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札幌医科大学/2022年度/前期

札幌医科大学 2022年 数学 第1問解答・解説

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1問題

札幌医科大学2022年度第1問

次の問いに答えよ。

(1) ii は虚数単位である。複素数平面上で,方程式 ∣z+3i∣=2∣z∣|z+3i|=2|z| を満たす図形と方程式 ∣z−4i∣=∣z∣|z-4i|=|z| を満たす図形の共有点を表す複素数をすべて求めよ。

(2) 数列 {an}\{a_n\} の一般項が an=(1+1n)(1+2n)⋯(1+nn)n\displaystyle a_n=\sqrt[n]{\left(1+\frac{1}{n}\right)\left(1+\frac{2}{n}\right)\cdots\left(1+\frac{n}{n}\right)} であるとき,lim⁡n→∞log⁡an\displaystyle\lim\limits _{n\to\infty}\log a_n を求めよ。ただし,対数は自然対数とする。

(3) 関数 f(x)=2x+1x+2(x>0)\displaystyle f(x)=\frac{2x+1}{x+2}\quad(x>0) に対して f1(x)=f(x),fn(x)=(f∘fn−1)(x)(n=2,3,… )f_1(x)=f(x),\qquad f_n(x)=(f\circ f_{n-1})(x)\quad(n=2,3,\dots) とおく。次の(i),(ii)に答えよ。

(i) f2(x),f3(x),f4(x)f_2(x),f_3(x),f_4(x) を求めよ。

(ii) 自然数 nn に対して fn(x)f_n(x) の式を推測し,その結果を数学的帰納法を用いて証明せよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) z=2i±3z=2i\pm\sqrt3。 (2) lim⁡n→∞log⁡an=2log⁡2−1\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}\log a_n=2\log2-1。 (3)(i) f2(x)=5x+44x+5,f3(x)=14x+1313x+14,f4(x)=41x+4040x+41\displaystyle f_2(x)=\frac{5x+4}{4x+5},\quad f_3(x)=\frac{14x+13}{13x+14},\quad f_4(x)=\frac{41x+40}{40x+41}。 (3)(ii) fn(x)=(3n+1)x+(3n−1)(3n−1)x+(3n+1)\displaystyle f_n(x)=\frac{(3^n+1)x+(3^n-1)}{(3^n-1)x+(3^n+1)}。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) z=x+yiz=x+yi(x,y は実数x,y\text{ は実数})とおく。絶対値の両辺は非負なので、両辺を平方する変形は同値である。 ∣z+3i∣=2∣z∣と同値な式はx2+(y+3)2=4(x2+y2)と同値な式はx2+(y−1)2=4.\begin{aligned} |z+3i|=2|z| &\quad\text{と同値な式は}\quad x^2+(y+3)^2=4(x^2+y^2)\\ &\quad\text{と同値な式は}\quad x^2+(y-1)^2=4. \end{aligned} また、 ∣z−4i∣=∣z∣ と同値な式は x2+(y−4)2=x2+y2、すなわち y=2.|z-4i|=|z|\text{ と同値な式は }x^2+(y-4)^2=x^2+y^2\text{、すなわち }y=2. 共有点では y=2y=2 であるから、第一の式に代入して x2+1=4x^2+1=4、すなわち x=±3x=\pm\sqrt3 を得る。したがって、求める複素数は z=3+2i,z=−3+2iz=\sqrt3+2i,\qquad z=-\sqrt3+2i である。

(2) 各因子は正なので、対数の性質により log⁡an=1n∑k=1nlog⁡(1+kn).\displaystyle \log a_n=\frac1n\sum\limits _{k=1}^n\log\left(1+\frac{k}{n}\right). 右辺は 0≦x≦10\le x\le1 を nn 等分し、各小区間の右端での log⁡(1+x)\log(1+x) の値に幅 1/n1/n を掛けて足したものである。この関数は連続なので、区分求積法より lim⁡n→∞log⁡an=∫01log⁡(1+x) dx=[(1+x)log⁡(1+x)−(1+x)]01=2log⁡2−1.\displaystyle \begin{aligned} \lim\limits _{n\to\infty}\log a_n &=\int_0^1\log(1+x)\,dx\\ &=\left[(1+x)\log(1+x)-(1+x)\right]_0^1\\ &=2\log2-1. \end{aligned}

(3)(i) 定義に従って合成すると f2(x)=f(2x+1x+2)=2(2x+1)+(x+2)(2x+1)+2(x+2)=5x+44x+5,f3(x)=f(5x+44x+5)=2(5x+4)+(4x+5)(5x+4)+2(4x+5)=14x+1313x+14,f4(x)=f(14x+1313x+14)=2(14x+13)+(13x+14)(14x+13)+2(13x+14)=41x+4040x+41.\displaystyle \begin{aligned} f_2(x)&=f\left(\frac{2x+1}{x+2}\right) =\frac{2(2x+1)+(x+2)}{(2x+1)+2(x+2)} =\frac{5x+4}{4x+5},\\ f_3(x)&=f\left(\frac{5x+4}{4x+5}\right) =\frac{2(5x+4)+(4x+5)}{(5x+4)+2(4x+5)} =\frac{14x+13}{13x+14},\\ f_4(x)&=f\left(\frac{14x+13}{13x+14}\right) =\frac{2(14x+13)+(13x+14)}{(14x+13)+2(13x+14)} =\frac{41x+40}{40x+41}. \end{aligned}

(3)(ii) 以上から fn(x)=(3n+1)x+(3n−1)(3n−1)x+(3n+1)(*)\displaystyle f_n(x)=\frac{(3^n+1)x+(3^n-1)}{(3^n-1)x+(3^n+1)}\tag{*} と推測する。数学的帰納法で示す。n=1n=1 のとき、右辺は 4x+22x+4=2x+1x+2=f1(x)\displaystyle \frac{4x+2}{2x+4}=\frac{2x+1}{x+2}=f_1(x) となり、(*)は成り立つ。

n=mn=m で(*)が成り立つと仮定し、t=3mt=3^m とおく。 N=(t+1)x+(t−1),D=(t−1)x+(t+1)N=(t+1)x+(t-1),\qquad D=(t-1)x+(t+1) とすれば fm(x)=N/Df_m(x)=N/D である。x>0x>0 および t>1t>1 より N,D>0N,D>0 だから fm(x)>0f_m(x)>0 であり、f(fm(x))f(f_m(x)) は定義される。帰納法の仮定を用いると fm+1(x)=f(fm(x))=2N+DN+2D=(3t+1)x+(3t−1)(3t−1)x+(3t+1)=(3m+1+1)x+(3m+1−1)(3m+1−1)x+(3m+1+1).\displaystyle \begin{aligned} f_{m+1}(x)&=f(f_m(x))=\frac{2N+D}{N+2D}\\ &=\frac{(3t+1)x+(3t-1)}{(3t-1)x+(3t+1)}\\ &=\frac{(3^{m+1}+1)x+(3^{m+1}-1)}{(3^{m+1}-1)x+(3^{m+1}+1)}. \end{aligned} よって n=m+1n=m+1 でも(*)が成り立つ。以上から(*)はすべての自然数 nn について成り立つ。

この問題で使う考え方

  • 複素数の直交座標表示
  • 絶対値方程式の平方
  • 等分割リーマン和
  • 関数合成
  • 数学的帰納法

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