(1) まず,0 以上の整数 n について zn=cosnθ+isinnθ が成り立つことを数学的帰納法で示す。 n=0 のとき,z0=1=cos0+isin0 であるから成り立つ。 n=k(k≧0)で成り立つと仮定すると,加法定理により zk+1=zk⋅z=(coskθ+isinkθ)(cosθ+isinθ)=(coskθcosθ−sinkθsinθ)+i(sinkθcosθ+coskθsinθ)=cos(k+1)θ+isin(k+1)θ となり,n=k+1 でも成り立つ。ゆえに,すべての 0 以上の整数 n について zn=cosnθ+isinnθ が成り立つ。 次に,n が負の整数の場合を考える。n=−m(m は正の整数)とおく。zzˉ=cos2θ+sin2θ=1 より z1=zˉ=cosθ−isinθ=cos(−θ)+isin(−θ) である。上で示した結果を,角 −θ と非負整数 m に対して適用すると z−m=(z1)m=cos(−mθ)+isin(−mθ) すなわち zn=cosnθ+isinnθ が n=−m でも成り立つ。 以上より,すべての整数 n について zn=cosnθ+isinnθ(∗) が成り立つ。(∗) の n を −n に置き換えると,cos(−x)=cosx, sin(−x)=−sinx より z−n=cos(−nθ)+isin(−nθ)=cosnθ−isinnθ すなわち zn1=cosnθ−isinnθ(∗∗) を得る。(∗)+(∗∗) より zn+zn1=2cosnθよりcosnθ=21(zn+zn1) (∗)−(∗∗) より zn−zn1=2isinnθよりsinnθ=2i1(zn−zn1) ここで 2i1=2i1⋅−i−i=2−i=−2i であるから sinnθ=−2i(zn−zn1) を得る。(証明終わり) (2) cosx+cos2x−cos3x=1(0≦x<2π)を解く。倍角公式 cos2x=2cos2x−1 と,加法定理を用いた cos3x=cos(2x+x)=cos2xcosx−sin2xsinx=(2cos2x−1)cosx−2sin2xcosx に sin2x=1−cos2x を代入すると cos3x=(2cos2x−1)cosx−2(1−cos2x)cosx=4cos3x−3cosx を得る。c=cosx とおくと,与式は c+(2c2−1)−(4c3−3c)=1 展開・移項して得る同値な式は−4c3+2c2+4c−2=0. さらに両辺を −2 で割ると、これと同値な式 2c3−c2−2c+1=0 を得る。c=1 を代入すると 2−1−2+1=0 となるので c−1 を因数にもつ。実際に割ると 2c3−c2−2c+1=(c−1)(2c2+c−1)=(c−1)(2c−1)(c+1) と因数分解できる。よって cosx=1, 21, −1 0≦x<2π の範囲でそれぞれを解くと cosx=1よりx=0,cosx=21よりx=3π, 35π,cosx=−1よりx=π 以上より x=0, 3π, π, 35π (検算:x=0 のとき 1+1−1=1。x=π/3 のとき 21−21−(−1)=1。x=π のとき −1+1−(−1)=1。x=5π/3 のとき 21−21−(−1)=1。いずれも成り立つ。) (3) A=20∘ とおくと,40∘=60∘−A,80∘=60∘+A と表せる。半角・倍角の関係 sin2θ=21−cos2θ を用いると sin220∘+sin240∘+sin280∘=21−cos2A+21−cos(120∘−2A)+21−cos(120∘+2A) =23−21[cos2A+cos(120∘−2A)+cos(120∘+2A)] 加法定理により cos(120∘−2A)cos(120∘+2A)=cos120∘cos2A+sin120∘sin2A,=cos120∘cos2A−sin120∘sin2A であるから,両辺を加えると cos(120∘−2A)+cos(120∘+2A)=2cos120∘cos2A=2(−21)cos2A=−cos2A したがって cos2A+cos(120∘−2A)+cos(120∘+2A)=cos2A−cos2A=0 よって sin220∘+sin240∘+sin280∘=23−21⋅0=23 さらに sin260∘=(23)2=43 であるから sin220∘+sin240∘+sin260∘+sin280∘=23+43=46+43=49 (検算:近似値 sin20∘≈0.3420, sin40∘≈0.6428, sin60∘≈0.8660, sin80∘≈0.9848 より,各二乗の和は約 0.1170+0.4132+0.7500+0.9698≈2.2500=49 と一致する。)(証明終わり)