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新潟大学/2019年度

新潟大学 2019年 数学 第3問解答・解説

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1問題

新潟大学2019年度第3問

平行四辺形 ABCD において,辺 AB の長さを p,辺 BC の長さを q とし,θ=∠BAD とおく。ただし p>q とする。平行四辺形 ABCD の内部の点 P と4本の直線 AB,BC,CD,DA との距離のうちで最小のものを r とする。点 P が平行四辺形 ABCD の内部を動くときの r の最大値を R とし,最大値 R を与える点 P の軌跡を L とする。次の問いに答えよ。

(1) 平行四辺形 ABCD 内に L を図示せよ。

(2) 半径 R の円の中心が L 上を動くとき,円およびその内部が通過する領域の面積を S とする。S を p,q および θ で表せ。

(3) 平行四辺形 ABCD の面積を T とする。(2)で求めた S に対して lim(θ→+0) S/T を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

座標で4直線への距離を表し、最大距離の上限と等号成立条件から軌跡を確定する。線分を中心とする半径Rの円の掃過面積を求め、平行四辺形の面積との比の極限を取る。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • R=qsin⁡θ2,L={(x,y):y=qsin⁡θ2, q(1+cos⁡θ)2≦x≦p+q(cos⁡θ−1)2},S=q(p−q)sin⁡θ+πq2sin⁡2θ4,lim⁡θ→+0ST=p−qp=1−qp.\displaystyle R=\frac{q\sin\theta}{2},\qquad L=\left\{(x,y):y=\frac{q\sin\theta}{2},\ \frac{q(1+\cos\theta)}2\leq x\leq p+\frac{q(\cos\theta-1)}2\right\}, \quad S=q(p-q)\sin\theta+\frac{\pi q^2\sin^2\theta}{4},\qquad \lim\limits _{\theta\to+0}\frac ST=\frac{p-q}{p}=1-\frac qp.

4解答

解答を見る途中式つきの解答

座標と4直線までの距離. 0<θ<π0<\theta<\pi とし、平行四辺形を A=(0,0),B=(p,0),D=(qcos⁡θ,qsin⁡θ),C=(p+qcos⁡θ,qsin⁡θ)A=(0,0),\quad B=(p,0),\quad D=(q\cos\theta,q\sin\theta),\quad C=(p+q\cos\theta,q\sin\theta) とおく。h=qsin⁡θh=q\sin\theta とする。このとき AB,CDAB,CD はそれぞれ y=0,hy=0,h で、その距離は hh。また AD,BCAD,BC は平行で、その距離は psin⁡θp\sin\theta である。p>qp>q だから min⁡(h2,psin⁡θ2)=qsin⁡θ2.\displaystyle \min\left(\frac h2,\frac{p\sin\theta}{2}\right) =\frac{q\sin\theta}{2}. 平行な2直線からの距離の和はその2直線間の距離なので、任意の内部点 P=(x,y)P=(x,y) について r(P)≦min⁡{y,h−y}≦h2.\displaystyle r(P)\leq \min\{y,h-y\}\leq \frac h2. 従って R≦h/2R\leq h/2。

斜辺の直線は、単位法線 (sin⁡θ,−cos⁡θ)(\sin\theta,-\cos\theta) を用いると AD: xsin⁡θ−ycos⁡θ=0,BC: xsin⁡θ−ycos⁡θ=psin⁡θAD:\ x\sin\theta-y\cos\theta=0,\qquad BC:\ x\sin\theta-y\cos\theta=p\sin\theta と表せる。内部ではそれらへの距離は d(P,AD)=xsin⁡θ−ycos⁡θ,d(P,BC)=psin⁡θ−xsin⁡θ+ycos⁡θ.d(P,AD)=x\sin\theta-y\cos\theta,\qquad d(P,BC)=p\sin\theta-x\sin\theta+y\cos\theta. y=h/2=qsin⁡θ/2y=h/2=q\sin\theta/2 とすると d(P,AD)=sin⁡θ(x−qcos⁡θ2),d(P,BC)=sin⁡θ(p+qcos⁡θ2−x).\displaystyle d(P,AD)=\sin\theta\left(x-\frac{q\cos\theta}{2}\right),\qquad d(P,BC)=\sin\theta\left(p+\frac{q\cos\theta}{2}-x\right). これらが h/2=qsin⁡θ/2h/2=q\sin\theta/2 以上である条件は q(1+cos⁡θ)2≦x≦p+q(cos⁡θ−1)2.\displaystyle \frac{q(1+\cos\theta)}2\leq x\leq p+\frac{q(\cos\theta-1)}2. 区間の長さは p−q>0p-q>0 なので、この範囲の点では4直線すべてまでの距離が h/2h/2 以上になり、R=h/2R=h/2 が実現する。逆に r(P)=h/2r(P)=h/2 なら y=h/2y=h/2 であり、さらに斜辺への距離がともに h/2h/2 以上でなければならない。よって上の区間が最大値を与える点をすべて表す。

(1) 従って LL は {(x,y):y=qsin⁡θ2, q(1+cos⁡θ)2≦x≦p+q(cos⁡θ−1)2}\displaystyle \boxed{\left\{(x,y): y=\frac{q\sin\theta}{2},\ \frac{q(1+\cos\theta)}2\leq x\leq p+\frac{q(\cos\theta-1)}2\right\}} という、ABAB に平行で長さ p−qp-q の線分である。図は p=5,q=3,θ=60∘p=5,q=3,\theta=60^\circ の代表例で、赤い線分が LL を表す。

見出し「平行四辺形の例:p=5, q=3, θ=60°」の下に、左下A、右下B、右上C、左上Dの平行四辺形が実線で描かれ、内部が薄い青で塗られている。辺ABの下にp、辺ADの外側にq、角DABにθの弧があり、ADとBCの中点を結ぶ灰色の破線の中央に、両端が赤い点の赤い線分Lが描かれている。下に「破線はABとCDから等距離の中線、赤い線分が軌跡Lである。」と記されている。

(2) 半径 RR の円の中心が長さ p−qp-q の線分上を動くとき、円と内部が通過する領域は、縦横 2R2R と p−qp-q の長方形に、両端の半円(合わせて半径 RR の円1個分)を加えた形である。従って S=2R(p−q)+πR2=q(p−q)sin⁡θ+πq2sin⁡2θ4.\displaystyle S=2R(p-q)+\pi R^2 =q(p-q)\sin\theta+\frac{\pi q^2\sin^2\theta}{4}.

(3) 平行四辺形の面積は T=pqsin⁡θT=pq\sin\theta だから ST=p−qp+πqsin⁡θ4p.\displaystyle \frac ST =\frac{p-q}{p}+\frac{\pi q\sin\theta}{4p}. θ→+0\theta\to+0 のとき sin⁡θ→0\sin\theta\to0 より lim⁡θ→+0ST=p−qp=1−qp.\displaystyle \boxed{\lim\limits _{\theta\to+0}\frac ST=\frac{p-q}{p}=1-\frac qp}.

この問題で使う考え方

  • 三角比と相互関係
  • 座標による距離
  • 軌跡
  • 関数の極限

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