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長崎大学/2021年度/前期

長崎大学 2021年 数学 第9問解答・解説

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1問題

長崎大学2021年度第9問

自然数 nn に対して定まる複素数平面上の点 Pn(zn)P_n(z_n) があり,znz_n は以下の式を満たしている。zn+1=zn−22zn−1(n=1,2,3,…)\displaystyle z_{n+1}=\frac{z_n-2}{2z_n-1}\quad(n=1,2,3,\ldots) ただし,z1z_1 は ∣z1∣=1\lvert z_1\rvert=1 を満たすものとする。また,ii は虚数単位とする。以下の問いに答えよ。

(1) すべての nn に対して,∣zn∣=1\lvert z_n\rvert=1 であることを数学的帰納法を用いて証明せよ。

(2) zn+2z_{n+2} を znz_n で表せ。また,点 P1P_1 を定めたとき,線分 PnPn+1P_nP_{n+1} の長さは,すべての nn に対して一定であることを説明せよ。

(3) zn,zn+1z_n,z_{n+1} について,zn=x+yiz_n=x+yi(x,yx,y は実数),zn+1=X+Yiz_{n+1}=X+Yi(X,YX,Y は実数)とする。X<0X<0 かつ Y>0Y>0 となるような点 Pn(zn)P_n(z_n) の存在する範囲を複素数平面上に図示せよ。

(4) 複素数平面上の原点を OO とし,z1=a+bi (a>0,b>0)z_1=a+bi\ (a>0,b>0) とする。すべての nn に対して,△OPnPn+1\triangle OP_nP_{n+1} が直角三角形となるような a,ba,b の値を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) ∣zn∣=1 (n=1,2,…).|z_n|=1\space{}(n=1,2,\ldots).\quad (2) zn+2=zn, ∣PnPn+1∣=∣P1P2∣.z_{n+2}=z_n,\space{}|P_nP_{n+1}|=|P_1P_2|.\quad (3) x2+y2=1, x>45, y>0.\displaystyle x^2+y^2=1,\space{}x>\frac45,\space{}y>0.\quad (4) a=1+74, b=4−78.\displaystyle a=\frac{1+\sqrt7}{4},\space{}b=\sqrt{\frac{4-\sqrt7}{8}}.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) まず、|z_1|=1 である。|z_n|=1 と仮定すると z_n=1/2 ではないので 2z_n-1≠\ne0 であり、次の項が定まる。また、∣zn−2∣2=∣zn∣2−2(zn+zn‾)+4=5−4Re⁡zn,∣2zn−1∣2=4∣zn∣2−2(zn+zn‾)+1=5−4Re⁡zn.|z_n-2|^2=|z_n|^2-2(z_n+\overline{z_n})+4=5-4\operatorname{Re}z_n,\qquad |2z_n-1|^2=4|z_n|^2-2(z_n+\overline{z_n})+1=5-4\operatorname{Re}z_n. よって |z_{n+1}|=1 である。数学的帰納法により、すべての自然数 n について |z_n|=1 となる。

(2) 漸化式をもう一度用いると、zn+2=zn−22zn−1−22zn−22zn−1−1=−3zn/(2zn−1)−3/(2zn−1)=zn.\displaystyle z_{n+2}=\frac{\dfrac{z_n-2}{2z_n-1}-2}{2\dfrac{z_n-2}{2z_n-1}-1}=\frac{-3z_n/(2z_n-1)}{-3/(2z_n-1)}=z_n. したがって、数列は z_1,z_2,z_1,z_2,…\ldots と交互に並ぶ。連続する2点の組は P_1P_2 と P_2P_1 の繰り返しだから、線分 PnPn+1P_nP_{n+1} の長さは常に |z_1-z_2| で一定である。

(3) zn=x+yiz_n=x+yi とおくと x^2+y^2=1 である。分母を共役複素数で有理化し、x^2+y^2=1 を使うとzn+1=(x−2+yi)(2x−1−2yi)(2x−1)2+4y2=4−5x+3yi5−4x.\displaystyle z_{n+1}=\frac{(x-2+yi)(2x-1-2yi)}{(2x-1)^2+4y^2}=\frac{4-5x+3yi}{5-4x}. ここで 5-4x≧\ge1>0 だから、X=4−5x5−4x,Y=3y5−4x.\displaystyle X=\frac{4-5x}{5-4x},\qquad Y=\frac{3y}{5-4x}. よって X<0 かつ Y>0 は x>4/5 かつ y>0 と同値である。求める範囲は単位円上でこの条件を満たす部分、すなわち (4/5,3/5) と (1,0) を端点として含まない第1象限の弧である。

(4) (2) より各三角形の頂点は O,P_1,P_2 の組である。|z_1|=|z_2|=1 なので OP_1=OP_2=1 であり、非退化な三角形が直角三角形なら直角は O にある(P_1 または P_2 が直角なら、等しい長さ 1 の辺が斜辺と直角をはさむ辺になり、他の辺が 0 となって退化する)。(3) より z_2=X+Yi とするとX=4−5a5−4a,Y=3b5−4a.\displaystyle X=\frac{4-5a}{5-4a},\qquad Y=\frac{3b}{5-4a}. 直角が O にある条件は、二辺の内積が 0、すなわち aX+bY=0 である。a^2+b^2=X^2+Y^2=1 を用いると、これは |z_2-z_1|^2=2 とも同値である。代入してaX+bY=a(4−5a)+3b25−4a=3+4a−8a25−4a=0.\displaystyle aX+bY=\frac{a(4-5a)+3b^2}{5-4a}=\frac{3+4a-8a^2}{5-4a}=0. a>0 かつ a^2+b^2=1 より 5-4a>0 だから、8a^2-4a-3=0 を解いて a=(1+7\sqrt7)/4 を得る。さらにb=1−a2=4−78\displaystyle b=\sqrt{1-a^2}=\sqrt{\frac{4-\sqrt7}{8}} であり、正の条件を満たす。この値では aX+bY=0 となるため O が直角であり、P_1,P_2 は異なる点である。三角形は n によらずこの同じ2点を交互に結ぶので、すべての n について条件が成り立つ。

この問題で使う考え方

  • 数学的帰納法
  • 漸化式
  • 複素数平面
  • ベクトルの内積
  • 円の方程式
  • 複素数の四則演算
  • 座標による距離
  • 軌跡

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