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和歌山県立医科大学/2023年度/前期

和歌山県立医科大学 2023年 数学 第4問解答・解説

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1問題

和歌山県立医科大学2023年度第4問

zz を複素数とし,z,z2,z3z,z^{2},z^{3} が表す複素数平面上の点をそれぞれ A,B,CA,B,C とする。これらは互いに異なり,また AB=ACAB=AC であるとする。   (1) 上の条件をみたす zz 全体を考えたとき,AA はどのような図形を描くか。   (2) A,B,CA,B,C を結んだ図形が直角二等辺三角形になる zz を求めよ。   (3) A,B,CA,B,C を結んだ図形が正三角形になる zz を求め,そのときの三角形 ABCABC を図示せよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

複素数の差の絶対値で各辺の長さを表す。相異条件のもとでAB=ACを円の条件に直し、AB・AC・BCの比を|z|で表して直角二等辺三角形と正三角形の条件を処理する。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) Aの軌跡は中心 (-1,0)、半径 1 の円周(z=0z=0 を除く)\quad (2)z=−1±i\quad z=-1\pm i\quad (3)z=−12±32i\displaystyle \quad z=-\frac12\pm\frac{\sqrt3}{2}i\quad(例えば A=(−12,32), B=(−12,−32), C=(1,0)\displaystyle A=(-\frac12,\frac{\sqrt3}{2}),\space{}B=(-\frac12,-\frac{\sqrt3}{2}),\space{}C=(1,0))

4解答

解答を見る途中式つきの解答

z,z2,z3z,z^2,z^3 が互いに異なるので、zz は 0,10,1 のいずれでもなく、∣z∣∣1−z∣>0|z||1-z|>0 である。条件 AB=ACAB=AC は ∣z−z2∣=∣z−z3∣,∣z∣∣1−z∣=∣z∣∣1−z∣∣1+z∣|z-z^2|=|z-z^3|, \qquad |z||1-z|=|z||1-z||1+z| と書ける。共通の正の因子を約して ∣z+1∣=1|z+1|=1 を得る。   逆向きと除外点も確認する。三点のうち二点が一致する条件をそれぞれ書くと A=Bすなわちz(1−z)=0すなわちz=0,1,A=Cすなわちz(1−z2)=0すなわちz=0,1,−1,B=Cすなわちz2(1−z)=0すなわちz=0,1.\begin{aligned} A=B &\text{すなわち} z(1-z)=0\text{すなわち} z=0,1,\\ A=C &\text{すなわち} z(1-z^2)=0\text{すなわち} z=0,1,-1,\\ B=C &\text{すなわち} z^2(1-z)=0\text{すなわち} z=0,1. \end{aligned} よって三点が互いに異なるための条件は、zz が 0,1,−10,1,-1 のいずれでもないことである。この三つの値について ∣z+1∣|z+1| を調べると ∣0+1∣=1,∣1+1∣=2,∣−1+1∣=0|0+1|=1,\qquad |1+1|=2,\qquad |-1+1|=0 だから、円周 ∣z+1∣=1|z+1|=1 上にあるのは z=0z=0 だけである。したがって円周から原点を除いた各点では三点は互いに異なり、また z=0,1z=0,1 ではないので共通因子 ∣z∣∣1−z∣|z||1-z| を掛け戻せば AB=ACAB=AC となる。以上より、条件を満たす AA の軌跡は中心 (−1,0)(-1,0)、半径 11 の円周から原点を除いたものである。

(2) AB=ACAB=AC だから三角形 ABCABC は二等辺三角形である。直角が BB または CC にあると、底角が等しいことから両方が直角になってしまうので、直角は AA にある。各辺の長さを複素数の差で表すと AB=∣z∣∣1−z∣,AC=∣z∣∣1−z∣∣1+z∣,BC=∣z∣2∣1−z∣AB=|z||1-z|,\qquad AC=|z||1-z||1+z|,\qquad BC=|z|^2|1-z| である。したがって BC/AB=∣z∣BC/AB=|z| であり、直角二等辺三角形の三平方の定理から BC2=2AB2BC^2=2AB^2、よって ∣z∣=2|z|=\sqrt2 となる。   z=u+viz=u+vi(u,vu,v は実数)とおくと、∣z+1∣=1|z+1|=1 と ∣z∣=2|z|=\sqrt2 より (u+1)2+v2=1,u2+v2=2(u+1)^2+v^2=1,\qquad u^2+v^2=2 である。差をとると u=−1u=-1、したがって v=±1v=\pm1 である。求める値は z=−1±iz=-1\pm i である。例えば z=−1+iz=-1+i のとき z2=−2i,z3=2+2iz^2=-2i,z^3=2+2i であり三点は互いに異なる。共役な場合も同様で、いずれも上の条件を満たす。

(3) 正三角形であるためには、すでに等しい AB,ACAB,AC に加えて BC=ABBC=AB が必要十分である。辺の長さの式から BC/AB=∣z∣BC/AB=|z| なので、ここでは ∣z∣=1|z|=1 となる。これと ∣z+1∣=1|z+1|=1 から u2+v2=1,(u+1)2+v2=1u^2+v^2=1,\qquad (u+1)^2+v^2=1 を得る。差をとると u=−1/2u=-1/2、よって v=±3/2v=\pm\sqrt3/2 である。したがって z=−1/2±(3/2)iz=-1/2\pm(\sqrt3/2)i である。   z=−1/2+(3/2)iz=-1/2+(\sqrt3/2)i のとき A=(−12,32),B=(−12,−32),C=(1,0)\displaystyle A=\left(-\frac12,\frac{\sqrt3}{2}\right),\quad B=\left(-\frac12,-\frac{\sqrt3}{2}\right),\quad C=(1,0) となり、三辺の長さはいずれも 3\sqrt3 である。もう一方の zz では A,BA,B の位置が入れ替わる。例えば前者の場合の三角形は次のとおりである。

横軸Re z、縦軸Im z、原点Oの複素数平面に、灰色の破線で単位円|z|=1が描かれ、その円に内接する正三角形ABCが太い実線で描かれている。左上の頂点A(−1/2+(√3/2)i)と左下の頂点B(−1/2−(√3/2)i)が縦の辺で結ばれ、右の頂点C(1)は実軸上にあり、ラベルは実軸の下に置かれている。図の下に「z=−1/2+(√3/2)i の場合(z=−1/2−(√3/2)i のときは A と B が入れ替わる)」と注記されている。

この問題で使う考え方

  • 三角形の性質
  • 複素数平面

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