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九州大学/2008年度/前期

九州大学 2008年 数学 第3問解答・解説

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1問題

九州大学2008年度第3問

△OAB\triangle OAB において,辺 ABAB 上に点 QQ をとり,直線 OQOQ 上に点 PP をとる。ただし,点 PP は点 QQ に関して点 OO と反対側にあるとする。3 つの三角形 △OAP,△OBP,△ABP\triangle OAP,\triangle OBP,\triangle ABP の面積をそれぞれ a,b,ca,b,c とする。このとき,次の問いに答えよ。

(1) OQ→\overrightarrow{OQ} を OA→,OB→\overrightarrow{OA},\overrightarrow{OB} および a,ba,b を用いて表せ。

(2) OP→\overrightarrow{OP} を OA→,OB→\overrightarrow{OA},\overrightarrow{OB} および a,b,ca,b,c を用いて表せ。

(3) 3 辺 OA,OB,ABOA,OB,AB の長さはそれぞれ 3, 5, 6 であるとする。点 PP を中心とし,3 直線 OA,OB,ABOA,OB,AB に接する円が存在するとき,OP→\overrightarrow{OP} を OA→\overrightarrow{OA} と OB→\overrightarrow{OB} を用いて表せ。  (配点 50 点)

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2解答

解答を見る答えはこの解答の中にあります

点 OO を基点とし,位置ベクトルはすべて OO からのベクトルで表す。    (1)  点 QQ は辺 ABAB 上にあるから,AQ:QB=m:nAQ:QB=m:n とおくとOQ⃗=n OA⃗+m OB⃗m+n.\displaystyle \vec{OQ}=\frac{n\,\vec{OA}+m\,\vec{OB}}{m+n}.三角形 OAQ, OBQOAQ,\,OBQ は頂点 OO を共有し,底辺 AQ, QBAQ,\,QB が同一直線 ABAB 上にあるので,OO から直線 ABAB までの高さは共通である。したがって△OAQ:△OBQ=AQ:QB=m:n.(i)\triangle OAQ:\triangle OBQ=AQ:QB=m:n. \tag{i}一方,O, Q, PO,\,Q,\,P は同一直線上にあり,しかも QQ が OO と PP の間にある(PP は QQ に関して OO と反対側)。三角形 OAQOAQ と OAPOAP は頂点 AA を共有し,底辺 OQ, OPOQ,\,OP が同一直線上にあるから,AA から直線 OPOP までの高さが共通で,△OAP=△OAQ⋅OPOQ.\displaystyle \triangle OAP=\triangle OAQ\cdot\frac{OP}{OQ}.同様に △OBP=△OBQ⋅OPOQ\displaystyle \triangle OBP=\triangle OBQ\cdot\dfrac{OP}{OQ} である。k=OPOQ (>1)\displaystyle k=\dfrac{OP}{OQ}\,(>1) とおくとa=△OAQ⋅k,b=△OBQ⋅ka=\triangle OAQ\cdot k,\qquad b=\triangle OBQ\cdot kであるから,kk は消えてa:b=△OAQ:△OBQ=AQ:QB((i)より).a:b=\triangle OAQ:\triangle OBQ=AQ:QB\quad(\text{(i)より}).よって m:n=a:bm:n=a:b ととれるので, OQ⃗=b OA⃗+a OB⃗a+b \displaystyle \boxed{\ \vec{OQ}=\dfrac{b\,\vec{OA}+a\,\vec{OB}}{a+b}\ }を得る。(検算:a=ba=b のとき QQ は ABAB の中点となり,直感的な対称性と一致する。)    (2)  (1) の議論より a=k⋅△OAQ, b=k⋅△OBQa=k\cdot\triangle OAQ,\ b=k\cdot\triangle OBQ なので,辺々加えてa+b=k(△OAQ+△OBQ)=k⋅△OAB.a+b=k(\triangle OAQ+\triangle OBQ)=k\cdot\triangle OAB.よって △OAB=a+bk\displaystyle \triangle OAB=\dfrac{a+b}{k} …①  次に,直線 ABAB に関する高さで考える。OO から直線 ABAB までの距離を hOh_{O},PP から直線 ABAB までの距離を hPh_{P} とすると△OAB=12AB⋅hO,c=△ABP=12AB⋅hP\displaystyle \triangle OAB=\frac12 AB\cdot h_{O},\qquad c=\triangle ABP=\frac12 AB\cdot h_{P}であるからhOhP=△OABc.(ii)\displaystyle \frac{h_{O}}{h_{P}}=\frac{\triangle OAB}{c}.\tag{ii}QQ は直線 ABAB 上の点で,O, PO,\,P を結ぶ直線がこの点で ABAB と交わっているから,O, PO,\,P から直線 ABAB に下ろした垂線の足とで相似な直角三角形ができ(O,Q,PO,Q,P は一直線上),OQ:QP=hO:hP.OQ:QP=h_{O}:h_{P}.(ii) より OQ:QP=△OAB:cOQ:QP=\triangle OAB:c なのでQPOQ=c△OAB=cka+b(①より).\displaystyle \frac{QP}{OQ}=\frac{c}{\triangle OAB}=\frac{ck}{a+b}\quad(\text{①より}).よってk=OPOQ=1+QPOQ=1+cka+b より k(1−ca+b)=1 より k=a+ba+b−c\displaystyle k=\frac{OP}{OQ}=1+\frac{QP}{OQ}=1+\frac{ck}{a+b}\ \text{より}\ k\left(1-\frac{c}{a+b}\right)=1\ \text{より}\ k=\frac{a+b}{a+b-c}(この配置が成り立つには 0<c<a+b0<c<a+b が必要で,これは常に成立する)。したがってOP⃗=k OQ⃗=a+ba+b−c⋅b OA⃗+a OB⃗a+b\displaystyle \vec{OP}=k\,\vec{OQ}=\frac{a+b}{a+b-c}\cdot\frac{b\,\vec{OA}+a\,\vec{OB}}{a+b} OP⃗=b OA⃗+a OB⃗a+b−c .\displaystyle \boxed{\ \vec{OP}=\dfrac{b\,\vec{OA}+a\,\vec{OB}}{a+b-c}\ }.(検算:O=(0,0), A=(2,0), B=(0,2)O=(0,0),\,A=(2,0),\,B=(0,2) とし直線 y=xy=x 上に P=(t,t) (t>1)P=(t,t)\,(t>1) をとると,a=b=t, c=2(t−1)a=b=t,\,c=2(t-1) となり,公式は (2t,2t)2t−2(t−1)=(t,t)=P\displaystyle \dfrac{(2t,2t)}{2t-2(t-1)}=(t,t)=P と一致する。)    (3)  OA=3, OB=5, AB=6OA=3,\,OB=5,\,AB=6(3+5>6, 3+6>5, 5+6>33+5>6,\ 3+6>5,\ 5+6>3 より三角形は確かに存在する)とする。点 PP を中心とする半径 rr の円が直線 OA, OB, ABOA,\,OB,\,AB のすべてに接するとすると,PP から各直線までの距離はいずれも rr である。三角形の面積は「底辺 ×\times 高さ ÷2\div 2」で計算できるから,底辺をそれぞれ OA, OB, ABOA,\,OB,\,AB にとるとa=△OAP=12⋅OA⋅r=32r,b=△OBP=12⋅OB⋅r=52r,c=△ABP=12⋅AB⋅r=3r.\displaystyle a=\triangle OAP=\frac12\cdot OA\cdot r=\frac32 r,\qquad b=\triangle OBP=\frac12\cdot OB\cdot r=\frac52 r,\qquad c=\triangle ABP=\frac12\cdot AB\cdot r=3r.よってa:b:c=32:52:3=3:5:6.\displaystyle a:b:c=\frac32:\frac52:3=3:5:6.(このとき a+b−c=32r+52r−3r=r>0\displaystyle a+b-c=\frac32r+\frac52r-3r=r>0 となり,(2) で必要な条件 a+b>ca+b>c を満たすので,このような点 PP は実際に (1)(2) の枠組みの中に存在しうる。なお,AQ:QB=a:b=3:5=OA:OBAQ:QB=a:b=3:5=OA:OB となるので QQ は ∠AOB\angle AOB の二等分線と ABAB の交点であり,PP はその二等分線上で QQ の OO と反対側にある点,すなわちこの円は「傍心」を中心とする傍接円である。内心は OO と QQ の間にあるため,本問の位置関係「PP は QQ に関して OO と反対側」を満たすのは傍心の場合のみで,条件を満たす円は一意に定まる。)  (2) の結果に a=3k0, b=5k0, c=6k0a=3k_0,\,b=5k_0,\,c=6k_0(k0=r/2>0k_0=r/2>0)を代入するとOP⃗=b OA⃗+a OB⃗a+b−c=5k0 OA⃗+3k0 OB⃗3k0+5k0−6k0=5k0 OA⃗+3k0 OB⃗2k0\displaystyle \vec{OP}=\frac{b\,\vec{OA}+a\,\vec{OB}}{a+b-c}=\frac{5k_0\,\vec{OA}+3k_0\,\vec{OB}}{3k_0+5k_0-6k_0}=\frac{5k_0\,\vec{OA}+3k_0\,\vec{OB}}{2k_0} OP⃗=52OA⃗+32OB⃗ .\displaystyle \boxed{\ \vec{OP}=\dfrac{5}{2}\vec{OA}+\dfrac{3}{2}\vec{OB}\ }.(検算:O=(0,0), A=(3,0)O=(0,0),\,A=(3,0) とし OB=5, AB=6OB=5,\,AB=6 となるように B=(−13,4143)\displaystyle B=\left(-\dfrac13,\dfrac{4\sqrt{14}}{3}\right) をとると,上式から P=(7, 214)P=(7,\,2\sqrt{14}) となる。実際に直線 OAOA(xx 軸),直線 OBOB,直線 ABAB のそれぞれから PP までの距離を計算するといずれも 2142\sqrt{14} となり,PP が確かに 3 直線すべてに等距離であることが確認できる。)

この問題で使う考え方

  • 位置ベクトル
  • ベクトルによる図形の考察
  • 三角形の中心

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