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名古屋大学/2012年度

名古屋大学 2012年 数学 第2問解答・解説

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1問題

名古屋大学2012年度第2問

f_0(x) = xe^x として、正の整数 n に対して、 f_n(x) = ∫_{-x}^{x} f_{n-1}(t) dt + f'_{n-1}(x) により実数 x の関数 f_n(x) を定める。

(1) f_1(x) を求めよ。

(2) g(x) = ∫_{-x}^{x} (at + b)e^t dt とするとき、定積分 ∫_{-c}^{c} g(x) dx を求めよ。ただし、実数 a、b、c は定数とする。

(3) 正の整数 n に対して、f_{2n}(x) を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)f1(x)=2xex+(x+1)e−x(1) f_1(x)=2xe^x+(x+1)e^{-x}。 (2)∫−ccg(x)dx=0\displaystyle (2) \int_{-c}^{c}g(x)dx=0。 (3)f2n(x)=(3nx+2n⋅3n−1)ex(3) f_{2n}(x)=(3^n x+2n·3^{n-1})e^x(nは正の整数)。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1)f1(x)=∫−xxtet dt+ddx(xex)=[(t−1)et]−xx+(x+1)ex=(x−1)ex+(x+1)e−x+(x+1)ex=2xex+(x+1)e−x.\displaystyle \begin{aligned} (1)\quad f_1(x) &=\int_{-x}^{x}te^t\,dt+\frac{d}{dx}(xe^x)\\ &=\left[(t-1)e^t\right]_{-x}^{x}+(x+1)e^x\\ &=(x-1)e^x+(x+1)e^{-x}+(x+1)e^x\\ &=2xe^x+(x+1)e^{-x}. \end{aligned}

(2)g(−x)=∫x−x(at+b)et dt=−∫−xx(at+b)et dt=−g(x).\displaystyle \begin{aligned} (2)\quad g(-x) &=\int_{x}^{-x}(at+b)e^t\,dt\\ &=-\int_{-x}^{x}(at+b)e^t\,dt=-g(x). \end{aligned} 従って ∫−ccg(x) dx=0\displaystyle \int_{-c}^{c}g(x)\,dx=0。

(3)(Tf)(x):=∫−xxf(t) dt+f′(x),E(x):=f(x)+f(−x)2,O(x):=f(x)−f(−x)2.\displaystyle (3)\quad (Tf)(x):=\int_{-x}^{x}f(t)\,dt+f'(x),\qquad E(x):=\frac{f(x)+f(-x)}2,\quad O(x):=\frac{f(x)-f(-x)}2. EE は偶関数、OO は奇関数であり、 (Tf)(x)=2∫0xE(t) dt+E′(x)+O′(x).\displaystyle (Tf)(x)=2\int_0^x E(t)\,dt+E'(x)+O'(x). このとき TfTf の偶関数部分は O′O' だから、O(0)=0O(0)=0 を用いて (T2f)(x)=2∫0xO′(t) dt+(Tf)′(x)=2O(x)+2E(x)+E′′(x)+O′′(x)=2f(x)+f′′(x).\displaystyle \begin{aligned} (T^2f)(x) &=2\int_0^x O'(t)\,dt+(Tf)'(x)\\ &=2O(x)+2E(x)+E''(x)+O''(x)\\ &=2f(x)+f''(x). \end{aligned} よって f2n=(D2+2)nf0f_{2n}=(D^2+2)^n f_0(D=d/dxD=d/dx)。これは「2回進めるごとに 2f+f′′2f+f^{\prime\prime} を作る」という計算を略記したものである。PP を多項式とすると (D2+2)(exP(x))=ex(P′′(x)+2P′(x)+3P(x)).(D^2+2)(e^xP(x))=e^x\bigl(P''(x)+2P'(x)+3P(x)\bigr). P0(x)=xP_0(x)=x とし、Pk+1=Pk′′+2Pk′+3PkP_{k+1}=P_k^{\prime\prime}+2P_k^\prime+3P_k とおく。Pk(x)=3kx+2k3k−1P_k(x)=3^k x+2k3^{k-1} と仮定すると、Pk+1(x)=3k+1x+2(k+1)3kP_{k+1}(x)=3^{k+1}x+2(k+1)3^k となる。P0(x)=xP_0(x)=x より帰納法でこの式が成り立つ。したがって f2n(x)=(3nx+2n3n−1)ex.f_{2n}(x)=\left(3^n x+2n3^{n-1}\right)e^x.

積分の上下限を入れ替えて奇関数性を確認する。偶部分と奇部分に分けると、漸化式を2回適用した結果が2f+f″となる。あとは係数の帰納法で一般項を得る。

この問題で使う考え方

  • 偶関数・奇関数
  • 部分積分
  • 微分積分の基本定理
  • 数学的帰納法

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