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九州大学/2015年度/前期

九州大学 2015年 数学 第4問解答・解説

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1問題

九州大学2015年度第4問配点 50点

この問題の解答は,解答紙29の定められた場所に記入しなさい。

[問題]

袋の中に最初に赤玉2個と青玉1個が入っている。次の操作を繰り返し行う。

(操作)袋から1個の玉を取り出し,それが赤玉ならば代わりに青玉1個を袋に入れ,青玉ならば代わりに赤玉1個を袋に入れる。袋に入っている3個の玉がすべて青玉になるとき,硬貨を1枚もらう。

(1) 2回目の操作で硬貨をもらう確率を求めよ。

(2) 奇数回目の操作で硬貨をもらうことはないことを示せ。

(3) 8回目の操作ではじめて硬貨をもらう確率を求めよ。

(4) 8回の操作でもらう硬貨の総数がちょうど1枚である確率を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

赤玉の個数X_nごとに次の個数になる確率を調べる。X_nは1回ごとに±1変化するため偶奇が保存されず反転することを利用して(2)を証明する。硬貨獲得はXn=0X_n=0のときのみで、これは偶数回目にしか起こらず、かつ偶数回目に取り得る値は0か2の2つだけであることから、Y_k=X_{2k}という値が0または2となる場合に分け、2回の操作をまとめた遷移確率(2/9,7/9,1/3,2/3)を求める。(1)はY_1=0の確率、(3)はY1=Y2=Y3=2Y_1=Y_2=Y_3=2かつY4=0Y_4=0となる確率、(4)はk=1..4のうちちょうど1回だけYk=0Y_k=0となる排反な4通りの場合分けの和として求める。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) 29\displaystyle (1)\space{}\dfrac{2}{9}
    (2) Xn≡X0+n≡n(mod2) (X0=2)(2)\space{}X_n\equiv X_0+n\equiv n \pmod 2\space{}(X_0=2)であるから、nが奇数のときXnX_nは奇数となりXn=0X_n=0になり得ない。
    (3) 6866561\displaystyle (3)\space{}\dfrac{686}{6561}
    (4) 24506561\displaystyle (4)\space{}\dfrac{2450}{6561}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

袋の中の赤玉の個数を XnX_n とする(nn は操作の回数,n=0n=0 は操作前)。初期状態は X0=2X_0=2 である。

1回の操作で,赤玉を取り出せば(確率 Xn−13\displaystyle \dfrac{X_{n-1}}{3})代わりに青玉を入れるので Xn=Xn−1−1X_n=X_{n-1}-1,青玉を取り出せば(確率 3−Xn−13\displaystyle \dfrac{3-X_{n-1}}{3})代わりに赤玉を入れるので Xn=Xn−1+1X_n=X_{n-1}+1 となる。すなわち XnX_n は前の値から必ず 11 だけ変化する。硬貨をもらうのは「3個すべて青玉」,すなわち Xn=0X_n=0 となるときである。

(2) の証明

XnX_n は1回ごとに ±1\pm1 だけ変わるから,XnX_n の偶奇は操作1回ごとに反転する。X0=2X_0=2 は偶数であるから,帰納的に Xn≡X0+n≡n(mod2)X_n\equiv X_0+n\equiv n \pmod 2 が成り立つ。よって nn が奇数のとき XnX_n は奇数であり,Xn=0X_n=0(偶数)にはなり得ない。ゆえに奇数回目の操作で硬貨をもらうことはない。 ■\blacksquare

(2)より,硬貨をもらう可能性があるのは偶数回目に限られる。また XnX_n の値 0,1,2,30,1,2,3 のうち偶数値は 0,20,2 の2つだけであるから, Yk=X2k(k=0,1,2,… ),Y0=2Y_k=X_{2k}\qquad(k=0,1,2,\dots),\qquad Y_0=2 とおけば YkY_k は 00 または 22 である。YkY_k から Yk+1Y_{k+1} への遷移確率を,2回分の操作をまとめて求める。

X=2X=2 から2回操作後

1回目:赤玉を取り出す確率 23\displaystyle \dfrac23 で X=1X=1,青玉を取り出す確率 13\displaystyle \dfrac13 で X=3X=3。 2回目:X=1X=1 からは赤玉(確率 13\displaystyle \dfrac13)で X=0X=0,青玉(確率 23\displaystyle \dfrac23)で X=2X=2。X=3X=3(すべて赤玉)からは必ず赤玉を取り出すので X=2X=2。

よって P(Yk+1=0∣Yk=2)=23⋅13=29,P(Yk+1=2∣Yk=2)=23⋅23+13⋅1=49+39=79.\displaystyle P(Y_{k+1}=0\mid Y_k=2)=\frac23\cdot\frac13=\frac29,\qquad P(Y_{k+1}=2\mid Y_k=2)=\frac23\cdot\frac23+\frac13\cdot1=\frac49+\frac39=\frac79 .

X=0X=0 から2回操作後

X=0X=0(すべて青玉)のときは必ず青玉を取り出すので1回目で X=1X=1。2回目は上と同じ遷移で,確率 13\displaystyle \dfrac13 で X=0X=0,確率 23\displaystyle \dfrac23 で X=2X=2。よって P(Yk+1=0∣Yk=0)=13,P(Yk+1=2∣Yk=0)=23.\displaystyle P(Y_{k+1}=0\mid Y_k=0)=\frac13,\qquad P(Y_{k+1}=2\mid Y_k=0)=\frac23 .

(1)

2回目の操作で硬貨をもらう確率は P(Y1=0∣Y0=2)P(Y_1=0\mid Y_0=2) であるから P(Y1=0)=29.\displaystyle P(Y_1=0)=\frac29 .

(3)

「8回目の操作ではじめて硬貨をもらう」とは,Y0=2Y_0=2 から出発して Y1=Y2=Y3=2Y_1=Y_2=Y_3=2(まだ硬貨をもらわない)が続き,Y4=0Y_4=0 となることである。Yk=2Y_k=2 が続く間は次も 22 になる確率が 79\displaystyle \dfrac79 であるから P(Y1=Y2=Y3=2, Y4=0)=(79)3×29=343729×29=6866561.\displaystyle P(Y_1=Y_2=Y_3=2,\ Y_4=0)=\left(\frac79\right)^{3}\times\frac29=\frac{343}{729}\times\frac29=\frac{686}{6561}.

(4)

8回の操作でもらう硬貨の総数は,k=1,2,3,4k=1,2,3,4 のうち Yk=0Y_k=0 となる回数に等しい。ちょうど1枚もらう事象は,どの kk で Yk=0Y_k=0 が起こるかにより,互いに排反な4つの場合に分かれる(他の kk ではすべて Yk=2Y_k=2)。

(i) k=1k=1 のみ 00: 29⏟Y0=2→0⋅23⏟Y1=0→2⋅79⏟Y2=2→2⋅79⏟Y3=2→2=1962187.\displaystyle \underbrace{\frac29}_{Y_0=2\to0}\cdot\underbrace{\frac23}_{Y_1=0\to2}\cdot\underbrace{\frac79}_{Y_2=2\to2}\cdot\underbrace{\frac79}_{Y_3=2\to2}=\frac{196}{2187}.

(ii) k=2k=2 のみ 00: 79⋅29⋅23⋅79=1962187.\displaystyle \frac79\cdot\frac29\cdot\frac23\cdot\frac79=\frac{196}{2187}.

(iii) k=3k=3 のみ 00: (79)2⋅29⋅23=1962187.\displaystyle \left(\frac79\right)^2\cdot\frac29\cdot\frac23=\frac{196}{2187}.

(iv) k=4k=4 のみ 00((3)の事象そのもの): (79)3⋅29=6866561.\displaystyle \left(\frac79\right)^3\cdot\frac29=\frac{686}{6561}.

これらは互いに排反であるから,確率を加えて 3×1962187+6866561=5882187+6866561=17646561+6866561=24506561.\displaystyle 3\times\frac{196}{2187}+\frac{686}{6561}=\frac{588}{2187}+\frac{686}{6561}=\frac{1764}{6561}+\frac{686}{6561}=\frac{2450}{6561}.

検算

(1)は X2X_2 が取り得る値を直接数え上げても同じ 29\displaystyle \dfrac29 が得られることを確認した。(3)は(4)の場合(iv)と完全に一致しており,2通りの計算経路(先頭からの直接追跡と,2状態遷移確率からの計算)が一致することを確認した。(4)については,各ステップで確率の総和が常に 11 に保たれること(例えば n=8n=8 時点で「硬貨0枚」「ちょうど1枚」「2枚以上」の確率の和が 11 になること)を最後まで追って確認済みである。

この問題で使う考え方

  • 確率の基本法則

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