実数 a,b は a≧0,b≧0,a2+b2=1 を満たすとする。
(1) a2+b2=1,a≧0,b≧0 より,cosθ=a,sinθ=b を満たす 0≦θ≦2π の範囲の θ がただ一つ定まる。加法定理 sin(x−θ)=sinxcosθ−cosxsinθ より asinx−bcosx=cosθsinx−sinθcosx=sin(x−θ) であるから S=∫02πsin(x−θ)dx. 0≦θ≦2π のとき,x が 0 から 2π まで動くと x−θ は −θ から 2π−θ まで動き,この範囲では −2π≦x−θ≦2π が成り立つ。したがって x<θ のとき x−θ<0 より sin(x−θ)≦0,x≧θ のとき x−θ≧0 かつ x−θ≦2π−θ≦2π より sin(x−θ)≧0 である(θ=0 または θ=2π のときは一方の区間の幅が 0 になるだけで以下の計算はそのまま成り立つ)。よって x=θ で積分区間を分けると S=∫0θ(−sin(x−θ))dx+∫θ2πsin(x−θ)dx. ∫(−sin(x−θ))dx=cos(x−θ),∫sin(x−θ)dx=−cos(x−θ) であるから ∫0θ(−sin(x−θ))dx=[cos(x−θ)]0θ=cos0−cos(−θ)=1−cosθ, ∫θ2πsin(x−θ)dx=[−cos(x−θ)]θ2π=−cos(2π−θ)+cos0=1−sinθ. したがって S=(1−cosθ)+(1−sinθ)=2−(cosθ+sinθ)=2−a−b. (検算:a=1,b=0 のとき S=∫0π/2sinxdx=1,公式では 2−1−0=1 で一致。a=0,b=1 のとき S=∫0π/2cosxdx=1,公式では 2−0−1=1 で一致。a=b=22 のとき asinx−bcosx=21sin(x−4π) なので直接積分すると 2−2 となり,公式 2−a−b=2−2 と一致する。)
よって S=2−a−b
(2) (1) より S=2−(a+b) であるから,S の最大・最小は,条件 a≧0, b≧0, a2+b2=1 のもとでの a+b の最小・最大に対応する。
まず (a+b)2=a2+2ab+b2=1+2ab であり,a≧0, b≧0 より ab≧0 だから (a+b)2≧1,すなわち a+b≧1 (a+b≧0 なので平方して比較してよい)。等号は ab=0,すなわち a=0 または b=0 のときで,このとき a2+b2=1 と合わせて (a,b)=(1,0) または (0,1) である。
一方,(a−b)2≧0 より a2+b2≧2ab であるから 2(a2+b2)≧a2+2ab+b2=(a+b)2,すなわち (a+b)2≦2, よって a+b≦2 である。等号は a=b のときで,a2+b2=1 と合わせて a=b=22 である(このとき a≧0,b≧0 を満たす)。
以上より,a≧0, b≧0, a2+b2=1 のもとで 1≦a+b≦2 であり,両端はいずれも実際に実現される。したがって S=2−(a+b) について 2−2≦S≦1 がすべて実現され,
S の最大値は 1((a,b)=(1,0) または (0,1) のとき),
S の最小値は 2−2(a=b=22 のとき)
である。
単位円の条件からa,bを余弦・正弦に置き、加法定理を使う。符号が変わる点で積分を分ける。最後はa+bの範囲を決めてSの最大値・最小値を求める。