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名古屋市立大学/2021年度/前期

名古屋市立大学 2021年 数学 第4問解答・解説

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1問題

名古屋市立大学2021年度第4問

nn を2以上の整数とする。1から nn までの番号が付いた同じ形のカードが2枚ずつ,全部で 2n2n 枚のカードが箱に入っている。AとBの2人が以下の手順に従ってこの箱からカードを取り出すゲームを行う。ただし,Aを最初のプレイヤーとする。

ゲームの手順:

手順1

プレイヤーは箱から無作為に2枚のカードを取り出し,机の上に番号が見えるように置く。

手順2

a) 机の上のカードの中に同じ番号のカードが1組でもある場合:

同じ番号のカードの組をすべて机の上から取り上げて自分のものとして,手順1に戻る。(自分のプレイは終わらない。)

b) 机の上のカードの中に同じ番号のカードが1組もない場合:

カードはそのまま机の上に残す。自分のプレイは終わる。相手がプレイヤーになり,手順1から始める。

箱のカードがなくなればゲームを終了する。また,取り上げたカードの枚数が多い方を勝者とし,同数なら引き分けとする。次の問いに答えよ。

(1) n=2n=2 のとき,Bが勝つ確率 P(2)P(2) を求めよ。

(2) n=3n=3 のとき,Bが勝つ確率 P(3)P(3) を求めよ。

(3) n=4n=4 のとき,Bが勝つ確率 P(4)P(4),引き分ける確率 Q(4)Q(4) を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • P(2)=23,P(3)=1415,P(4)=74105,Q(4)=235.\displaystyle P(2)=\frac{2}{3},\qquad P(3)=\frac{14}{15},\qquad P(4)=\frac{74}{105},\qquad Q(4)=\frac{2}{35}.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

各番号の組について,1枚だけ机上にあるものを未完成の組と呼ぶ。jj 回目の取り出しの直前,その組数を ss,まだ2枚とも箱の中にある番号の組数を uu とする。すでに完成した組は取り上げられているので,箱の中は s+2us+2u 枚であり,机上には ss 枚残っている。jj 回目に完成して取り上げられる組数を cjc_j とすると,2枚の取り出し方は次の三つの場合に尽きる。 cj取り出す2枚場合の数取り出した後の状態 (s′,u′)0異なる二つの未出現番号から各1枚4(u2)(s+2,u−2)1机上の1枚の相方と未出現番号の1枚,または同じ未出現番号の2枚2su+u(s,u−1)2机上の異なる2枚の相方(s2)(s−2,u)\displaystyle \begin{array}{c|c|c|c} c_j&\text{取り出す2枚}&\text{場合の数}&\text{取り出した後の状態}\ (s',u')\\\hline 0&\text{異なる二つの未出現番号から各1枚}&4\binom u2&(s+2,u-2)\\ 1&\text{机上の1枚の相方と未出現番号の1枚,または同じ未出現番号の2枚}&2su+u&(s,u-1)\\ 2&\text{机上の異なる2枚の相方}&\binom s2&(s-2,u) \end{array} どの場合も全体の取り出し方は (s+2u2)\displaystyle \binom{s+2u}{2} 通りであるから,表の各場合の数をこれで割れば条件付き確率になる。特に cj=1c_j=1 の第一の場合は机上から1枚が消えて新しい番号の1枚が残るので s′=ss'=s である。また cj=0c_j=0 のときだけ手番が A と B の間で交代する。cj=1,2c_j=1,2 のとき,そのプレイヤーがそれぞれ1組,2組を獲得する。獲得カード数は獲得組数の2倍なので,勝敗は組数で比較してよい。 初めは (s,u)=(0,n)(s,u)=(0,n) である。以下の全ての経路で必要になる条件付き確率を示す。空欄ではなく 00 はその場合が起こらないことを表す。 (s,u)Pr⁡(c=0)Pr⁡(c=1)Pr⁡(c=2)(0,4)67170(0,3)45150(2,2)41523115(0,2)23130(2,1)05616(4,0)001(2,0)001(0,1)010\displaystyle \begin{array}{c|ccc} (s,u)&\Pr(c=0)&\Pr(c=1)&\Pr(c=2)\\\hline (0,4)&\frac67&\frac17&0\\ (0,3)&\frac45&\frac15&0\\ (2,2)&\frac4{15}&\frac23&\frac1{15}\\ (0,2)&\frac23&\frac13&0\\ (2,1)&0&\frac56&\frac16\\ (4,0)&0&0&1\\ (2,0)&0&0&1\\ (0,1)&0&1&0 \end{array} ここで各行の確率は合計 11 であり,(s,u)=(0,n)(s,u)=(0,n) から表の状態遷移をたどれば,以下の表の経路以外は生じない。各経路の (s1,…,sn)(s_1,\ldots,s_n) は各回の取り出し後に机上に残るカード枚数である。(A,B)(A,B) はそれぞれの獲得組数を表す。

n=2n=2 の場合は (c1,c2)(s1,s2)確率(A,B)(0,2)(2,0)23(0,2)(1,1)(0,0)13(2,0)\displaystyle \begin{array}{c|c|c|c} (c_1,c_2)&(s_1,s_2)&\text{確率}&(A,B)\\\hline (0,2)&(2,0)&\frac23&(0,2)\\ (1,1)&(0,0)&\frac13&(2,0) \end{array} ゆえに P(2)=23\displaystyle P(2)=\frac23 である。

n=3n=3 の場合は (c1,c2,c3)(s1,s2,s3)確率(A,B)(0,1,2)(2,2,0)23(0,3)(0,2,1)(2,0,0)215(0,3)(1,0,2)(0,2,0)215(1,2)(1,1,1)(0,0,0)115(3,0)\displaystyle \begin{array}{c|c|c|c} (c_1,c_2,c_3)&(s_1,s_2,s_3)&\text{確率}&(A,B)\\\hline (0,1,2)&(2,2,0)&\frac23&(0,3)\\ (0,2,1)&(2,0,0)&\frac2{15}&(0,3)\\ (1,0,2)&(0,2,0)&\frac2{15}&(1,2)\\ (1,1,1)&(0,0,0)&\frac1{15}&(3,0) \end{array} 例えば最初の行の確率は 45⋅56=23\displaystyle \frac45\cdot\frac56=\frac23 である。したがって P(3)=23+215+215=1415\displaystyle P(3)=\frac23+\frac2{15}+\frac2{15}=\frac{14}{15} となる。

n=4n=4 の場合は (c1,c2,c3,c4)(s1,s2,s3,s4)105Pr⁡(A,B)勝敗(0,0,2,2)(2,4,2,0)24(4,0)A(0,1,1,2)(2,2,2,0)50(0,4)B(0,1,2,1)(2,2,0,0)10(0,4)B(0,2,0,2)(2,0,2,0)4(2,2)引分(0,2,1,1)(2,0,0,0)2(0,4)B(1,0,1,2)(0,2,2,0)10(1,3)B(1,0,2,1)(0,2,0,0)2(1,3)B(1,1,0,2)(0,0,2,0)2(2,2)引分(1,1,1,1)(0,0,0,0)1(4,0)A\begin{array}{c|c|c|c|c} (c_1,c_2,c_3,c_4)&(s_1,s_2,s_3,s_4)&105\Pr&(A,B)&\text{勝敗}\\\hline (0,0,2,2)&(2,4,2,0)&24&(4,0)&A\\ (0,1,1,2)&(2,2,2,0)&50&(0,4)&B\\ (0,1,2,1)&(2,2,0,0)&10&(0,4)&B\\ (0,2,0,2)&(2,0,2,0)&4&(2,2)&\text{引分}\\ (0,2,1,1)&(2,0,0,0)&2&(0,4)&B\\ (1,0,1,2)&(0,2,2,0)&10&(1,3)&B\\ (1,0,2,1)&(0,2,0,0)&2&(1,3)&B\\ (1,1,0,2)&(0,0,2,0)&2&(2,2)&\text{引分}\\ (1,1,1,1)&(0,0,0,0)&1&(4,0)&A \end{array} 例えば (0,1,1,2)(0,1,1,2) の確率は 67⋅23⋅56=50105\displaystyle \frac67\cdot\frac23\cdot\frac56=\frac{50}{105} である。全行の分子の合計は 24+50+10+4+2+10+2+2+1=10524+50+10+4+2+10+2+2+1=105 で,確率の総和は 11 である。B が勝つ行の分子は 50+10+2+10+2=7450+10+2+10+2=74,引き分ける行の分子は 4+2=64+2=6 だから, P(4)=74105,Q(4)=6105=235.\displaystyle P(4)=\frac{74}{105},\qquad Q(4)=\frac6{105}=\frac2{35}. どの経路も最後に sn=0s_n=0 となる。したがって,箱が空になる時点で机上にカードが取り残される場合もない。

この問題で使う考え方

  • 和の法則
  • 積の法則
  • 組合せ
  • 確率の基本法則
  • 条件付き確率

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