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京都府立医科大学/2024年度/前期

京都府立医科大学 2024年 数学 第2問解答・解説

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1問題

京都府立医科大学2024年度第2問

以下のような硬貨投げを行う。

1枚の硬貨を投げて裏が出たら硬貨投げを終了し、表が出たら1枚の硬貨を加え2枚の硬貨を同時に投げる。2枚の硬貨のうち1枚でも裏が出たら硬貨投げを終了し、全部が表ならば1枚の硬貨を加え3枚の硬貨を同時に投げる。3枚のうち1枚でも裏が出たら硬貨投げを終了し、全部が表ならば1枚の硬貨を加え4枚の硬貨を同時に投げる。以下同様にして全部が表ならば1枚の硬貨を加えて硬貨投げを続ける。

1枚の硬貨から始めて、硬貨が nn 枚のときに硬貨投げが終了する確率を pn (n≧1)p_{n}\ (n\geq1) とする。

(1) pnp_{n} を nn を用いて表せ。

(2) 無限級数の和 ∑n=1∞pn\displaystyle \sum\limits _{n=1}^{\infty}p_{n} を求めよ。

(3) P=∑n=1∞p2n−1\displaystyle P=\sum\limits _{n=1}^{\infty}p_{2n-1} とおく。0.6<P<0.620.6<P<0.62 であることを証明せよ。ここで ∑n=1∞p2n−1\displaystyle \sum\limits _{n=1}^{\infty}p_{2n-1} が収束することは用いてよい。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

各段階に到達する確率を独立試行の積で求め、次段階へ進む確率との差としてpnp_nを表す。隣接差の望遠和で全体の和とPの端数を評価する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)  pn=(1−2−n)2−n(n−1)/2.(1)\;p_n=(1-2^{-n})2^{-n(n-1)/2}.
    (2)  ∑n=1∞pn=1.\displaystyle (2)\;\sum\limits _{n=1}^{\infty}p_n=1.
    (3)  0.6<P<0.62.(3)\;0.6<P<0.62.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 硬貨がn枚になるまで続けるには、1枚からn-1枚までの各段階で、投げた硬貨がすべて表でなければならない。k枚の段階で全部表となる確率は2−k2^{-k}であり、各回の硬貨投げは独立だから、n枚の段階に達する確率は∏k=1n−12−k=2−n(n−1)2.\displaystyle \prod\limits _{k=1}^{n-1}2^{-k}=2^{-\frac{n(n-1)}2}.その段階で終了するのは、n枚のうち少なくとも1枚が裏となる場合で、その確率は1−2−n1-2^{-n}である。よってpn=(1−2−n)2−n(n−1)2.\displaystyle p_n=(1-2^{-n})2^{-\frac{n(n-1)}2}.

(2) q0=1q_0=1とし、qn=∏k=1n2−k=2−n(n+1)2\displaystyle q_n=\prod\limits _{k=1}^{n}2^{-k}=2^{-\frac{n(n+1)}2}とおく。qnq_nはnn回目の投げまで全部表となり、n+1n+1枚の段階へ進む確率である。(1)の結果よりpn=qn−1(1−2−n)=qn−1−qn.p_n=q_{n-1}(1-2^{-n})=q_{n-1}-q_n.したがって、任意の正整数Nについて∑n=1Npn=q0−qN=1−2−N(N+1)2.\displaystyle \sum\limits _{n=1}^{N}p_n=q_0-q_N=1-2^{-\frac{N(N+1)}2}.Nが大きくなると右端の第2項は0に近づくので、∑n=1∞pn=1.\displaystyle \sum\limits _{n=1}^{\infty}p_n=1.

(3) (2)のqnq_nを用いるとp1=q0−q1=1/2p_1=q_0-q_1=1/2、p3=q2−q3=1/8−1/64=7/64p_3=q_2-q_3=1/8-1/64=7/64である。したがってP>p1+p3=12+764=3964>35=0.6.\displaystyle P>p_1+p_3=\frac12+\frac7{64}=\frac{39}{64}>\frac35=0.6.一方、すべてのpnp_nは正であり、奇数番目のうちnnが5以上の項の和は、すべてのnnが5以上の項の和より小さい。後者は望遠和だから∑j=3∞p2j−1<∑k=5∞pk=q4=2−10=11024.\displaystyle \sum\limits _{j=3}^{\infty}p_{2j-1}<\sum\limits _{k=5}^{\infty}p_k=q_4=2^{-10}=\frac1{1024}.ゆえにP<3964+11024=6251024<3150=0.62,\displaystyle P<\frac{39}{64}+\frac1{1024}=\frac{625}{1024}<\frac{31}{50}=0.62,最後の不等号は625⋅50=31250<31744=31⋅1024625\cdot50=31250<31744=31\cdot1024による。以上より0.6<P<0.620.6<P<0.62である。

この問題で使う考え方

  • 独立な試行
  • 確率の基本法則
  • 総和記号と数列の和
  • 階差・和の利用

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