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九州大学/2026年度/前期

九州大学 2026年 数学 第2問解答・解説

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1問題

九州大学2026年度第2問配点 50点

この問題の解答は,解答紙16の定められた場所に記入しなさい。

【問題】

点 zz が複素数平面上の線分 z=t+ti(−1+32≦t≦1+32)\displaystyle z=t+ti\qquad\left(\frac{-1+\sqrt{3}}{2}\leq t\leq\frac{1+\sqrt{3}}{2}\right) の上を動くとき, z2−wz+1=0z^{2}-wz+1=0 をみたす複素数 ww を表す点が描く軌跡を CC とする。ただし,ii は虚数単位である。以下の問いに答えよ。

(1) 軌跡 CC を複素数平面上に図示せよ。

(2) t=1+32\displaystyle t=\dfrac{1+\sqrt{3}}{2} のときに複素数 ww を表す点を P1P_{1} とし,t=−1+32\displaystyle t=\dfrac{-1+\sqrt{3}}{2} のときに複素数 ww を表す点を P2P_{2} とする。このとき,軌跡 CC,線分 OP1OP_{1},線分 OP2OP_{2} で囲まれる領域を虚軸の周りに1回転させてできる立体の体積を求めよ。ただし,OO は複素数平面の原点である。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

z^2-wz+1=0(z≠0)からw=z+1/zとし、z=t(1+i)を代入してw=x+yiの実部・虚部をtの式で表す。x^2-y^2=2という関係式を導き、tの符号・単調性からx>0側の枝であることとyの動く範囲−1≦y≦1-1\le y\le1を確定して軌跡Cを求める(1)。次にt=t1,t2に対応する点P1,P2の座標を、t1t2=1/2という関係を用いて厳密に求め、C・線分OP1・線分OP2で囲まれる領域を虚軸周りに回転させた立体の体積を、外側(曲線)・内側(線分)の円環断面積の定積分(washer法)で計算し、曲線のみ・線分のみの回転体積の差としても検算する(2)。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) C: x2−y2=2 (x>0, −1≦y≦1)(1)\space{}C:\space{}x^{2}-y^{2}=2\space{}(x>0,\space{}-1\le y\le 1)\quad(w=x+yiw=x+yi,頂点(2,0)(\sqrt{2},0),端点P1(3,1), P2(3,−1)P_1(\sqrt{3},1),\space{}P_2(\sqrt{3},-1))
    (2) V=8π3\displaystyle (2)\space{}V=\dfrac{8\pi}{3}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

z=t+tiz=t+ti (−1+32≦t≦1+32)\displaystyle \left(\dfrac{-1+\sqrt{3}}{2}\le t\le\dfrac{1+\sqrt{3}}{2}\right) とおく。この範囲で t>0t>0 だから z=t(1+i)≠0z=t(1+i)\ne0 である。

(1) 軌跡 CC の決定

z2−wz+1=0z^{2}-wz+1=0 で z≠0z\neq0 なので w=z+1z.\displaystyle w=z+\frac{1}{z}. z=t(1+i)z=t(1+i) より z2=t2(1+i)2=2t2iz^{2}=t^{2}(1+i)^{2}=2t^{2}i,また 1z=1t(1+i)=1−i2t\displaystyle \frac{1}{z}=\frac{1}{t(1+i)}=\frac{1-i}{2t} (有理化). よって w=(t+12t)+(t−12t)i.\displaystyle w=\left(t+\frac{1}{2t}\right)+\left(t-\frac{1}{2t}\right)i. w=x+yiw=x+yi(x,yx,y は実数)とおくと x=t+12t,y=t−12t(t>0).\displaystyle x=t+\frac{1}{2t},\qquad y=t-\frac{1}{2t}\qquad(t>0). このとき x2−y2=(t+12t+t−12t)(t+12t−t+12t)=2t⋅1t=2,\displaystyle x^{2}-y^{2}=\left(t+\frac{1}{2t}+t-\frac{1}{2t}\right)\left(t+\frac{1}{2t}-t+\frac{1}{2t}\right)=2t\cdot\frac{1}{t}=2, すなわち点 (x,y)(x,y) は双曲線 x2−y2=2x^{2}-y^{2}=2 上にある。相加・相乗平均より t>0t>0 で x=t+12t≧212=2>0\displaystyle x=t+\dfrac{1}{2t}\ge 2\sqrt{\dfrac{1}{2}}=\sqrt{2}>0(等号は t=12\displaystyle t=\dfrac{1}{\sqrt2})だから,(x,y)(x,y) はこの双曲線の x>0x>0 側の枝上にある。

次に tt が動く範囲に対応する yy の範囲を調べる。 dydt=1+12t2>0\displaystyle \frac{dy}{dt}=1+\frac{1}{2t^{2}}>0 より yy は t>0t>0 で単調増加だから,tt が区間の下端から上端まで動くとき,yy もその像の下端から上端まで連続に単調増加する。

区間の両端を t2=−1+32\displaystyle t_{2}=\dfrac{-1+\sqrt{3}}{2},t1=1+32\displaystyle t_{1}=\dfrac{1+\sqrt{3}}{2} とおくと t1t2=(3+1)(3−1)4=3−14=12,t1+t2=3,t1−t2=1.\displaystyle t_{1}t_{2}=\frac{(\sqrt3+1)(\sqrt3-1)}{4}=\frac{3-1}{4}=\frac12,\qquad t_{1}+t_{2}=\sqrt3,\qquad t_{1}-t_{2}=1. 2t1t2=12t_{1}t_{2}=1 より 12t1=t2\displaystyle \dfrac{1}{2t_{1}}=t_{2},12t2=t1\displaystyle \dfrac{1}{2t_{2}}=t_{1} が成り立つから t=t1: x=t1+12t1=t1+t2=3,y=t1−12t1=t1−t2=1,\displaystyle t=t_{1}:\ x=t_{1}+\frac{1}{2t_{1}}=t_{1}+t_{2}=\sqrt3,\quad y=t_{1}-\frac{1}{2t_{1}}=t_{1}-t_{2}=1, t=t2: x=t2+12t2=t2+t1=3,y=t2−12t2=t2−t1=−1.\displaystyle t=t_{2}:\ x=t_{2}+\frac{1}{2t_{2}}=t_{2}+t_{1}=\sqrt3,\quad y=t_{2}-\frac{1}{2t_{2}}=t_{2}-t_{1}=-1. よって t=t1=1+32\displaystyle t=t_{1}=\dfrac{1+\sqrt3}{2} のとき ww の表す点は P1=(3,1)P_{1}=(\sqrt3,1),t=t2=−1+32\displaystyle t=t_{2}=\dfrac{-1+\sqrt3}{2} のとき ww の表す点は P2=(3,−1)P_{2}=(\sqrt3,-1) である。t2<12<t1\displaystyle t_{2}<\dfrac{1}{\sqrt2}<t_{1}(実際 t2≈0.366, 1/2≈0.707, t1≈1.366t_2\approx0.366,\ 1/\sqrt2\approx0.707,\ t_1\approx1.366)だから,yy が −1-1 から 00 を経て 11 まで単調に増えるのに対応して,tt は t2t_2 から 12\displaystyle \dfrac{1}{\sqrt2}(頂点 (2,0)(\sqrt2,0))を経て t1t_1 まで動く。yy は −1≦y≦1-1\le y\le1 の値をすべて一度ずつとり,各 yy に対して x=t+12t\displaystyle x=t+\dfrac{1}{2t} は x2−y2=2, x>0x^2-y^2=2,\,x>0 を満たす値(x=y2+2x=\sqrt{y^{2}+2})に一致するから, C: x2−y2=2 (x>0), −1≦y≦1\boxed{C:\ x^{2}-y^{2}=2\ (x>0),\ -1\le y\le 1} である。これは頂点 (2,0)(\sqrt2,0) を通り,P2(3,−1)P_{2}(\sqrt3,-1) から P1(3,1)P_{1}(\sqrt3,1) まで実軸方向にふくらんだ弧(図示:横軸を実軸,縦軸を虚軸とし,この弧と,原点から P1,P2P_1,P_2 への線分を描く)である。

(2) 回転体の体積

軌跡 CC,線分 OP1OP_{1},線分 OP2OP_{2} で囲まれる領域を,虚軸(yy 軸)の周りに 11 回転させる。

−1≦y≦1-1\le y\le1 を満たす各 yy における断面(xx軸方向の幅)を調べる。

曲線 CC 上の点は x=y2+2x=\sqrt{y^{2}+2}(外側の境界)。

線分 OP1OP_{1}(O(0,0)O(0,0) から P1(3,1)P_{1}(\sqrt3,1))は 0≦y≦10\le y\le1 で x=3 yx=\sqrt3\,y,線分 OP2OP_{2}(O(0,0)O(0,0) から P2(3,−1)P_{2}(\sqrt3,-1))は −1≦y≦0-1\le y\le0 で x=−3 yx=-\sqrt3\,y。まとめると内側の境界は x=3 ∣y∣x=\sqrt3\,|y|(−1≦y≦1-1\le y\le1)。

0≦y≦10\le y\le1 で 2+y2≧3y2すなわちy2≦12+y^{2}\ge 3y^{2}\quad\text{すなわち}\quad y^{2}\le1 が成り立つ(等号は y=1y=1)ので,全区間で外側境界 x=y2+2x=\sqrt{y^2+2} は内側境界 x=3∣y∣x=\sqrt3|y| 以上であり,領域はつねに x≧0x\ge0 側にあるから,yy 軸まわりの回転体の体積は円環(外半径・内半径)の断面積を積分して求められる。 V=π∫−11{(y2+2)2−(3 ∣y∣)2} dy=π∫−11(2+y2−3y2) dy=π∫−11(2−2y2) dy.\displaystyle V=\pi\int_{-1}^{1}\Bigl\{\bigl(\sqrt{y^{2}+2}\bigr)^{2}-\bigl(\sqrt3\,|y|\bigr)^{2}\Bigr\}\,dy=\pi\int_{-1}^{1}\bigl(2+y^{2}-3y^{2}\bigr)\,dy=\pi\int_{-1}^{1}\bigl(2-2y^{2}\bigr)\,dy. 被積分関数は偶関数だから V=2π∫01(2−2y2) dy=2π[ 2y−23y3]01=2π(2−23)=2π⋅43=8π3.\displaystyle V=2\pi\int_{0}^{1}(2-2y^{2})\,dy=2\pi\left[\,2y-\frac{2}{3}y^{3}\right]_{0}^{1}=2\pi\left(2-\frac{2}{3}\right)=2\pi\cdot\frac{4}{3}=\frac{8\pi}{3}. (検算:曲線だけを yy 軸周りに回転させた立体の体積は π∫−11(y2+2) dy=π[y33+2y]−11=14π3\displaystyle \pi\int_{-1}^{1}(y^{2}+2)\,dy=\pi\left[\dfrac{y^3}{3}+2y\right]_{-1}^{1}=\dfrac{14\pi}{3},線分 OP1,OP2OP_1,OP_2(22本合わせて頂点を共有する二重の円錐)だけを回転させた立体の体積は π∫−113y2 dy=2π\displaystyle \pi\int_{-1}^{1}3y^{2}\,dy=2\pi(半径 3\sqrt3,高さ 11 の円錐 22 個分 =2×13π(3)2⋅1=2π\displaystyle =2\times\frac13\pi(\sqrt3)^2\cdot1=2\pi)であり,14π3−2π=8π3\displaystyle \dfrac{14\pi}{3}-2\pi=\dfrac{8\pi}{3} で一致し,結果は正しい。)

よって求める体積は V=8π3\displaystyle \boxed{V=\dfrac{8\pi}{3}} である。

この問題で使う考え方

  • 複素数平面
  • 双曲線
  • 定積分による体積

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