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滋賀医科大学/2022年度/前期

滋賀医科大学 2022年 数学 第4問解答・解説

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1問題

滋賀医科大学2022年度第4問

(1) 3辺の長さが 1,a,b1,a,b である三角形が作れるとき,点 (a,b)(a,b) の存在する範囲を abab 平面上に図示せよ。   (2) 2辺の長さが a,ba,b である面積1の三角形が作れるとき,点 (a,b)(a,b) の存在する範囲を abab 平面上に図示せよ。   (3) xyxy 平面上の点 PP について,頂点 A(2,0)A(2,0),内接円が x2+y2=1x^{2}+y^{2}=1 である △ABC\triangle ABC を,PP が辺 BCBC 上にあるように作れるとき,点 PP の存在する範囲を図示せよ。ただし辺は両端を含む。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) a>0,b>0,a+b>1,∣a−b∣<1a>0,\quad b>0,\quad a+b>1,\quad |a-b|<1(境界を含まない)。(2) a>0,b>0,ab≧2a>0,\quad b>0,\quad ab\geq2(ab=2を含む)。(3) θ∈(2π3,4π3)\displaystyle \theta\in\left(\frac{2\pi}{3},\frac{4\pi}{3}\right)について、A=(2,0),u+=(−32,12),u−=(−32,−12),Bθ=A+1−2cos⁡θcos⁡(θ−5π/6)u+,Cθ=A+1−2cos⁡θcos⁡(θ−7π/6)u−\displaystyle A=(2,0),\quad \mathbf{u}_+=\left(-\frac{\sqrt3}{2},\frac12\right),\quad \mathbf{u}_-=\left(-\frac{\sqrt3}{2},-\frac12\right),\quad B_\theta=A+\frac{1-2\cos\theta}{\cos(\theta-5\pi/6)}\mathbf{u}_+,\quad C_\theta=A+\frac{1-2\cos\theta}{\cos(\theta-7\pi/6)}\mathbf{u}_-としたときの線分BθCθ全体(各線分の両端を含む)。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 三辺が三角形を作るための条件は、どの一辺も他の二辺の和より小さいことである。したがって1+a>b,1+b>a,a+b>1.1+a>b,\quad 1+b>a,\quad a+b>1.最初の二つは∣a−b∣<1|a-b|<1にまとめられる。また辺の長さなのでa>0,b>0a>0, b>0である。よって求める範囲は第一象限でa+b>1,∣a−b∣<1a+b>1, |a-b|<1を満たす部分であり、境界線は含まない。図ではa+b=1a+b=1より上で、b=a−1b=a-1とb=a+1b=a+1の間にある領域を第一象限内で取る。  (2) 二辺のなす角をCCとすると、三角形の面積は1=12absin⁡C,0<C<π.\displaystyle 1=\frac12 ab\sin C,\qquad 0<C<\pi.よって0<sin⁡C≦10<\sin C\le1からab≧2ab\ge2が必要である。逆にa,b>0a,b>0かつab≧2ab\ge2ならsin⁡C=2/(ab)\sin C=2/(ab)となる0<C<π0<C<\piが取れるので、長さa,ba,bの二辺がなす角をCCとする三角形を作れて、その面積は1である。等号ab=2ab=2のときはC=π/2C=\pi/2であり、境界も含む。したがって第一象限の双曲線ab=2ab=2上およびその上側が求める範囲である。  (3) 内接円の中心はO=(0,0)O=(0,0)、半径は1である。A=(2,0)A=(2,0)から円に引いた接線の接点をT=(u,v)T=(u,v)とすると、u2+v2=1u^2+v^2=1かつOT⊥ATOT\perp ATより(A−T)⋅T=0(A-T)\cdot T=0、したがって2u=12u=1である。よって接点は(1/2,3/2)(1/2,\sqrt3/2), (1/2,−3/2)(1/2,-\sqrt3/2)であり、固定される二辺の直線はAB:x+3y=2,AC:x−3y=2.AB: x+\sqrt3 y=2,\qquad AC: x-\sqrt3 y=2.頂点AAから円へ向かう単位方向ベクトルをu+=(−3/2,1/2)u_+=(-\sqrt3/2,1/2), u−=(−3/2,−1/2)u_-=(-\sqrt3/2,-1/2)とする。残る辺BCBCが円に接する点をQ=(cos⁡θ,sin⁡θ)Q=(\cos\theta,\sin\theta)とおけば、その接線はxcos⁡θ+ysin⁡θ=1.x\cos\theta+y\sin\theta=1.この直線とA+tu+A+t u_+, A+su−A+s u_-との交点は、それぞれt=1−2cos⁡θcos⁡(θ−5π/6),s=1−2cos⁡θcos⁡(θ−7π/6).\displaystyle t=\frac{1-2\cos\theta}{\cos(\theta-5\pi/6)},\qquad s=\frac{1-2\cos\theta}{\cos(\theta-7\pi/6)}.三角形が円を内接円として含むには、AAがBCBCと円の同じ側になければならず、2cos⁡θ<12\cos\theta<1である。またB,CB,CがAAから円へ向かう二つの半直線上にある条件はt>0,s>0t>0,s>0である。これらを合わせると2π/3<θ<4π/32\pi/3<\theta<4\pi/3となる。この範囲では分母と分子はいずれも正で有限なので、各θ\thetaに対し三角形が実際に作れる。したがって、図示する範囲はこの角度の接線分BθCθB_\theta C_\thetaをすべて動かしたときの掃過領域である。各線分の両端は含む。角度の端2π/3,4π/32\pi/3,4\pi/3では接線が固定辺と平行になり有限の三角形を作れないため、その端は含まない。

(3) の領域を不等式と図で明示する。s=∣y∣s=|y| とおくと、求める領域は x<0,s≦2−x3,x+3s>−2\displaystyle x<0,\qquad s\le\frac{2-x}{\sqrt3},\qquad x+\sqrt3s>-2 および次のいずれかを満たす点全体である。 {s<−3x,x2+s2≧1または{s≧−3x,−x+3s>2.\begin{cases}s<-\sqrt3x,\\x^2+s^2\ge1\end{cases} \quad\text{または}\quad \begin{cases}s\ge-\sqrt3x,\\-x+\sqrt3s>2.\end{cases} この表示の必要十分性を確かめる。A=(2,0)A=(2,0) から単位円に引いた2接線は x±3y=2x\pm\sqrt3y=2。従って PP はその間の角領域にあり、∣y∣≦(2−x)/3|y|\le(2-x)/\sqrt3 となる。 第3の接線を xcos⁡θ+ysin⁡θ=1x\cos\theta+y\sin\theta=1 と表すと、内接円をもつ非退化三角形となる条件は 2π/3<θ<4π/32\pi/3<\theta<4\pi/3。この角区間で F(θ)=xcos⁡θ+ysin⁡θF(\theta)=x\cos\theta+y\sin\theta が1になるかを調べればよい。 x≧0x\ge0 のとき、この角領域の点では F<1F<1 で不可能である。 x<0x<0 のとき、閉角区間での最小値は (−x−3s)/2(-x-\sqrt3s)/2 で端点のみに現れる。ゆえに1に達するにはこの値が1より小さいこと、すなわち x+3s>−2x+\sqrt3s>-2 が必要である。 最大値は、s<−3xs<-\sqrt3x なら内点で x2+s2\sqrt{x^2+s^2}、s≧−3xs\ge-\sqrt3x なら端点で (−x+3s)/2(-x+\sqrt3s)/2 である。前者は1以上、後者は端点を除くため1より大きいことが必要で、上記の場合分けを得る。連続性からこれらの条件は十分でもある。角領域内にあるこの接線上の点は線分 BCBC 上にある。

図の境界について、単位円の左側の弧 x<−1/2x<-1/2 は含むが、両端 (−1/2,±3/2)(-1/2,\pm\sqrt3/2) は含まない。2本の固定接線上では x<0x<0 の部分を含み、x=0x=0 の端点は含まない。斜線境界のうち x+3∣y∣=−2x+\sqrt3|y|=-2 の x≦−2x\le-2 の部分、および −x+3∣y∣=2-x+\sqrt3|y|=2 の −1/2≦x≦0-1/2\le x\le0 の部分は含まない。これらの直線の延長全体を除くという意味ではない。(1) の3本の直線境界も含まず、(2) の双曲線 ab=2ab=2 は含む。

青色が求める領域。表示枠を越える領域はそのまま続く。境界は本文の不等式を正本とする。

水色の領域を示す3図。(1)「境界は含まない」は横軸a・縦軸b(0〜5)で、破線の直線b=a+1、b=a−1と(0,1)・(1,0)を結ぶ破線a+b=1に挟まれた帯状の部分が塗られている。(2)「曲線ab=2を含む」は同じ軸で、実線の双曲線ab=2の右上側が塗られている。(3)「実線は含み,破線と白丸は除く」は横軸x(目盛−4、−2、0)・縦軸y(−4〜4)で、上下の斜めの実線(点(2,0)からの接線)の間のうち、(−2,0)を頂点とする左向きのV字形の破線の内側と、単位円の左側の実線の弧より内側を除いた部分が塗られ、弧の両端(−1/2, ±√3/2)から(0, ±2/√3)へ破線が延びる。白丸は(−2,0)、(−1/2, ±√3/2)、(0, ±2/√3)の5個である。

この問題で使う考え方

  • 三角不等式
  • 接線
  • 軌跡

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