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佐賀大学/2016年度/前期

佐賀大学 2016年 数学 第3問解答・解説

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1問題

佐賀大学2016年度第3問

実数 a,ba,b は a≧0a\geq0、b≧0b\geq0、a2+b2=1a^2+b^2=1 を満たしているとする。このとき、次の問に答えよ。

(1) 定積分 S=∫0π2∣asin⁡x−bcos⁡x∣ dx\displaystyle S=\int_0^{\frac{\pi}{2}}\left|a\sin x-b\cos x\right|\,dx を a,ba,b を用いて表せ。

(2) SS の最大値、最小値とそのときの a,ba,b の値をそれぞれ求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) S=2−a−bS=2-a-b
    (2) SSの最大値は 11((a,b)=(1,0) または (a,b)=(0,1) のとき)、最小値は2-2\sqrt{2}(a=b=22\displaystyle a=b=\frac{\sqrt2}{2} のとき)

3解答

解答を見る途中式つきの解答

実数 a,ba,b は a≧0a\ge 0,b≧0b\ge 0,a2+b2=1a^2+b^2=1 を満たすとする。

(1)  a2+b2=1a^2+b^2=1,a≧0a\ge0,b≧0b\ge0 より,cos⁡θ=a\cos\theta=a,sin⁡θ=b\sin\theta=b を満たす 0≦θ≦π2\displaystyle 0\le\theta\le\dfrac{\pi}{2} の範囲の θ\theta がただ一つ定まる。加法定理 sin⁡(x−θ)=sin⁡xcos⁡θ−cos⁡xsin⁡θ\sin(x-\theta)=\sin x\cos\theta-\cos x\sin\theta より asin⁡x−bcos⁡x=cos⁡θsin⁡x−sin⁡θcos⁡x=sin⁡(x−θ)a\sin x-b\cos x=\cos\theta\sin x-\sin\theta\cos x=\sin(x-\theta) であるから S=∫0π2∣sin⁡(x−θ)∣ dx.\displaystyle S=\int_0^{\frac{\pi}{2}}\bigl|\sin(x-\theta)\bigr|\,dx . 0≦θ≦π2\displaystyle 0\le\theta\le\dfrac{\pi}{2} のとき,xx が 00 から π2\displaystyle \dfrac{\pi}{2} まで動くと x−θx-\theta は −θ-\theta から π2−θ\displaystyle \dfrac{\pi}{2}-\theta まで動き,この範囲では −π2≦x−θ≦π2\displaystyle -\dfrac{\pi}{2}\le x-\theta\le\dfrac{\pi}{2} が成り立つ。したがって x<θx<\theta のとき x−θ<0x-\theta<0 より sin⁡(x−θ)≦0\sin(x-\theta)\le0,x≧θx\ge\theta のとき x−θ≧0x-\theta\ge0 かつ x−θ≦π2−θ≦π2\displaystyle x-\theta\le\dfrac{\pi}{2}-\theta\le\dfrac{\pi}{2} より sin⁡(x−θ)≧0\sin(x-\theta)\ge0 である(θ=0\theta=0 または θ=π2\displaystyle \theta=\dfrac{\pi}{2} のときは一方の区間の幅が 00 になるだけで以下の計算はそのまま成り立つ)。よって x=θx=\theta で積分区間を分けると S=∫0θ(−sin⁡(x−θ)) dx+∫θπ2sin⁡(x−θ) dx.\displaystyle S=\int_0^{\theta}\bigl(-\sin(x-\theta)\bigr)\,dx+\int_{\theta}^{\frac{\pi}{2}}\sin(x-\theta)\,dx . ∫(−sin⁡(x−θ)) dx=cos⁡(x−θ)\displaystyle\int(-\sin(x-\theta))\,dx=\cos(x-\theta),∫sin⁡(x−θ) dx=−cos⁡(x−θ)\displaystyle\int\sin(x-\theta)\,dx=-\cos(x-\theta) であるから ∫0θ(−sin⁡(x−θ)) dx=[cos⁡(x−θ)]0θ=cos⁡0−cos⁡(−θ)=1−cos⁡θ,\displaystyle \int_0^{\theta}(-\sin(x-\theta))\,dx=\bigl[\cos(x-\theta)\bigr]_0^{\theta}=\cos0-\cos(-\theta)=1-\cos\theta, ∫θπ2sin⁡(x−θ) dx=[−cos⁡(x−θ)]θπ2=−cos⁡ ⁣(π2−θ)+cos⁡0=1−sin⁡θ.\displaystyle \int_{\theta}^{\frac{\pi}{2}}\sin(x-\theta)\,dx=\bigl[-\cos(x-\theta)\bigr]_{\theta}^{\frac{\pi}{2}}=-\cos\!\left(\frac{\pi}{2}-\theta\right)+\cos0=1-\sin\theta . したがって S=(1−cos⁡θ)+(1−sin⁡θ)=2−(cos⁡θ+sin⁡θ)=2−a−b.S=(1-\cos\theta)+(1-\sin\theta)=2-(\cos\theta+\sin\theta)=2-a-b . (検算:a=1,b=0a=1,b=0 のとき S=∫0π/2sin⁡x dx=1\displaystyle S=\int_0^{\pi/2}\sin x\,dx=1,公式では 2−1−0=12-1-0=1 で一致。a=0,b=1a=0,b=1 のとき S=∫0π/2cos⁡x dx=1\displaystyle S=\int_0^{\pi/2}\cos x\,dx=1,公式では 2−0−1=12-0-1=1 で一致。a=b=22\displaystyle a=b=\frac{\sqrt2}{2} のとき asin⁡x−bcos⁡x=12sin⁡ ⁣(x−π4)\displaystyle a\sin x-b\cos x=\frac{1}{\sqrt2}\sin\!\left(x-\frac{\pi}{4}\right) なので直接積分すると 2−22-\sqrt2 となり,公式 2−a−b=2−22-a-b=2-\sqrt2 と一致する。)

よって S=2−a−b\boxed{S=2-a-b}

(2)  (1) より S=2−(a+b)S=2-(a+b) であるから,SS の最大・最小は,条件 a≧0, b≧0, a2+b2=1a\ge0,\ b\ge0,\ a^2+b^2=1 のもとでの a+ba+b の最小・最大に対応する。

まず (a+b)2=a2+2ab+b2=1+2ab(a+b)^2=a^2+2ab+b^2=1+2ab であり,a≧0, b≧0a\ge0,\ b\ge0 より ab≧0ab\ge0 だから (a+b)2≧1,すなわち a+b≧1(a+b)^2\ge1,\qquad\text{すなわち } a+b\ge1 (a+b≧0a+b\ge0 なので平方して比較してよい)。等号は ab=0ab=0,すなわち a=0a=0 または b=0b=0 のときで,このとき a2+b2=1a^2+b^2=1 と合わせて (a,b)=(1,0)(a,b)=(1,0) または (0,1)(0,1) である。

一方,(a−b)2≧0(a-b)^2\ge0 より a2+b2≧2aba^2+b^2\ge2ab であるから 2(a2+b2)≧a2+2ab+b2=(a+b)2,すなわち (a+b)2≦2,2(a^2+b^2)\ge a^2+2ab+b^2=(a+b)^2,\qquad\text{すなわち } (a+b)^2\le2, よって a+b≦2a+b\le\sqrt2 である。等号は a=ba=b のときで,a2+b2=1a^2+b^2=1 と合わせて a=b=22\displaystyle a=b=\dfrac{\sqrt2}{2} である(このとき a≧0,b≧0a\ge0,b\ge0 を満たす)。

以上より,a≧0, b≧0, a2+b2=1a\ge0,\ b\ge0,\ a^2+b^2=1 のもとで 1≦a+b≦21\le a+b\le\sqrt2 であり,両端はいずれも実際に実現される。したがって S=2−(a+b)S=2-(a+b) について 2−2≦S≦12-\sqrt2\le S\le1 がすべて実現され,

SS の最大値は 11((a,b)=(1,0)(a,b)=(1,0) または (0,1)(0,1) のとき),

SS の最小値は 2−22-\sqrt2(a=b=22\displaystyle a=b=\dfrac{\sqrt2}{2} のとき)

である。

単位円の条件からa,bを余弦・正弦に置き、加法定理を使う。符号が変わる点で積分を分ける。最後はa+bの範囲を決めてSの最大値・最小値を求める。

この問題で使う考え方

  • 加法定理による三角関数の合成
  • 絶対値積分の区間分割
  • 基本不等式と等号条件

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