣り合う項が相殺される。さらに再びド・モアブルの定理より αn=cos⁡π2+isin⁡π2=i,α−n=1i=−i.\displaystyle \alpha^n=\cos\frac{\pi}{2}+i\sin\frac{\pi}{2}=i,\qquad \alpha^{-n}=\frac{1}{i}=-i. したがって求める値は 1−α−n=1+i.1-\alpha^{-n}=1+i. 検算として、上の有限和を展開すると (1−α−1)+(α−1−α−2)+⋯+(α1−n−α−n)=1−α−n(1-\alpha^{-1})+(\alpha^{-1}-\alpha^{-2})+\cdots+ (\alpha^{1-n}-\alpha^{-n})=1-\alpha^{-n} となり、中間項がすべて消えるため、符号も一致する。

この問題で使う考え方

  • 複素数平面
  • 複素数の極形式
  • ド・モアブルの定理
  • 等比数列の一般項と和
  • 総和記号と数列の和

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