本文へ進む
メニュー
医学部数学 過去問DB問題を探す

九州大学/2011年度/前期

九州大学 2011年 数学 第3問解答・解説

このページには広告が含まれます。

1問題

九州大学2011年度第3問配点 50点

この問題の解答は、解答紙15の定められた場所に記入しなさい。  [問題] 数列 a1,a2,⋯ ,an,⋯a_{1},a_{2},\cdots,a_{n},\cdots は an+1=2an1−an2,n=1,2,3,…\displaystyle a_{n+1}=\frac{2a_{n}}{1-a_{n}^{2}},\qquad n=1,2,3,\dots をみたしているとする。このとき、以下の問いに答えよ。

(1) a1=13\displaystyle a_{1}=\frac{1}{\sqrt{3}} とするとき、一般項 ana_{n} を求めよ。

(2) tan⁡π12\displaystyle \tan\frac{\pi}{12} の値を求めよ。

(3) a1=tan⁡π20\displaystyle a_{1}=\tan\frac{\pi}{20} とするとき、an+k=an,n=3,4,5,…a_{n+k}=a_{n},\qquad n=3,4,5,\dots をみたす最小の自然数 kk を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2解答

解答を見る答えはこの解答の中にあります

(1)  漸化式は an+1=f(an)a_{n+1}=f(a_n)、f(x)=2x1−x2\displaystyle f(x)=\dfrac{2x}{1-x^{2}} の形をしており、a1=13\displaystyle a_{1}=\dfrac{1}{\sqrt3} である。直接計算すると a2=2a11−a12=2⋅131−13=2323=23⋅32=33=3,\displaystyle a_{2}=\frac{2a_{1}}{1-a_{1}^{2}}=\frac{2\cdot\frac{1}{\sqrt3}}{1-\frac13}=\frac{\frac{2}{\sqrt3}}{\frac23}=\frac{2}{\sqrt3}\cdot\frac32=\frac{3}{\sqrt3}=\sqrt3, a3=2a21−a22=231−3=23−2=−3,\displaystyle a_{3}=\frac{2a_{2}}{1-a_{2}^{2}}=\frac{2\sqrt3}{1-3}=\frac{2\sqrt3}{-2}=-\sqrt3, a4=2a31−a32=2(−3)1−3=−23−2=3=a2.\displaystyle a_{4}=\frac{2a_{3}}{1-a_{3}^{2}}=\frac{2(-\sqrt3)}{1-3}=\frac{-2\sqrt3}{-2}=\sqrt3=a_{2}. 漸化式は「一つ前の項の値だけから次の項が定まる」形 an+1=f(an)a_{n+1}=f(a_n) であるから、a4=a2a_{4}=a_{2} ならば a5=f(a4)=f(a2)=a3,a6=f(a5)=f(a3)=a4=a2,a_{5}=f(a_{4})=f(a_{2})=a_{3},\quad a_{6}=f(a_{5})=f(a_{3})=a_{4}=a_{2}, これを繰り返すことにより、数学的帰納法によってすべての自然数 mm について a2m=a2=3,a2m+1=a3=−3a_{2m}=a_{2}=\sqrt3,\qquad a_{2m+1}=a_{3}=-\sqrt3 が成り立つ。すなわち n≧2n\ge2 では ana_{n} は周期2で 3,−3\sqrt3,-\sqrt3 を繰り返す。まとめると a1=33,an=(−1)n3(n=2,3,4,… ).\displaystyle a_{1}=\frac{\sqrt3}{3},\qquad a_{n}=(-1)^{n}\sqrt3\quad(n=2,3,4,\dots). (検算) n=2n=2 で (−1)23=3(-1)^{2}\sqrt3=\sqrt3、n=3n=3 で (−1)33=−3(-1)^{3}\sqrt3=-\sqrt3 となり実際の値と一致する。また n≧2n\ge2 で an=(−1)n3a_{n}=(-1)^{n}\sqrt3 を漸化式の右辺に代入すると 2⋅(−1)n31−3=(−1)n3⋅(−1)=(−1)n+13=an+1\displaystyle \frac{2\cdot(-1)^{n}\sqrt3}{1-3}=(-1)^{n}\sqrt3\cdot(-1)=(-1)^{n+1}\sqrt3=a_{n+1} となり式を満たすことが確かめられる。   (2)  加法定理により tan⁡π12=tan⁡ ⁣(π3−π4)=tan⁡π3−tan⁡π41+tan⁡π3tan⁡π4=3−11+3.\displaystyle \tan\frac{\pi}{12}=\tan\!\left(\frac{\pi}{3}-\frac{\pi}{4}\right)=\frac{\tan\frac{\pi}{3}-\tan\frac{\pi}{4}}{1+\tan\frac{\pi}{3}\tan\frac{\pi}{4}}=\frac{\sqrt3-1}{1+\sqrt3}. 分母を有理化すると 3−13+1=(3−1)2(3+1)(3−1)=3−23+13−1=4−232=2−3.\displaystyle \frac{\sqrt3-1}{\sqrt3+1}=\frac{(\sqrt3-1)^{2}}{(\sqrt3+1)(\sqrt3-1)}=\frac{3-2\sqrt3+1}{3-1}=\frac{4-2\sqrt3}{2}=2-\sqrt3. よって tan⁡π12=2−3.\displaystyle \tan\frac{\pi}{12}=2-\sqrt3. (検算) 2−3≒0.2682-\sqrt3\fallingdotseq0.268 であり、0<π12<π2\displaystyle 0<\dfrac{\pi}{12}<\dfrac{\pi}{2} で tan⁡\tan の値は正で、実際の tan⁡15∘\tan15^{\circ} のおよその値 0.26790.2679 に近い。符号・大きさとも矛盾しない。   (3)  θ=π20\displaystyle \theta=\dfrac{\pi}{20} とおくと a1=tan⁡θa_{1}=\tan\theta である。一般に x=tan⁡αx=\tan\alpha(cos⁡α≠0\cos\alpha\ne0)のとき、二倍角の公式より 2x1−x2=2tan⁡α1−tan⁡2α=tan⁡2α(cos⁡2α≠0)\displaystyle \frac{2x}{1-x^{2}}=\frac{2\tan\alpha}{1-\tan^{2}\alpha}=\tan2\alpha\qquad(\cos2\alpha\ne0) が成り立つ。問題文の仮定により数列 {an}\{a_n\} の各項に対し漸化式の右辺 2an1−an2\displaystyle \dfrac{2a_n}{1-a_n^{2}} が定まる、すなわち各 nn で 1−an2≠01-a_n^{2}\ne0 であるから、an=tan⁡αna_{n}=\tan\alpha_{n} とおけるならば an+1=tan⁡(2αn)a_{n+1}=\tan(2\alpha_{n}) となる。これを n=1n=1 から繰り返し用いると an=tan⁡(2 n−1θ)=tan⁡ ⁣(2 n−1π20)(n=1,2,3,… ).\displaystyle a_{n}=\tan\bigl(2^{\,n-1}\theta\bigr)=\tan\!\left(\frac{2^{\,n-1}\pi}{20}\right)\qquad(n=1,2,3,\dots). tan⁡\tan は周期 π\pi の関数で、かつ(定義される範囲で)tan⁡α=tan⁡β\tan\alpha=\tan\beta であることと α−β\alpha-\beta が π\pi の整数倍であることは同値である。よって an+k=ana_{n+k}=a_n であるための必要十分条件は、 2 n+k−1π20−2 n−1π20=mπ\displaystyle \frac{2^{\,n+k-1}\pi}{20}-\frac{2^{\,n-1}\pi}{20}=m\pi を満たす整数 mm が存在することである。すなわち、 2 n−1(2k−1)20 が整数\displaystyle \frac{2^{\,n-1}(2^k-1)}{20}\text{ が整数} であることが必要十分である。 20=4×520=4\times5 であり、n≧3n\ge3 のとき 2 n−1=4⋅2 n−32^{\,n-1}=4\cdot2^{\,n-3} は 44 の倍数だから 2 n−1(2k−1)20=2 n−3(2k−1)5.\displaystyle \frac{2^{\,n-1}(2^{k}-1)}{20}=\frac{2^{\,n-3}(2^{k}-1)}{5}. n=3n=3 のときこれが整数であるための条件は「2k−12^{k}-1 が 55 の倍数」であり、逆にこれが成り立てば 2 n−32^{\,n-3} は整数だから任意の n≧3n\ge3 についても上式は整数になる。したがって、n=3,4,5,…n=3,4,5,\dots のすべてで an+k=ana_{n+k}=a_{n} が成り立つための条件は、nn に無関係に 2k−1 が 5 の倍数2^{k}-1\ \text{が}\ 5\ \text{の倍数} ということに帰着する。k=1,2,3,4k=1,2,3,4 について 2k−12^{k}-1 の値を調べると 21−1=1,22−1=3,23−1=7,24−1=15=5×32^{1}-1=1,\quad 2^{2}-1=3,\quad 2^{3}-1=7,\quad 2^{4}-1=15=5\times3 であるから、55 の倍数になる最小の自然数は k=4k=4 である。 (検算:角度で直接確認する) αn=2 n−1⋅9∘\alpha_{n}=2^{\,n-1}\cdot9^{\circ} を 180∘180^{\circ} で割った余りを並べると α1=9∘, α2=18∘, α3=36∘, α4=72∘, α5=144∘, α6=108∘, α7=36∘, α8=72∘,…\alpha_{1}=9^{\circ},\ \alpha_{2}=18^{\circ},\ \alpha_{3}=36^{\circ},\ \alpha_{4}=72^{\circ},\ \alpha_{5}=144^{\circ},\ \alpha_{6}=108^{\circ},\ \alpha_{7}=36^{\circ},\ \alpha_{8}=72^{\circ},\dots となり、n≧3n\ge3 では 36∘,72∘,144∘,108∘36^{\circ},72^{\circ},144^{\circ},108^{\circ} の4つを周期4で繰り返す(α7=α3\alpha_{7}=\alpha_{3})。この4つの角に対応する値 tan⁡36∘, tan⁡72∘, tan⁡144∘=−tan⁡36∘, tan⁡108∘=−tan⁡72∘\tan36^{\circ},\ \tan72^{\circ},\ \tan144^{\circ}=-\tan36^{\circ},\ \tan108^{\circ}=-\tan72^{\circ} はいずれも異なる実数であるから、k=1,2,3k=1,2,3 のいずれについても n=3n=3 の時点で an+k=ana_{n+k}=a_{n} は成り立たない。以上より、求める最小の自然数は k=4.k=4.

この問題で使う考え方

  • 二倍角
  • 周期性
  • 整数の余り

PR

数学を1対1で教わるオンライン塾「数強塾」

数強塾は、中学生・高校生のための数学専門のオンライン個別指導塾です。プロ講師がマンツーマンで教え、大学受験の数学にも対応しています。入塾の前に、今の学習状況と目標を確かめる診断授業(体験・3,000円、税込)を受けられます。

「数強塾」オンライン数学克服塾〈プロ講師〉

東大生と1対1で学べるオンライン個別指導「トウコベ」

トウコベは、東大生を中心に難関大学の学生が講師を務める、完全マンツーマンのオンライン個別指導です。はじめに、オンラインの説明会・勉強相談(無料)をWebで予約でき、その後にお試し授業を受けられます。

トウコベ公式サイト

似た問題を、ほかの大学で

答えや解説の誤りに気づいたら、お問い合わせから教えてください。