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徳島大学/2012年度/前期

徳島大学 2012年 数学 第3問解答・解説

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1問題

徳島大学2012年度第3問

2次の正方行列 AA で表される1次変換を ff とする。OO を原点とする座標平面上に、異なる2点 P(x1,y1),Q(x2,y2)P(x_{1},y_{1}), Q(x_{2},y_{2}) があって、次の2つの条件を満たす。

条件1:1次変換 ff により、点 PP は点 (−2x2,−2y2)(-2x_{2},-2y_{2}) に移る。

条件2:合成変換 f∘ff\circ f により、点 QQ は点 (4x1,4y1)(4x_{1},4y_{1}) に移る。

(1) 行列 A3A^{3} で表される1次変換により、点 PP は点 (−8x1,−8y1)(-8x_{1},-8y_{1}) に、点 QQ は点 (−8x2,−8y2)(-8x_{2},-8y_{2}) に移ることを示せ。

(2) 3点 O,P,QO,P,Q は同一直線上にないことを示し、x1y2−x2y1≠0x_{1}y_{2}-x_{2}y_{1}\neq0 を示せ。

(3) A3=−8EA^{3}=-8E を示せ。ただし、EE は2次の単位行列である。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)
    A3p=−8pA^3\mathbf p=-8\mathbf p、A3q=−8qA^3\mathbf q=-8\mathbf q。したがってP,Qはそれぞれ(−8x1,−8y1), (−8x2,−8y2)(-8x_1,-8y_1),\ (-8x_2,-8y_2)へ移る。
  • (2)
    O,P,Qは一直線上にない。したがってx1y2−x2y1≠0x_1y_2-x_2y_1\ne0。
  • (3)
    A3=−8EA^3=-8E。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

点P,Qの位置ベクトルをそれぞれ p=(x1,y1), q=(x2,y2)\mathbf p=(x_1,y_1),\ \mathbf q=(x_2,y_2) とする。条件より Ap=−2q, A2q=4pA\mathbf p=-2\mathbf q,\ A^2\mathbf q=4\mathbf p である。

(1) 線形性から A3p=A2(Ap)=A2(−2q)=−2(4p)=−8p,A3q=A(A2q)=A(4p)=4(−2q)=−8q.A^3\mathbf p=A^2(A\mathbf p)=A^2(-2\mathbf q)=-2(4\mathbf p)=-8\mathbf p, \qquad A^3\mathbf q=A(A^2\mathbf q)=A(4\mathbf p)=4(-2\mathbf q)=-8\mathbf q. よって、求める移り先はそれぞれ (−8x1,−8y1)(-8x_1,-8y_1)、(−8x2,−8y2)(-8x_2,-8y_2) である。

(2) まず p≠0\mathbf p\ne\mathbf0 である。もし p=0\mathbf p=\mathbf0 ならば Ap=−2qA\mathbf p=-2\mathbf q より q=0\mathbf q=\mathbf0 となり、PとQが同じ点になって矛盾する。同様に、q=0\mathbf q=\mathbf0 ならば A2q=4pA^2\mathbf q=4\mathbf p より p=0\mathbf p=\mathbf0 となるので、q≠0\mathbf q\ne\mathbf0 でもある。

O,P,Qが同一直線上にあると仮定する。p≠0\mathbf p\ne\mathbf0 なので、ある実数 tt を用いて q=tp\mathbf q=t\mathbf p と表せる。このとき Ap=−2tp,A2p=A(−2tp)=−2tAp=4t2p,A\mathbf p=-2t\mathbf p,\qquad A^2\mathbf p=A(-2t\mathbf p)=-2tA\mathbf p=4t^2\mathbf p, したがって 4p=A2q=tA2p=4t3p.4\mathbf p=A^2\mathbf q=tA^2\mathbf p=4t^3\mathbf p. p≠0\mathbf p\ne\mathbf0 より t3=1t^3=1。tt は実数だから t=1t=1 であり、q=p\mathbf q=\mathbf p、すなわちP=Qとなる。これは異なる2点という条件に反する。よってO,P,Qは同一直線上にない。

さらに x1y2−x2y1=0x_1y_2-x_2y_1=0 と仮定する。p≠0\mathbf p\ne\mathbf0 である。x1≠0x_1\ne0 ならば y2=(x2/x1)y1y_2=(x_2/x_1)y_1 なので q=(x2/x1)p\mathbf q=(x_2/x_1)\mathbf p となる。x1=0x_1=0 ならば y1≠0y_1\ne0 であり、仮定から −x2y1=0-x_2y_1=0、ゆえに x2=0x_2=0 だから q=(y2/y1)p\mathbf q=(y_2/y_1)\mathbf p となる。いずれの場合もO,P,Qが同一直線上にあることになり、先ほどの結論に反する。したがって x1y2−x2y1≠0x_1y_2-x_2y_1\ne0。

(3) D=x1y2−x2y1≠0D=x_1y_2-x_2y_1\ne0 とおく。任意の点の位置ベクトル r=(u,v)\mathbf r=(u,v) に対し、 α=uy2−vx2D,β=x1v−y1uD\displaystyle \alpha=\frac{uy_2-vx_2}{D},\qquad \beta=\frac{x_1v-y_1u}{D} とおけば、成分を計算して r=αp+βq\mathbf r=\alpha\mathbf p+\beta\mathbf q を得る。(1)と線形性より A3r=αA3p+βA3q=−8αp−8βq=−8r.A^3\mathbf r=\alpha A^3\mathbf p+\beta A^3\mathbf q =-8\alpha\mathbf p-8\beta\mathbf q=-8\mathbf r. よって A3A^3 は座標平面のすべての点を原点を中心に −8-8 倍する変換であり、その行列は −8E-8E である。

この問題で使う考え方

  • 位置ベクトルと一次変換の線形性
  • 一直線上を実数倍として矛盾を導く
  • 2次元行列式と一次独立性
  • 基底上の作用から線形変換を決める

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