点 O を基点とし,位置ベクトルはすべて O からのベクトルで表す。 (1) 点 Q は辺 AB 上にあるから,AQ:QB=m:n とおくとOQ=m+nnOA+mOB.三角形 OAQ,OBQ は頂点 O を共有し,底辺 AQ,QB が同一直線 AB 上にあるので,O から直線 AB までの高さは共通である。したがって△OAQ:△OBQ=AQ:QB=m:n.(i)一方,O,Q,P は同一直線上にあり,しかも Q が O と P の間にある(P は Q に関して O と反対側)。三角形 OAQ と OAP は頂点 A を共有し,底辺 OQ,OP が同一直線上にあるから,A から直線 OP までの高さが共通で,△OAP=△OAQ⋅OQOP.同様に △OBP=△OBQ⋅OQOP である。k=OQOP(>1) とおくとa=△OAQ⋅k,b=△OBQ⋅kであるから,k は消えてa:b=△OAQ:△OBQ=AQ:QB((i)より).よって m:n=a:b ととれるので, OQ=a+bbOA+aOB を得る。(検算:a=b のとき Q は AB の中点となり,直感的な対称性と一致する。) (2) (1) の議論より a=k⋅△OAQ, b=k⋅△OBQ なので,辺々加えてa+b=k(△OAQ+△OBQ)=k⋅△OAB.よって △OAB=ka+b …① 次に,直線 AB に関する高さで考える。O から直線 AB までの距離を hO,P から直線 AB までの距離を hP とすると△OAB=21AB⋅hO,c=△ABP=21AB⋅hPであるからhPhO=c△OAB.(ii)Q は直線 AB 上の点で,O,P を結ぶ直線がこの点で AB と交わっているから,O,P から直線 AB に下ろした垂線の足とで相似な直角三角形ができ(O,Q,P は一直線上),OQ:QP=hO:hP.(ii) より OQ:QP=△OAB:c なのでOQQP=△OABc=a+bck(①より).よってk=OQOP=1+OQQP=1+a+bck より k(1−a+bc)=1 より k=a+b−ca+b(この配置が成り立つには 0<c<a+b が必要で,これは常に成立する)。したがってOP=kOQ=a+b−ca+b⋅a+bbOA+aOB OP=a+b−cbOA+aOB .(検算:O=(0,0),A=(2,0),B=(0,2) とし直線 y=x 上に P=(t,t)(t>1) をとると,a=b=t,c=2(t−1) となり,公式は 2t−2(t−1)(2t,2t)=(t,t)=P と一致する。) (3) OA=3,OB=5,AB=6(3+5>6, 3+6>5, 5+6>3 より三角形は確かに存在する)とする。点 P を中心とする半径 r の円が直線 OA,OB,AB のすべてに接するとすると,P から各直線までの距離はいずれも r である。三角形の面積は「底辺 × 高さ ÷2」で計算できるから,底辺をそれぞれ OA,OB,AB にとるとa=△OAP=21⋅OA⋅r=23r,b=△OBP=21⋅OB⋅r=25r,c=△ABP=21⋅AB⋅r=3r.よってa:b:c=23:25:3=3:5:6.(このとき a+b−c=23r+25r−3r=r>0 となり,(2) で必要な条件 a+b>c を満たすので,このような点 P は実際に (1)(2) の枠組みの中に存在しうる。なお,AQ:QB=a:b=3:5=OA:OB となるので Q は ∠AOB の二等分線と AB の交点であり,P はその二等分線上で Q の O と反対側にある点,すなわちこの円は「傍心」を中心とする傍接円である。内心は O と Q の間にあるため,本問の位置関係「P は Q に関して O と反対側」を満たすのは傍心の場合のみで,条件を満たす円は一意に定まる。) (2) の結果に a=3k0,b=5k0,c=6k0(k0=r/2>0)を代入するとOP=a+b−cbOA+aOB=3k0+5k0−6k05k0OA+3k0OB=2k05k0OA+3k0OB OP=25OA+23OB .(検算:O=(0,0),A=(3,0) とし OB=5,AB=6 となるように B=(−31,3414) をとると,上式から P=(7,214) となる。実際に直線 OA(x 軸),直線 OB,直線 AB のそれぞれから P までの距離を計算するといずれも 214 となり,P が確かに 3 直線すべてに等距離であることが確認できる。)