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京都大学/2026年度/前期

京都大学 2026年 数学 第3問解答・解説

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1問題

京都大学2026年度第3問配点 35点

nn は正の整数とする。整数係数の多項式 (x+1)2n+1−(x2+1)2n(x+1)^{2^{n+1}}-(x^2+1)^{2^n} のすべての係数が 2m2^m で割り切れるような正の整数 mm のうち,最大のものは n+1n+1 であることを示せ。

ただし,

(x+1)2n+1(x+1)^{2^{n+1}} は x+1x+1 の 2n+12^{n+1} 乗を表す。

(x2+1)2n(x^2+1)^{2^n} は x2+1x^2+1 の 2n2^n 乗を表す。

2m2^m は2の mm 乗を表す。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • 最大の正整数 m は n+1 である。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

n は正の整数なので、N=2nN=2^n とおく。 P(x)=(x+1)2N−(x2+1)NP(x)=(x+1)^{2N}-(x^2+1)^N とする。 (x+1)2=(x2+1)+2x(x+1)^2=(x^2+1)+2x だから、二項定理より P(x)=((x2+1)+2x)N−(x2+1)N=∑k=1N(Nk)(2x)k(x2+1)N−k.\displaystyle P(x)=((x^2+1)+2x)^N-(x^2+1)^N =\sum\limits _{k=1}^{N}\binom Nk(2x)^k(x^2+1)^{N-k}. 各項の係数に含まれる2の因数を調べる。 (1+t)N=(1+t)2n≡1+tN(mod2)(1+t)^N=(1+t)^{2^n}\equiv 1+t^N\pmod 2 である。また (1+t)(1+t+⋯+tN−1)≡1+tN(mod2)(1+t)(1+t+\cdots+t^{N-1})\equiv 1+t^N\pmod 2 だから、Q(t)=(1+t)N−1−(1+t+⋯+tN−1)Q(t)=(1+t)^{N-1}-(1+t+\cdots+t^{N-1}) とおくと、(1+t)Q(t)≡0(mod2)(1+t)Q(t)\equiv0\pmod 2 となる。もし Q(t)Q(t) が2を法として零でなければ、その最高次係数は1であり、(1+t)Q(t)(1+t)Q(t) の最高次項も残るので零多項式にはならない。したがって (1+t)N−1≡1+t+⋯+tN−1(mod2).(1+t)^{N-1}\equiv 1+t+\cdots+t^{N-1}\pmod 2. よって、1≦k≦N1\le k\le N に対し B=(N−1k−1)\displaystyle B=\binom{N-1}{k-1} は奇数である。

k=2ruk=2^r u(uu は奇数)と書く。恒等式 k(Nk)=N(N−1k−1)\displaystyle k\binom Nk=N\binom{N-1}{k-1} より u(Nk)=2n−rB.\displaystyle u\binom Nk=2^{n-r}B. uu と 2n−r2^{n-r} は互いに素なので、約数・倍数の性質から 2n−r∣(Nk)\displaystyle 2^{n-r}\mid\binom Nk である。さらに k≧2r≧r+1k\ge 2^r\ge r+1 より k+n−r≧n+1k+n-r\ge n+1 となる。したがって 2k(Nk)\displaystyle 2^k\binom Nk は 2n+12^{n+1} で割り切れる。各 (x2+1)N−k(x^2+1)^{N-k} は整数係数多項式なので、展開式の各項、したがって P(x)P(x) のすべての係数が 2n+12^{n+1} で割り切れる。

一方、P(x)P(x) の xx の係数は、第一項から (2N1)=2N=2n+1\displaystyle \binom{2N}{1}=2N=2^{n+1}、第二項からは0だけ寄与する。したがってこの係数は 2n+12^{n+1} では割り切れるが 2n+22^{n+2} では割り切れない。ゆえに、すべての係数が 2m2^m で割り切れる正整数 mm の最大値は n+1n+1 である。

この問題で使う考え方

  • 二項定理
  • 整除性・指数による可除性評価

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