各番号の組について,1枚だけ机上にあるものを未完成の組と呼ぶ。j 回目の取り出しの直前,その組数を s,まだ2枚とも箱の中にある番号の組数を u とする。すでに完成した組は取り上げられているので,箱の中は s+2u 枚であり,机上には s 枚残っている。j 回目に完成して取り上げられる組数を cj とすると,2枚の取り出し方は次の三つの場合に尽きる。 cj012取り出す2枚異なる二つの未出現番号から各1枚机上の1枚の相方と未出現番号の1枚,または同じ未出現番号の2枚机上の異なる2枚の相方場合の数4(2u)2su+u(2s)取り出した後の状態 (s′,u′)(s+2,u−2)(s,u−1)(s−2,u) どの場合も全体の取り出し方は (2s+2u) 通りであるから,表の各場合の数をこれで割れば条件付き確率になる。特に cj=1 の第一の場合は机上から1枚が消えて新しい番号の1枚が残るので s′=s である。また cj=0 のときだけ手番が A と B の間で交代する。cj=1,2 のとき,そのプレイヤーがそれぞれ1組,2組を獲得する。獲得カード数は獲得組数の2倍なので,勝敗は組数で比較してよい。 初めは (s,u)=(0,n) である。以下の全ての経路で必要になる条件付き確率を示す。空欄ではなく 0 はその場合が起こらないことを表す。 (s,u)(0,4)(0,3)(2,2)(0,2)(2,1)(4,0)(2,0)(0,1)Pr(c=0)7654154320000Pr(c=1)7151323165001Pr(c=2)00151061110 ここで各行の確率は合計 1 であり,(s,u)=(0,n) から表の状態遷移をたどれば,以下の表の経路以外は生じない。各経路の (s1,…,sn) は各回の取り出し後に机上に残るカード枚数である。(A,B) はそれぞれの獲得組数を表す。
n=2 の場合は (c1,c2)(0,2)(1,1)(s1,s2)(2,0)(0,0)確率3231(A,B)(0,2)(2,0) ゆえに P(2)=32 である。
n=3 の場合は (c1,c2,c3)(0,1,2)(0,2,1)(1,0,2)(1,1,1)(s1,s2,s3)(2,2,0)(2,0,0)(0,2,0)(0,0,0)確率32152152151(A,B)(0,3)(0,3)(1,2)(3,0) 例えば最初の行の確率は 54⋅65=32 である。したがって P(3)=32+152+152=1514 となる。
n=4 の場合は (c1,c2,c3,c4)(0,0,2,2)(0,1,1,2)(0,1,2,1)(0,2,0,2)(0,2,1,1)(1,0,1,2)(1,0,2,1)(1,1,0,2)(1,1,1,1)(s1,s2,s3,s4)(2,4,2,0)(2,2,2,0)(2,2,0,0)(2,0,2,0)(2,0,0,0)(0,2,2,0)(0,2,0,0)(0,0,2,0)(0,0,0,0)105Pr2450104210221(A,B)(4,0)(0,4)(0,4)(2,2)(0,4)(1,3)(1,3)(2,2)(4,0)勝敗ABB引分BBB引分A 例えば (0,1,1,2) の確率は 76⋅32⋅65=10550 である。全行の分子の合計は 24+50+10+4+2+10+2+2+1=105 で,確率の総和は 1 である。B が勝つ行の分子は 50+10+2+10+2=74,引き分ける行の分子は 4+2=6 だから, P(4)=10574,Q(4)=1056=352. どの経路も最後に sn=0 となる。したがって,箱が空になる時点で机上にカードが取り残される場合もない。