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京都府立医科大学/2021年度/前期

京都府立医科大学 2021年 数学 第4問解答・解説

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1問題

京都府立医科大学2021年度第4問

以下の問題A、Bのうち1題を選択し、解答用紙の選択欄にAまたはBを記入したうえで解答すること。

A. 複素数 zz に関する以下の条件(C)、(D)を考える。 条件(C) z2+mz+n=0z^{2}+mz+n=0 を満たす整数 m,nm,n が存在する。 条件(D) z3+pz+q=0z^{3}+pz+q=0 を満たす整数 p,qp,q が存在する。

A(1) 複素数 zz が条件(C)を満たすならば、条件(D)も満たすことを証明せよ。

A(2) 23\sqrt[3]{2} は条件(D)は満たすが、条件(C)は満たさないことを証明せよ。ただし、23\sqrt[3]{2} が無理数であることは用いてよい。

A(3) ∣z∣=1|z|=1 である複素数 zz で条件(D)を満たすものをすべて求めよ。

B. 平面上で1辺の長さが1の正三角形 ABCABC の頂点 A,B,CA,B,C を中心とする半径1の円で囲まれた部分をそれぞれ D1,D2,D3D_{1},D_{2},D_{3} とする。D1,D2,D3D_{1},D_{2},D_{3} の共通部分を KK とする。すなわち KK は、共通部分に含まれる弧 ABAB、弧 BCBC、弧 CACA で囲まれた図形である。 xyxy 平面上に KK を考え、点 AA は原点に、点 CC は yy 軸上に、点 BB は第1象限に属するように KK をおく。この KK が xx 軸の上で正の方向にすべることなく転がり、1回転するときにできる点 AA の描く曲線を LL とする。

B(1) KK の弧 ABAB と xx 軸が共有点をもつとき、その共有点を PP とし、∠ACP=θ\angle ACP=\theta とおく。ただし 0<θ<π3\displaystyle 0<\theta<\frac{\pi}{3} とする。このとき点 AA の座標を θ\theta を用いて表せ。

B(2) KK が1回転したあとの点 AA の座標を求めよ。

B(3) 曲線 LL と xx 軸で囲まれた部分の面積を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • A(1) p=n−m2, q=−mn.\space{}p=n-m^2,\space{}q=-mn.\quad A(2) 23\space{}\sqrt[3]{2} は(D)を満たし(C)を満たさない..\quad A(3) z=1,−1,±i,1±i32,−1±i32.\displaystyle \space{}z=1,-1,\pm i,\frac{1\pm i\sqrt3}{2},\frac{-1\pm i\sqrt3}{2}.
    B(1) A=(θ−sin⁡θ,1−cos⁡θ).\space{}A=(\theta-\sin\theta,1-\cos\theta).\quad B(2) A=(π,0).\space{}A=(\pi,0).\quad B(3) S=5π3−332.\displaystyle \space{}S=\frac{5\pi}{3}-\frac{3\sqrt3}{2}.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

A(1)  z2+mz+n=0z^2+mz+n=0よりz2=−mz−nz^2=-mz-nである。したがって z3=−mz2−nz=m(mz+n)−nz=(m2−n)z+mn,z^3=-mz^2-nz=m(mz+n)-nz=(m^2-n)z+mn, ゆえにz3+(n−m2)z−mn=0z^3+(n-m^2)z-mn=0。p=n−m2, q=−mnp=n-m^2,\ q=-mnは整数だから条件(D)を満たす。

A(2)  α=23\alpha=\sqrt[3]{2}とする。α3=2\alpha^3=2なのでp=0, q=−2p=0,\ q=-2とすれば条件(D)を満たす。一方、条件(C)を満たすと仮定して整数m,nm,nでα2+mα+n=0\alpha^2+m\alpha+n=0とする。この式にα\alphaを掛け、α3=2\alpha^3=2と元の式を代入すると (n−m2)α+2−mn=0.(n-m^2)\alpha+2-mn=0. α\alphaは無理数で係数は整数だから、n=m2, mn=2n=m^2,\ mn=2が必要である。よってm3=2m^3=2となるが、整数mmでは不可能。したがって条件(C)は満たさない。

A(3)  f(x)=x3+px+qf(x)=x^3+px+qとおく。z=1,−1z=1,-1はそれぞれx3−1=0, x3+1=0x^3-1=0,\ x^3+1=0で実現する。次に単位円上の非実数の根zzを考えると、実係数よりzˉ\bar zも根であり、zzˉ=1z\bar z=1。残る一次因子の根をrrとすると、根と係数の関係から z+zˉ+r=0,zzˉr=−q.z+\bar z+r=0,\qquad z\bar z r=-q. したがってr=−qr=-qは整数であり、r=−2Re⁡zr=-2\operatorname{Re}zかつ−2<r<2-2<r<2だからr=−1,0,1r=-1,0,1。二次因子は (x−z)(x−zˉ)=x2+rx+1.(x-z)(x-\bar z)=x^2+rx+1. 従って各場合はx2−x+1=0, x2+1=0, x2+x+1=0x^2-x+1=0,\ x^2+1=0,\ x^2+x+1=0となり、全候補は z=1,−1,±i,1±i32,−1±i32.\displaystyle z=1,-1,\pm i,\frac{1\pm i\sqrt3}{2},\frac{-1\pm i\sqrt3}{2}. 実際、x3−1=(x−1)(x2+x+1)x^3-1=(x-1)(x^2+x+1)、x3+1=(x+1)(x2−x+1)x^3+1=(x+1)(x^2-x+1)、x3+x=x(x2+1)x^3+x=x(x^2+1)であり、これらはすべて整数係数の条件(D)を満たす。

B(1)  接点をPP、∠ACP=θ\angle ACP=\thetaとする。CP=1CP=1は床に垂直で、滑らずに進んだ弧長は水平移動距離に等しい。初期接点はA=(0,0)A=(0,0)、弧長は半径1、中心角θ\thetaよりθ\thetaなのでP=(θ,0)P=(\theta,0)、C=(θ,1)C=(\theta,1)。配置からCA→=(−sin⁡θ,−cos⁡θ)\overrightarrow{CA}=(-\sin\theta,-\cos\theta)となるから A=(θ−sin⁡θ, 1−cos⁡θ).A=(\theta-\sin\theta,\ 1-\cos\theta).

B(2)  各円弧の中心角はπ/3\pi/3、半径は1なので、一つの円弧が転がる水平距離はπ/3\pi/3。一回転で弧AB,BC,CAAB,BC,CAが各一度転がり、合計距離はπ\pi。3回の弧転がりと3頂点での支点回転で本体の向きは一周して戻る。最後の支点は点AAなので、点AAは動かず終点は A=(π,0).A=(\pi,0).

B(3)  各区間でy≧0y\ge0、xxは増加するから面積をS=∑∫y dx\displaystyle S=\sum\int y\,dxで求める。最初の弧ABABでは S1=∫0π/3(1−cos⁡θ)2 dθ=[3θ2−2sin⁡θ+sin⁡2θ4]0π/3=π2−738.\displaystyle S_1=\int_0^{\pi/3}(1-\cos\theta)^2\,d\theta =\left[\frac{3\theta}{2}-2\sin\theta+\frac{\sin2\theta}{4}\right]_0^{\pi/3} =\frac{\pi}{2}-\frac{7\sqrt3}{8}. 頂点B=(π/3,0)B=(\pi/3,0)を支点に時計回り角ttだけ回る間、 x=π3+cos⁡(5π6−t),y=sin⁡(5π6−t),\displaystyle x=\frac{\pi}{3}+\cos\left(\frac{5\pi}{6}-t\right),\quad y=\sin\left(\frac{5\pi}{6}-t\right), よって SB=∫0π/3sin⁡2(5π6−t)dt=π6+38.\displaystyle S_B=\int_0^{\pi/3}\sin^2\left(\frac{5\pi}{6}-t\right)dt =\frac{\pi}{6}+\frac{\sqrt3}{8}. 弧BCBCが転がるとき点AAは高さ1の水平線上をπ/3\pi/3進むからSBC=π/3S_{BC}=\pi/3。頂点C=(2π/3,0)C=(2\pi/3,0)を支点とする回転では x=2π3+sin⁡t,y=cos⁡t,SC=∫0π/3cos⁡2t dt=π6+38.\displaystyle x=\frac{2\pi}{3}+\sin t,\quad y=\cos t,\quad S_C=\int_0^{\pi/3}\cos^2t\,dt=\frac{\pi}{6}+\frac{\sqrt3}{8}. 弧CACAが転がる間、中心BBは高さ1で右へ進み、始点でBA→=(3/2,−1/2)\overrightarrow{BA}=(\sqrt3/2,-1/2)。したがって x=2π3+t+cos⁡(π6+t),y=1−sin⁡(π6+t),\displaystyle x=\frac{2\pi}{3}+t+\cos\left(\frac{\pi}{6}+t\right),\quad y=1-\sin\left(\frac{\pi}{6}+t\right), SCA=∫0π/3(1−sin⁡(π6+t))2dt=π2−738.\displaystyle S_{CA}=\int_0^{\pi/3}\left(1-\sin\left(\frac{\pi}{6}+t\right)\right)^2dt =\frac{\pi}{2}-\frac{7\sqrt3}{8}. 最後に点AAを支点とする回転の寄与は0である。よって S=S1+SB+SBC+SC+SCA=5π3−332.\displaystyle S=S_1+S_B+S_{BC}+S_C+S_{CA} =\frac{5\pi}{3}-\frac{3\sqrt3}{2}. ここではsin⁡2u=(1−cos⁡2u)/2, cos⁡2u=(1+cos⁡2u)/2\sin^2u=(1-\cos2u)/2,\ \cos^2u=(1+\cos2u)/2を用いた。

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