定数 a>0 に対し,C1: y=atanx (0≦x<2π),C2: y=sin2x (0≦x<2π) とする。
(1) C1 と C2 の交点の x 座標は、方程式 atanx=sin2x の解のうち、0≦x<2π を満たすものである。x=0 では両辺とも 0 となり,これは原点における交点である。原点以外の交点,すなわち 0<x<2π における解を考える。
この範囲では sinx=0, cosx=0 であるから, atanx=sin2x=2sinxcosx、すなわち acosxsinx=2sinxcosx、すなわち a=2cos2x (両辺を sinx (=0) で割った)。
0<x<2π では、x が大きくなると cosx は必ず小さくなり、1 から 0 に近づく。したがって cos2x は減少しながら、0<cos2x<1 のすべての値を一度ずつとる。したがって,0<x<2π の範囲に方程式 a=2cos2x の解がただ一つ存在するための条件は 0<a<2 である(a≧2 なら cos2x=2a≧1 となる x は存在しない)。
以上より,C1 と C2 が原点以外に交点をもつための a の条件は 0<a<2 である。
(2) 以後,a は (1) の条件 0<a<2 を満たすとし,交点 P の x 座標を p(0<p<2π)とする。(1) の計算より cos2p=2a(⋆) が成り立つ。
C1: y=atanx の導関数は y′=asec2x=cos2xa であるから,P における C1 の接線の傾き m1 は,(⋆) を用いて m1=cos2pa=a/2a=2 となる。(0<a<2 を満たす任意の a に対して,交点 P における C1 の接線の傾きは常に 2 になることに注意する。)
C2: y=sin2x の導関数は y′=2cos2x であるから,P における C2 の接線の傾き m2 は m2=2cos2p である。
二接線が直交する条件は m1m2=−1 であるから 2⋅(2cos2p)=−1、すなわち cos2p=−41.
一方,二倍角の公式と (⋆) より cos2p=2cos2p−1=2⋅2a−1=a−1.
両者を合わせて a−1=−41、すなわち a=43.
a=43 は 0<a<2 を満たすので (1) の条件と矛盾しない。
以上より a=43,cos2p=−41 である。
(3) a=43 のとき,(⋆) より cos2p=2a=83。0<p<2π より cosp>0 だから cosp=83=46.
C1,C2 で囲まれた図形は,共通点 x=0(原点)と x=p を境界とする0≦x≦p の範囲で,二曲線の上下関係が一定であるような有界領域である。0<x<2π 上で差 g(x)=sin2x−atanx=2sinxcosx−cosxasinx=cosxsinx(2cos2x−a) を考えると,この範囲で sinx>0, cosx>0 だから,g(x) の符号は 2cos2x−a の符号と一致する。2cos2x−a は x が大きくなると必ず小さくなり,x=0 では 2−a>0(a<2 より),x=p では (⋆) より 2cos2p−a=a−a=0 である。ゆえに g(x)>0(0<x<p),g(p)=0 となり,0<x<p の範囲 では常に C2 が C1 の上側にある。したがって求める面積 S は S=∫0p(sin2x−atanx)dx.
∫sin2xdx=−21cos2x+C,および 0≦x<p<2π で cosx>0 より絶対値記号ははずれて ∫tanxdx=−lncosx+C であるから, S=[−21cos2x+alncosx]0p=(−21cos2p+alncosp)−(−21cos0+alncos0).
cos0=1 より lncos0=0 であるから,第二項は −21。cos2p=−41, a=43, cosp=83 を代入して, S=(81+43ln83)+21=85+43⋅21ln83=85+83ln83.
ln83=−ln38 であるから,最終的に S=85−83ln38 を得る(数値としては ln38≈0.9808 より S≈0.257)。
検算 a=3/4, cosp=3/8≈0.6124, p≈0.9117 に対し,atanp≈0.9683,sin2p≈0.9683 で一致し交点条件を満たす。また m1=2, m2=2cos2p=−0.5 で m1m2=−1 となり直交条件も満たす。面積の値 S≈0.257 は,0<x<p の範囲(p≈0.91)における二曲線の差の最大値がおよそ 0.4 程度であることと比べても妥当な大きさである。