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札幌医科大学/2017年度/前期

札幌医科大学 2017年 数学 第2問解答・解説

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1問題

札幌医科大学2017年度第2問

ii を虚数単位とし,α\alpha と β\beta を複素数で α≠0, β=1+ti (t>0)\alpha\ne0,\ \beta=1+ti\ (t>0) とする。このとき,数列 {zn}\{z_{n}\} を次で定義する。 z1=α,zn+1=βzn(n=1,2,…)z_{1}=\alpha,\qquad z_{n+1}=\beta z_{n}\quad(n=1,2,\ldots) 以下の各問に答えよ。

(1) 複素数平面において原点を OO とし,znz_{n} を表す点を PnP_{n} とする。三角形 OPnPn+1OP_{n}P_{n+1} の面積を α,t,n\alpha,t,n を用いて表せ。

α=−1+3 i, t=tan⁡5π12\displaystyle \alpha=-1+\sqrt{3}\,i,\ t=\tan\frac{5\pi}{12} とする。znz_{n} が正の実数となる番号 nn を小さいほうから順に m1,m2,m3,…m_{1},m_{2},m_{3},\ldots とする。

(2) n=m1n=m_{1} のとき znz_{n} がどのくらいの大きさなのかを調べたい。n=m1n=m_{1} のとき ∣zn−10p∣\left|z_{n}-10^{p}\right| の値が最小となる自然数 pp を求めよ。

(3) 数列 {mk}\{m_{k}\} の一般項を kk を用いて表せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)
    t2∣α∣2(1+t2)n−1\displaystyle \frac t2|\alpha|^2(1+t^2)^{n-1}。
  • (2)
    p=5p=5。
  • (3)
    mk=24k−15(k=1,2,...)m_k=24k−15 (k=1,2,...)。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

漸化式は zn+1=(1+ti)znz_{n+1}=(1+ti)z_n なので、順に掛けると zn=α(1+ti)n−1.z_n=\alpha(1+ti)^{n-1}.

(1) zn=xn+iynz_n=x_n+iy_n とおくと zn+1=(1+ti)(xn+iyn)=(xn−tyn)+i(yn+txn).z_{n+1}=(1+ti)(x_n+iy_n)=(x_n-ty_n)+i(y_n+tx_n). したがって Pn=(xn,yn)P_n=(x_n,y_n) と Pn+1P_{n+1} の座標について、次の積の差を計算する。 xn(yn+txn)−yn(xn−tyn)=t(xn2+yn2).x_n(y_n+tx_n)-y_n(x_n-ty_n)=t(x_n^2+y_n^2). 三角形 OPnPn+1OP_nP_{n+1} の面積は、底辺と高さから 12∣u∣∣v∣sin⁡θ\displaystyle \frac12|u||v|\sin\theta(θ\theta は u=OPn→u=\overrightarrow{OP_n} と v=OPn+1→v=\overrightarrow{OP_{n+1}} のなす角)である。また座標を展開すると (u1v2−u2v1)2=(u12+u22)(v12+v22)−(u1v1+u2v2)2.(u_1v_2-u_2v_1)^2=(u_1^2+u_2^2)(v_1^2+v_2^2)-(u_1v_1+u_2v_2)^2. 内積 u⋅v=∣u∣∣v∣cos⁡θu\cdot v=|u||v|\cos\theta を代入すれば ∣u1v2−u2v1∣=∣u∣∣v∣sin⁡θ|u_1v_2-u_2v_1|=|u||v|\sin\theta となるので、面積は ∣u1v2−u2v1∣|u_1v_2-u_2v_1| の半分である。今回、この積の差は t(xn2+yn2)≧0t(x_n^2+y_n^2)\ge0 であり、t>0t>0 に注意して t2∣zn∣2=t2∣α∣2(1+t2)n−1.\displaystyle \boxed{\frac{t}{2}|z_n|^2 =\frac{t}{2}|\alpha|^2(1+t^2)^{n-1}}.

(2)(3)では θ=5π/12\theta=5\pi/12 とする。0<θ<π/20<\theta<\pi/2 より 1+itan⁡θ=sec⁡θ(cos⁡θ+isin⁡θ).1+i\tan\theta=\sec\theta(\cos\theta+i\sin\theta). また α=−1+3i\alpha=-1+\sqrt3 i は絶対値2、偏角 2π/32\pi/3 である。よって znz_n の偏角は 2π3+(n−1)5π12=(5n+3)π12.\displaystyle \frac{2\pi}{3}+(n-1)\frac{5\pi}{12} =\frac{(5n+3)\pi}{12}. 絶対値は0でないため、znz_n が正の実数となる必要十分条件は、この角が 2πℓ2\pi\ell(ℓ\ell は整数)となること。すなわち 5n+3=24ℓ.5n+3=24\ell. これを5で割った余りで見ると 4ℓ≡3(mod5)4\ell\equiv3\pmod5 だから、ℓ=5j+2\ell=5j+2 と書ける。すると n=24j+9n=24j+9。正の整数 nn となるのは j=0,1,2,…j=0,1,2,\ldots であり、 m1=9,mk=24(k−1)+9=24k−15(k=1,2,…).m_1=9,\qquad \boxed{m_k=24(k-1)+9=24k-15\quad(k=1,2,\ldots)}.

(2)では m1=9m_1=9 なので ∣z9∣=2(sec⁡θ)8.|z_9|=2(\sec\theta)^8. 加法定理から cos⁡75∘=(6−2)/4\cos75^\circ=(\sqrt6-\sqrt2)/4、したがって sec⁡θ=6+2\sec\theta=\sqrt6+\sqrt2。また (6+2)2=4(2+3),(2+3)4=97+563(\sqrt6+\sqrt2)^2=4(2+\sqrt3),\qquad (2+\sqrt3)^4=97+56\sqrt3 より X:=∣z9∣=2(6+2)8=512(97+563).X:=|z_9|=2(\sqrt6+\sqrt2)^8=512(97+56\sqrt3). 1<3<21<\sqrt3<2 を使えば 78,336<X<107,008,78{,}336<X<107{,}008, 特に 55,000<X<550,00055{,}000<X<550{,}000。ここで 55,00055{,}000 は 10410^4 と 10510^5 の中点、550,000550{,}000 は 10510^5 と 10610^6 の中点である。従って XX は 10510^5 に最も近い。より小さい十の冪はすべて 10410^4 以下、より大きい十の冪はすべて 10610^6 以上なので、他の自然数 pp でも距離は小さくならない。 p=5.\boxed{p=5}.

この問題で使う考え方

  • 複素数の漸化式を等比数列として表す
  • 座標の行列式で三角形の面積を求める
  • 極形式と偏角条件
  • 合同式を使った整数条件
  • 平方根を用いた厳密評価と中点比較

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