1から10までの番号が1つずつ書かれた10枚のカードから,よくきった状態で1枚を抜き取り,その番号をXとする。Xは1,2,…,10の値をそれぞれ確率101でとる。
X>kならば得点はそのままXであり,X≦kならば抜き取ったカードを戻さずに残り9枚から1枚を抜き取り,その番号をYとして得点はYとなる。X=x (1≦x≦k)の下で,Yはxを除く9枚の番号の中から等確率で選ばれるので,Yがある値n (=x)をとる条件付き確率は91であり,Y=xとなることはない(そのカードはすでに抜かれているため)。
(1)(2) 得点がnである確率(1≦n≦10)
確率の加法定理・乗法定理によりP(得点=n)=P(X=n, X>k)+x=1∑kP(X=x)P(Y=n∣X=x).第1項はn>kのとき101,n≦kのとき0である。第2項の和において,x=nの項はP(Y=n∣X=n)=0なので寄与せず,x=nの項はそれぞれ101⋅91=901である。
場合分けすると,
・ n≦kのとき:1以上k以下の整数xのうちx=nとなるものはk−1個なのでP(得点=n)=0+90k−1=90k−1.
・ n>kのとき:1以上k以下の整数xはすべてx<nなのでx=nが自動的に成り立ち,k個の項が寄与する。よってP(得点=n)=101+90k=909+k.
検算:確率の総和が1になることを確認する。n=1,…,kのk個は各90k−1,n=k+1,…,10の10−k個は各90k+9であるから,総和は90k(k−1)+(10−k)(k+9)=90(k2−k)+(10k+90−k2−9k)=9090=1となり,確率として矛盾しない。
問題の設定では2≦k≦9であるから,n=1は常にn≦k(k≧2より)に,n=10は常にn>k(k≦9より)に該当する。したがってP(得点=1)=90k−1,P(得点=10)=90k+9.また,2≦n≦9の整数nに対してはP(得点=n)=⎩⎨⎧90k−1,90k+9,2≦n≦k のときk<n≦9 のときである(n≦kを満たす整数nが存在しない,すなわちkが最小値の2であってもn=2はn≦kに含まれ矛盾なく定義される)。
(3) 得点の期待値
(1)(2)の結果を用いてE=n=1∑kn⋅90k−1+n=k+1∑10n⋅90k+9.n=1∑kn=2k(k+1),n=1∑10n=55よりn=k+1∑10n=55−2k(k+1)であるから,E=90k−1⋅2k(k+1)+90k+9(55−2k(k+1))=90−5k(k+1)+55(k+9)=90−5k2+50k+495=1899+10k−k2.
検算(別法):X自身の値による直接計算でも確かめる。X=x≦kのときの得点Yの期待値は,1から10の総和55からxを除いた9枚の平均955−xである。よってE=x=k+1∑10x⋅101+x=1∑k101⋅955−x=101(55−2k(k+1))+901(55k−2k(k+1))=90495+50k−5k2=1899+10k−k2となり,先の結果と一致する。
さらにk=2(E=18115)とk=9(E=18108=6)について,(1)(2)の確率を直接代入した和でも同じ値が得られることを確認済みである。
以上よりE=1899+10k−k2.