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島根大学/2020年度/前期

島根大学 2020年 数学 第3問解答・解説

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1問題

島根大学2020年度第3問

1枚のコインを投げて,表が出た場合は得点1を,裏が出た場合は得点2を与える。コインを kk 回投げたときの得点の合計が nn である確率を p(k,n)p(k,n) とし,cn=∑k=1np(k,n)\displaystyle c_{n}=\sum\limits _{k=1}^{n}p(k,n) とおく。このとき,次の問いに答えよ。ただし,コインの表と裏の出る確率は等しいものとする。

(1) c2, c3c_{2},\ c_{3} を求めよ。

(2) p(k+1,n+2)p(k+1,n+2) を p(k,n+1)p(k,n+1) と p(k,n)p(k,n) を用いて表せ。

(3) cn+2c_{n+2} を cn+1c_{n+1} と cnc_{n} を用いて表せ。

(4) 漸化式cn+2−αcn+1=β(cn+1−αcn)(n=1,2,3,…)c_{n+2}-\alpha c_{n+1}=\beta(c_{n+1}-\alpha c_{n})\quad(n=1,2,3,\ldots)をみたす実数の組 (α,β)(\alpha,\beta) を2つ求めよ。

(5) 数列 {cn}\{c_{n}\} の一般項を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) c2=3/4\quad c_2=3/4\quad , c3=5/8\quad c_3=5/8\quad 。(2) p(k+1,n+2)={p(k,n+1)+p(k,n)}/2\quad p(k+1,n+2)=\{p(k,n+1)+p(k,n)\}/2\quad 。(3) cn+2=(cn+1+cn)/2\quad c_{n+2}=(c_{n+1}+c_n)/2\quad 。(4) (α,β)=(1,−1/2),(−1/2,1)\quad (\alpha,\beta)=(1,-1/2),(-1/2,1)\quad 。(5) cn=2/3−(1/6)(−1/2)n−1\quad c_n=2/3-(1/6)(-1/2)^{n-1}\quad 。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

確率変数の値を直接列挙して、まず初めの二つの和を求める。2回以内に合計2点となるのは「1回目に裏」または「2回とも表」であるから、 c2=p(1,2)+p(2,2)=12+14=34.\displaystyle c_2=p(1,2)+p(2,2)=\frac12+\frac14=\frac34. 合計3点となるのは2回で表裏が1回ずつ出る場合、または3回とも表の場合なので、 c3=p(1,3)+p(2,3)+p(3,3)=0+12+18=58.\displaystyle c_3=p(1,3)+p(2,3)+p(3,3)=0+\frac12+\frac18=\frac58.

(2) k+1k+1 回投げて合計 n+2n+2 点となる事象を最後の投げ方で分ける。最後が表なら、それ以前の kk 回の合計は n+1n+1 点であり、最後が裏なら合計は nn 点である。表裏はそれぞれ確率 12\displaystyle \frac12 なので、 p(k+1,n+2)=12p(k,n+1)+12p(k,n).\displaystyle p(k+1,n+2)=\frac12p(k,n+1)+\frac12p(k,n).

(3) n≧1n\ge1 とする。1回の投げで合計 n+2≧3n+2\ge3 点にはならないので p(1,n+2)=0p(1,n+2)=0。したがって、(2)を k=1,…,n+1k=1,\ldots,n+1 で足すと cn+2=∑k=1n+1p(k+1,n+2)=12∑k=1n+1p(k,n+1)+12∑k=1n+1p(k,n)=12cn+1+12cn.\displaystyle \begin{aligned} c_{n+2} &=\sum\limits _{k=1}^{n+1}p(k+1,n+2)\\ &=\frac12\sum\limits _{k=1}^{n+1}p(k,n+1) +\frac12\sum\limits _{k=1}^{n+1}p(k,n)\\ &=\frac12c_{n+1}+\frac12c_n. \end{aligned} ここで、第一の和は定義どおり cn+1c_{n+1} であり、第二の和では p(n+1,n)=0p(n+1,n)=0(n+1n+1 回の最小得点は n+1n+1 点)なので cnc_n に等しい。

(4) (3)を条件式の左辺に代入して整理すると (12−α−β)cn+1+(12+αβ)cn=0.\displaystyle \left(\frac12-\alpha-\beta\right)c_{n+1} +\left(\frac12+\alpha\beta\right)c_n=0. U=12−α−β\displaystyle U=\frac12-\alpha-\beta、V=12+αβ\displaystyle V=\frac12+\alpha\beta とおく。この等式がすべての n≧1n\ge1 で成り立つなら、n=1,2n=1,2 について c2U+c1V=0,c3U+c2V=0.c_2U+c_1V=0,\qquad c_3U+c_2V=0. 第1式を c2c_2 倍し、第2式を c1c_1 倍して引くと (c22−c1c3)U=0(c_2^2-c_1c_3)U=0。係数は c22−c1c3=916−516=14≠0\displaystyle c_2^2-c_1c_3=\frac{9}{16}-\frac{5}{16}=\frac14\ne0 なので U=0U=0。さらに c1=12\displaystyle c_1=\frac12 より V=0V=0。よって β=12−α,αβ=−12.\displaystyle \beta=\frac12-\alpha,\qquad \alpha\beta=-\frac12. これらから 2α2−α−1=02\alpha^2-\alpha-1=0、すなわち α=1\alpha=1 または α=−12\displaystyle \alpha=-\frac12。対応する β\beta を求めると (α,β)=(1,−12),(−12,1).\displaystyle (\alpha,\beta)=\left(1,-\frac12\right),\quad \left(-\frac12,1\right).

(5) dn=cn+1−cnd_n=c_{n+1}-c_n とおくと、(3)より dn+1=cn+2−cn+1=−12(cn+1−cn)=−12dn.\displaystyle d_{n+1}=c_{n+2}-c_{n+1} =-\frac12(c_{n+1}-c_n)=-\frac12d_n. また d1=c2−c1=14\displaystyle d_1=c_2-c_1=\frac14 なので dn=14(−12)n−1.\displaystyle d_n=\frac14\left(-\frac12\right)^{n-1}. したがって、等比数列の和を用いて cn=c1+∑j=1n−1dj=12+14∑j=0n−2(−12)j=12+16{1−(−12)n−1}=23−16(−12)n−1.\displaystyle \begin{aligned} c_n &=c_1+\sum\limits _{j=1}^{n-1}d_j\\ &=\frac12+\frac14\sum\limits _{j=0}^{n-2}\left(-\frac12\right)^j\\ &=\frac12+\frac16\left\{1-\left(-\frac12\right)^{n-1}\right\}\\ &=\boxed{\frac23-\frac16\left(-\frac12\right)^{n-1}}. \end{aligned}

最後の投げ方で確率の漸化式を立てて和を取り、初期値と差の等比関係を使う。係数条件は連続する二つの式を加減法で解くことにより必要十分に決まる。

この問題で使う考え方

  • 確率の和と場合分け
  • 最後の試行で分ける漸化式
  • 連立一次方程式による係数決定
  • 階差数列と等比数列

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