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札幌医科大学/2016年度/前期

札幌医科大学 2016年 数学 第3問解答・解説

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1問題

札幌医科大学2016年度第3問

2種類の文字「A」、「B」を1つずつ左から右に書いていく。書かれる文字がAかBかは確率12\displaystyle \frac{1}{2}で決まるものとする。しかし、次の2つのルールにより文字が消去されることがある。

1. 右端のAの右隣にBが書かれる場合、そのBは確率23\displaystyle \frac{2}{3}で消去される。

2. 右端のBの左側にAが1つ以上存在する場合、それらのうちでもっとも右にあるAをA◯\text{\textcircled{A}}と呼ぶ。この状況で、右端のBの右隣にAが書かれる場合、確率23\displaystyle \frac{2}{3}でそのAとA◯\text{\textcircled{A}}より右側のすべての文字が消去される(ただしA◯\text{\textcircled{A}}は消去されない)。

上記2つのルールにあてはまらない場合は、消去される文字はないものとする。

nn文字を書いたときに、実際に残っている文字数をana_nとする。

例えば、3文字をA、B、Aの順に書いた場合の結果は「ABA」、「AA」、「A」のいずれかとなる。

(1) a3=2a_3=2となる確率を求めよ。

(2) a4=1a_4=1となる確率を求めよ。

(3) an=na_n=nとなる確率をnnを用いて表せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) 518\displaystyle \frac5{18}。 (2) 11216\displaystyle \frac{11}{216}。 (3) 2(23)n−1−(12)n−1(n≧1)\displaystyle 2\left(\frac23\right)^{n-1}-\left(\frac12\right)^{n-1}\quad(n\geq1)。
  • (1) 518\displaystyle \space{}\frac{5}{18}\qquad (2) 11216\displaystyle \space{}\frac{11}{216}\qquad (3) 2(23)n−1−(12)n−1(n≧1)\displaystyle \space{}2\left(\frac{2}{3}\right)^{n-1}-\left(\frac{1}{2}\right)^{n-1}\quad(n\geq 1)

3解答

解答を見る途中式つきの解答

文字の選択と消去の確率を順に考える。消去が起こらなければ残っている文字数は1増える。規則1で消去が起こると追加した文字が残らず、規則2で消去が起こると追加した文字と少なくとも末尾のBが消える。したがって、消去が一度でも起これば、その後の各回で文字数が最大1ずつ増えても、最後に nn 文字すべてが残ることはない。よって an=na_n=n となるのは、書いた nn 回のすべてで消去が起こらない場合である。

まず2文字を書いた時点での文字列とその確率は P(AA)=14,P(AB)=112,P(A)=16,P(BA)=14,P(BB)=14.\displaystyle P(AA)=\frac14,\quad P(AB)=\frac1{12},\quad P(A)=\frac16,\quad P(BA)=\frac14,\quad P(BB)=\frac14. ここで ABAB は、2文字目のBが消去されずに残る場合である。

(1) a3=2a_3=2 となる経路は、2文字目までが AAAA または BABA で、3文字目にBを書いてそれが消去される場合と、2文字目までに AA だけが残っていて、3文字目を書いた後に2文字残る場合である。前者の各確率は 14⋅12⋅23=112,\displaystyle \frac14\cdot\frac12\cdot\frac23=\frac1{12}, 後者の条件付き確率は、Aの後にAを書く場合、またはBを書いてそのBが残る場合を合わせて 12+12⋅13=23\displaystyle \frac12+\frac12\cdot\frac13=\frac23 である。したがって P(a3=2)=112+112+16⋅23=518.\displaystyle P(a_3=2)=\frac1{12}+\frac1{12}+\frac16\cdot\frac23 =\frac5{18}.

(2) 3文字を書き終えた時点で A,AB,ABBA,AB,ABB となっている確率は、それぞれ P(A)=112,P(AB)=136,P(ABB)=124.\displaystyle P(A)=\frac1{12},\qquad P(AB)=\frac1{36},\qquad P(ABB)=\frac1{24}. 最後の1回で1文字だけ残るには、これらの状態から、順にBを書いて消去される、Aを書いて規則2で消去される、Aを書いて規則2で消去される、のいずれかである。各場合の条件付き確率はいずれも 12⋅23=13\displaystyle \frac12\cdot\frac23=\frac13 である。他の状態からは1回の追加で1文字だけにはならない。ゆえに P(a4=1)=112⋅13+136⋅13+124⋅13=11216.\displaystyle P(a_4=1)=\frac1{12}\cdot\frac13+ \frac1{36}\cdot\frac13+ \frac1{24}\cdot\frac13 =\frac{11}{216}.

(3) 消去が一度も起きていない場合の状態を、最後の文字がAである状態、その左側にAがあるBで終わる状態、すべてBである状態に分け、それぞれの確率を An,Bn,CnA_n,B_n,C_n とする。すると An+1=12An+16Bn+12Cn,Bn+1=16An+12Bn,Cn+1=12Cn,(A1,B1,C1)=(12,0,12).\displaystyle \begin{aligned} A_{n+1}&=\frac12A_n+\frac16B_n+\frac12C_n,\\ B_{n+1}&=\frac16A_n+\frac12B_n,\\ C_{n+1}&=\frac12C_n, \end{aligned} \qquad (A_1,B_1,C_1)=\left(\frac12,0,\frac12\right). たとえば最後がAの状態からBを書くときは、確率 12\displaystyle \frac12 でBを書き、そのBが確率 13\displaystyle \frac13 で残るため、Bn+1B_{n+1} への寄与は 16An\displaystyle \frac16A_n である。 Sn=An+BnS_n=A_n+B_n とおくと Cn=2−nC_n=2^{-n} であり、 Sn+1=23Sn+12 2−n,S1=12.\displaystyle S_{n+1}=\frac23S_n+\frac12\,2^{-n},\qquad S_1=\frac12. これを解くと Sn=2(23)n−1−32(12)n−1.\displaystyle S_n=2\left(\frac23\right)^{n-1}-\frac32\left(\frac12\right)^{n-1}. よって、すべての文字が残る確率は P(an=n)=Sn+Cn=2(23)n−1−(12)n−1(n≧1).\displaystyle P(a_n=n)=S_n+C_n =2\left(\frac23\right)^{n-1}-\left(\frac12\right)^{n-1} \qquad(n\geq1). n=1n=1 で確率が1となり、n=2n=2 では 56\displaystyle \frac56 となる。後者は2文字の全状態の確率を合計した値とも一致する。

この問題で使う考え方

  • 確率の基本法則
  • 独立な試行
  • 漸化式

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