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広島大学/2018年度/前期

広島大学 2018年 数学 第2問解答・解説

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1問題

広島大学2018年度第2問

複素数平面上の4点 A(α),B(β),C(γ),D(δ)A(\alpha),B(\beta),C(\gamma),D(\delta) を頂点とする四角形 ABCDABCD を考える。ただし、四角形 ABCDABCD は、すべての内角が 180∘180^\circ より小さい四角形(凸四角形)であるとする。また、四角形 ABCDABCD の頂点は反時計回りに A,B,C,DA,B,C,D の順に並んでいるとする。四角形 ABCDABCD の外側に、4辺 AB,BC,CD,DAAB,BC,CD,DA をそれぞれ斜辺とする直角二等辺三角形 APB,BQC,CRD,DSAAPB,BQC,CRD,DSA を作る。次の問いに答えよ。

(1) 点 PP を表す複素数を求めよ。

(2) 四角形 PQRSPQRS が平行四辺形であるための必要十分条件は、四角形 ABCDABCD がどのような四角形であることか答えよ。

(3) 四角形 PQRSPQRS が平行四辺形であるならば、四角形 PQRSPQRS は正方形であることを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

各辺の外側の直角二等辺三角形の頂点を複素数で表し、対角線の中点条件で必要十分条件を導く。さらにABCDが平行四辺形のときの隣接辺PQとPSを比較し、90度回転の関係から正方形であることを示す。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)p=1+i2α+1−i2β,\displaystyle \quad p=\frac{1+i}{2}\alpha+\frac{1-i}{2}\beta,\qquad (2)ABCD\quad ABCD が平行四辺形であること,,\qquad (3)PQRS\quad PQRS は正方形である。

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1)  MをABの中点とする。ABCDは反時計回りなので、ABの外側は進行方向の右側である。直角二等辺三角形APBでは、MからPへの向きはAB→\overrightarrow{AB}を時計回りに90^∘\circ回転した向きであり、長さは|AB|/2である。したがって p−α+β2=−i2(β−α),p=1+i2α+1−i2β.\displaystyle p-\frac{\alpha+\beta}{2}=-\frac{i}{2}(\beta-\alpha), \qquad p=\frac{1+i}{2}\alpha+\frac{1-i}{2}\beta.

(2)  同じ理由を辺BC,CD,DAにも用いると q=1+i2β+1−i2γ,r=1+i2γ+1−i2δ,s=1+i2δ+1−i2α.\displaystyle q=\frac{1+i}{2}\beta+\frac{1-i}{2}\gamma,\quad r=\frac{1+i}{2}\gamma+\frac{1-i}{2}\delta,\quad s=\frac{1+i}{2}\delta+\frac{1-i}{2}\alpha. 平行四辺形PQRSでは対角線PR,QSが互いに中点で交わるので、p+r=q+sである。上式から p+r−q−s=(1+i)(α+γ)+(1−i)(β+δ)−(1+i)(β+δ)−(1−i)(α+γ)2=i(α+γ−β−δ).\displaystyle p+r-q-s =\frac{(1+i)(\alpha+\gamma)+(1-i)(\beta+\delta) -(1+i)(\beta+\delta)-(1-i)(\alpha+\gamma)}{2} =i(\alpha+\gamma-\beta-\delta). よってPQRSが平行四辺形ならα\alpha+γ\gamma=β\beta+δ\deltaであり、ABCDの対角線AC,BDは互いに中点で交わる。したがってABCDは平行四辺形である。

逆にABCDが平行四辺形ならα\alpha+γ\gamma=β\beta+δ\deltaである。このとき u=β−α,v=δ−α,γ=α+u+vu=\beta-\alpha,\quad v=\delta-\alpha,\quad \gamma=\alpha+u+v とおくと、 p=α+1−i2u,q=α+u+1−i2v,r=α+1+i2u+v,s=α+1+i2v.\displaystyle p=\alpha+\frac{1-i}{2}u,\quad q=\alpha+u+\frac{1-i}{2}v,\quad r=\alpha+\frac{1+i}{2}u+v,\quad s=\alpha+\frac{1+i}{2}v. したがって PQ→=q−p=1+i2u+1−i2v,PS→=s−p=−1−i2u+1+i2v=i PQ→.\displaystyle \overrightarrow{PQ}=q-p=\frac{1+i}{2}u+\frac{1-i}{2}v,\qquad \overrightarrow{PS}=s-p=-\frac{1-i}{2}u+\frac{1+i}{2}v =i\,\overrightarrow{PQ}. またα\alpha+γ\gamma=β\beta+δ\deltaよりp+r=q+sなので、QR→\overrightarrow{QR}=r-q=s-p=PS→\overrightarrow{PS}である。ここでPQ→\overrightarrow{PQ}≠\ne0である。実際、PQ→\overrightarrow{PQ}=0なら上式からv=-iuとなるが、凸で反時計回りのABCDではDは有向直線ABの左側にあるため Im⁡(u‾v)>0\operatorname{Im}(\overline{u}v)>0 である。一方、v=-iuならIm⁡\operatorname{Im}(u‾\overline{u}v)=-|u|^2<0となり矛盾する。したがってPQとPSは、長さが等しく互いに垂直な隣り合う辺であり、PQRSは正方形である。よってABCDが平行四辺形ならPQRSは平行四辺形でもある。以上から(2)の必要十分条件が得られる。

(3)  PQRSが平行四辺形なら(2)よりABCDは平行四辺形である。上の計算でPQRSは正方形となることを示したので、求める結論を得る。

この問題で使う考え方

  • 命題と必要十分条件
  • 三角形の性質
  • ベクトルの和・差・実数倍
  • ベクトルによる図形の考察
  • 複素数平面

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