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九州大学/2017年度/前期

九州大学 2017年 数学 第1問解答・解説

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1問題

九州大学2017年度第1問

[問題] 定数 a>0a>0 に対し,曲線 y=atan⁡xy=a\tan x の 0≦x<π2\displaystyle 0\leq x<\frac{\pi}{2} の部分を C1C_1,曲線 y=sin⁡2xy=\sin 2x の 0≦x<π2\displaystyle 0\leq x<\frac{\pi}{2} の部分を C2C_2 とする。以下の問いに答えよ。

(1) C1C_1 と C2C_2 が原点以外に交点をもつための aa の条件を求めよ。

(2) aa が (1) の条件を満たすとき,原点以外の C1C_1 と C2C_2 の交点を PP とし,PP の xx 座標を pp とする。PP における C1C_1 と C2C_2 のそれぞれの接線が直交するとき,aa および cos⁡2p\cos 2p の値を求めよ。

(3) aa が (2) で求めた値のとき,C1C_1 と C2C_2 で囲まれた図形の面積を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) 0<a<2(2) a=34, cos⁡2p=−14(3) S=58−38ln⁡83\displaystyle (1)\space{}0<a<2 (2)\space{}a=\dfrac{3}{4},\space{}\cos 2p=-\dfrac{1}{4} (3)\space{}S=\dfrac{5}{8}-\dfrac{3}{8}\ln\dfrac{8}{3}

3解答

解答を見る途中式つきの解答

定数 a>0a>0 に対し,C1: y=atan⁡x (0≦x<π2)\displaystyle C_1:\ y=a\tan x\ \left(0\le x<\dfrac{\pi}{2}\right),C2: y=sin⁡2x (0≦x<π2)\displaystyle C_2:\ y=\sin2x\ \left(0\le x<\dfrac{\pi}{2}\right) とする。

(1)  C1C_1 と C2C_2 の交点の xx 座標は、方程式 atan⁡x=sin⁡2xa\tan x=\sin2x の解のうち、0≦x<π2\displaystyle 0\le x<\dfrac{\pi}{2} を満たすものである。x=0x=0 では両辺とも 00 となり,これは原点における交点である。原点以外の交点,すなわち 0<x<π2\displaystyle 0<x<\dfrac{\pi}{2} における解を考える。

この範囲では sin⁡x≠0, cos⁡x≠0\sin x\neq0,\ \cos x\neq0 であるから, atan⁡x=sin⁡2x=2sin⁡xcos⁡x、すなわち a sin⁡xcos⁡x=2sin⁡xcos⁡x、すなわち a=2cos⁡2x\displaystyle a\tan x=\sin2x=2\sin x\cos x \text{、すなわち } a\,\frac{\sin x}{\cos x}=2\sin x\cos x \text{、すなわち } a=2\cos^2x (両辺を sin⁡x (≠0)\sin x\ (\neq0) で割った)。

0<x<π2\displaystyle 0<x<\dfrac{\pi}{2} では、xx が大きくなると cos⁡x\cos x は必ず小さくなり、11 から 00 に近づく。したがって cos⁡2x\cos^2x は減少しながら、0<cos⁡2x<10<\cos^2x<1 のすべての値を一度ずつとる。したがって,0<x<π2\displaystyle 0<x<\dfrac{\pi}{2} の範囲に方程式 a=2cos⁡2xa=2\cos^2x の解がただ一つ存在するための条件は 0<a<20<a<2 である(a≧2a\ge2 なら cos⁡2x=a2≧1\displaystyle \cos^2x=\dfrac{a}{2}\ge1 となる xx は存在しない)。

以上より,C1C_1 と C2C_2 が原点以外に交点をもつための aa の条件は 0<a<2\boxed{0<a<2} である。

(2)  以後,aa は (1) の条件 0<a<20<a<2 を満たすとし,交点 PP の xx 座標を pp(0<p<π2\displaystyle 0<p<\dfrac{\pi}{2})とする。(1) の計算より cos⁡2p=a2(⋆)\displaystyle \cos^2p=\frac{a}{2}\qquad(\star) が成り立つ。

C1: y=atan⁡xC_1:\ y=a\tan x の導関数は y′=asec⁡2x=acos⁡2x\displaystyle y'=a\sec^2x=\dfrac{a}{\cos^2x} であるから,PP における C1C_1 の接線の傾き m1m_1 は,(⋆)(\star) を用いて m1=acos⁡2p=aa/2=2\displaystyle m_1=\frac{a}{\cos^2p}=\frac{a}{a/2}=2 となる。(0<a<20<a<2 を満たす任意の aa に対して,交点 PP における C1C_1 の接線の傾きは常に 22 になることに注意する。)

C2: y=sin⁡2xC_2:\ y=\sin2x の導関数は y′=2cos⁡2xy'=2\cos2x であるから,PP における C2C_2 の接線の傾き m2m_2 は m2=2cos⁡2pm_2=2\cos2p である。

二接線が直交する条件は m1m2=−1m_1m_2=-1 であるから 2⋅(2cos⁡2p)=−1、すなわち cos⁡2p=−14.\displaystyle 2\cdot(2\cos2p)=-1\text{、すなわち } \cos2p=-\frac14 .

一方,二倍角の公式と (⋆)(\star) より cos⁡2p=2cos⁡2p−1=2⋅a2−1=a−1.\displaystyle \cos2p=2\cos^2p-1=2\cdot\frac{a}{2}-1=a-1 .

両者を合わせて a−1=−14、すなわち a=34.\displaystyle a-1=-\frac14\text{、すなわち } a=\frac34 .

a=34\displaystyle a=\dfrac34 は 0<a<20<a<2 を満たすので (1) の条件と矛盾しない。

以上より a=34,cos⁡2p=−14\displaystyle \boxed{a=\frac34,\qquad \cos2p=-\frac14} である。

(3)  a=34\displaystyle a=\dfrac34 のとき,(⋆)(\star) より cos⁡2p=a2=38\displaystyle \cos^2p=\dfrac{a}{2}=\dfrac38。0<p<π2\displaystyle 0<p<\dfrac{\pi}{2} より cos⁡p>0\cos p>0 だから cos⁡p=38=64.\displaystyle \cos p=\sqrt{\frac38}=\frac{\sqrt6}{4}.

C1,C2C_1,C_2 で囲まれた図形は,共通点 x=0x=0(原点)と x=px=p を境界とする0≦x≦p0\le x\le p の範囲で,二曲線の上下関係が一定であるような有界領域である。0<x<π2\displaystyle 0<x<\dfrac{\pi}{2} 上で差 g(x)=sin⁡2x−atan⁡x=2sin⁡xcos⁡x−asin⁡xcos⁡x=sin⁡x (2cos⁡2x−a)cos⁡x\displaystyle g(x)=\sin2x-a\tan x=2\sin x\cos x-\frac{a\sin x}{\cos x}=\frac{\sin x\,(2\cos^2x-a)}{\cos x} を考えると,この範囲で sin⁡x>0, cos⁡x>0\sin x>0,\ \cos x>0 だから,g(x)g(x) の符号は 2cos⁡2x−a2\cos^2x-a の符号と一致する。2cos⁡2x−a2\cos^2x-a は xx が大きくなると必ず小さくなり,x=0x=0 では 2−a>02-a>0(a<2a<2 より),x=px=p では (⋆)(\star) より 2cos⁡2p−a=a−a=02\cos^2p-a=a-a=0 である。ゆえに g(x)>0(0<x<p),g(p)=0g(x)>0\quad(0<x<p),\qquad g(p)=0 となり,0<x<p0<x<p の範囲 では常に C2C_2 が C1C_1 の上側にある。したがって求める面積 SS は S=∫0p(sin⁡2x−atan⁡x) dx.\displaystyle S=\int_0^p\bigl(\sin2x-a\tan x\bigr)\,dx .

∫sin⁡2x dx=−12cos⁡2x+C\displaystyle\int\sin2x\,dx=-\frac12\cos2x+C,および 0≦x<p<π2\displaystyle 0\le x<p<\dfrac{\pi}{2} で cos⁡x>0\cos x>0 より絶対値記号ははずれて ∫tan⁡x dx=−ln⁡cos⁡x+C\displaystyle\int\tan x\,dx=-\ln\cos x+C であるから, S=[−12cos⁡2x+aln⁡cos⁡x]0p=(−12cos⁡2p+aln⁡cos⁡p)−(−12cos⁡0+aln⁡cos⁡0).\displaystyle S=\left[-\frac12\cos2x+a\ln\cos x\right]_0^p =\left(-\frac12\cos2p+a\ln\cos p\right)-\left(-\frac12\cos0+a\ln\cos0\right).

cos⁡0=1\cos0=1 より ln⁡cos⁡0=0\ln\cos0=0 であるから,第二項は −12\displaystyle -\dfrac12。cos⁡2p=−14, a=34, cos⁡p=38\displaystyle \cos2p=-\dfrac14,\ a=\dfrac34,\ \cos p=\sqrt{\dfrac38} を代入して, S=(18+34ln⁡38)+12=58+34⋅12ln⁡38=58+38ln⁡38.\displaystyle S=\left(\frac18+\frac34\ln\sqrt{\frac38}\right)+\frac12 =\frac58+\frac34\cdot\frac12\ln\frac38 =\frac58+\frac38\ln\frac38 .

ln⁡38=−ln⁡83\displaystyle \ln\dfrac38=-\ln\dfrac83 であるから,最終的に S=58−38ln⁡83\displaystyle \boxed{S=\frac58-\frac38\ln\frac83} を得る(数値としては ln⁡83≈0.9808\displaystyle \ln\dfrac83\approx0.9808 より S≈0.257S\approx0.257)。

検算  a=3/4, cos⁡p=3/8≈0.6124, p≈0.9117a=3/4,\ \cos p=\sqrt{3/8}\approx0.6124,\ p\approx0.9117 に対し,atan⁡p≈0.9683a\tan p\approx0.9683,sin⁡2p≈0.9683\sin2p\approx0.9683 で一致し交点条件を満たす。また m1=2, m2=2cos⁡2p=−0.5m_1=2,\ m_2=2\cos2p=-0.5 で m1m2=−1m_1m_2=-1 となり直交条件も満たす。面積の値 S≈0.257S\approx0.257 は,0<x<p0<x<p の範囲(p≈0.91p\approx0.91)における二曲線の差の最大値がおよそ 0.40.4 程度であることと比べても妥当な大きさである。

この問題で使う考え方

  • 二倍角の公式
  • 三角関数の微分
  • 曲線の接線
  • 三角・指数・対数関数等の積分
  • 曲線で囲まれた面積

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