(1) α=2+3 の両辺を2乗すると α2=(2+3)2=2+26+3=5+26 であるから 6=2α2−5=21α2−25(a=0,b=21,c=0,d=−25)
次に α3=α⋅α2 を計算する。 α3=(2+3)(5+26)=52+53+212+218 ここで 12=23, 18=32 であるから α3=52+53+2⋅23+2⋅32=(5+6)2+(5+4)3=112+93
α=2+3 と α3=112+93 から,2,3 の一方を消去する組合せを作る。 α3−9α=(112+93)−9(2+3)=22,11α−α3=11(2+3)−(112+93)=23 したがって 2=2α3−9α=21α3−29α(a=21,b=0,c=−29,d=0) 3=211α−α3=−21α3+211α(a=−21,b=0,c=211,d=0)
(検算:α=2+3≒3.14626,α2=5+26≒9.89898,α3=112+93≒31.1448 を用いると,21α3−29α≒1.41421=2,−21α3+211α≒1.73205=3,21α2−25≒2.44949=6 となり,いずれも一致する。)
(2) まず α が満たす4次式を求める。(1)の α2−5=26 の両辺を2乗すると (α2−5)2=(26)2=24 すなわち α4−10α2+1=0⋯(∗)
多項式 x4−10x2+1 を x+1 で割ると(多項式の除法により) x4−10x2+1=(x+1)(x3−x2−9x+9)−8 であることが分かる。実際 (x+1)(x3−x2−9x+9)=x4−x3−9x2+9x+x3−x2−9x+9=x4−10x2+9 であり,x4−10x2+9=(x4−10x2+1)+8 だからこの等式は正しい。
この等式に x=α を代入し,(∗) すなわち α4−10α2+1=0 を用いると 0=(α+1)(α3−α2−9α+9)−8 より (α+1)(α3−α2−9α+9)=8 α+1=2+3+1=0 であるから,両辺を α+1 で割って α+11=8α3−α2−9α+9=81α3−81α2−89α+89 (a=81,b=−81,c=−89,d=89)
(検算:直接の展開でも確認できる。α3−α2−9α+9=(112+93)−(5+26)−9(2+3)+9=22−26+4 であり,これに (α+1)=(1+2+3) を掛けると (1+2+3)(4+22−26)=4+22−26+42+4−43+43+26−62=8 と,2,3,6 の項がすべて相殺して定数 8 のみが残り,上の等式と一致する。また数値でも α+1≒4.14626,1/(α+1)≒0.24118 に対し,81α3−81α2−89α+89≒0.24119 とほぼ一致する。)
(3) (1)で示した 2=21α3−29α を用いる。α が有理数であると仮定する。有理数は加減乗除について閉じているから,このとき α2=α⋅α および α3=α2⋅α もすべて有理数であり,したがって 21α3−29α は有理数同士の積と和・差のみからなる式であるから有理数である。ところが上の等式によりこの値は 2 に等しく,2 は無理数であることが与えられている。これは矛盾である。
よって「α が有理数である」という仮定は誤りであり, α=2+3 は無理数である