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山形大学/2012年度

山形大学 2012年 数学 第4問解答・解説

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1問題

山形大学2012年度第4問

2 次正方行列

A=(1+332−35321−332),B=(1121)\displaystyle A = \left( \begin{array}{c c} {\frac {1 + 3 \sqrt {3}}{2}} & {- \sqrt {3}} \\ {\frac {5 \sqrt {3}}{2}} & {\frac {1 - 3 \sqrt {3}}{2}} \end{array} \right), \quad B = \left( \begin{array}{c c} {1} & {1} \\ {2} & {1} \end{array} \right)

について,次の問に答えよ。

(1) A, B は逆行列をもつことを示し, A−1A^{-1} , B−1B^{-1} を求めよ.

(2) B−1A−1B,(B−1A−1B)3B^{-1}A^{-1}B,\quad(B^{-1}A^{-1}B)^{3} を求めよ.

(3) A7BX=BA^{7}BX = B をみたす 2 次正方行列 X を求めよ.

(4) (3) の行列 X について

E+X5+X10+X15+X20+X25=OE + X ^ {5} + X ^ {1 0} + X ^ {1 5} + X ^ {2 0} + X ^ {2 5} = O

が成り立つことを示せ.ただし E は 2 次の単位行列,O は零行列とする.

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)A−1=(1−3323−5321+332),B−1=(−112−1).\displaystyle \quad A^{-1}=\begin{pmatrix}\dfrac{1-3\sqrt3}{2}&\sqrt3\\-\dfrac{5\sqrt3}{2}&\dfrac{1+3\sqrt3}{2}\end{pmatrix},\quad B^{-1}=\begin{pmatrix}-1&1\\2&-1\end{pmatrix}.

    (2)C=B−1A−1B=(12−323212),C3=−E.\displaystyle \quad C=B^{-1}A^{-1}B=\begin{pmatrix}\dfrac12&-\dfrac{\sqrt3}{2}\\\dfrac{\sqrt3}{2}&\dfrac12\end{pmatrix},\quad C^3=-E.

    (3)X=C=(12−323212).\displaystyle \quad X=C=\begin{pmatrix}\dfrac12&-\dfrac{\sqrt3}{2}\\\dfrac{\sqrt3}{2}&\dfrac12\end{pmatrix}.

    (4)E+X5+X10+X15+X20+X25=O.\quad E+X^5+X^{10}+X^{15}+X^{20}+X^{25}=O.

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 逆行列の候補として P=(1−3323−5321+332),Q=(−112−1)\displaystyle P=\begin{pmatrix}\dfrac{1-3\sqrt3}{2}&\sqrt3\\-\dfrac{5\sqrt3}{2}&\dfrac{1+3\sqrt3}{2}\end{pmatrix},\qquad Q=\begin{pmatrix}-1&1\\2&-1\end{pmatrix} を置く。各成分を掛け合わせると AP=PA=(1001),BQ=QB=(1001).AP=PA=\begin{pmatrix}1&0\\0&1\end{pmatrix},\qquad BQ=QB=\begin{pmatrix}1&0\\0&1\end{pmatrix}. したがって逆行列の定義により A−1=PA^{-1}=P、B−1=QB^{-1}=Q である。例えば APAP の対角成分は 1−274+152=1\displaystyle \frac{1-27}{4}+\frac{15}{2}=1、非対角成分は同じ項の差となって 00 である。PAPA および B,QB,Q の積も同様に成分計算で上の単位行列になる。

(2) まず A−1B=(1+321−322+321−232).\displaystyle A^{-1}B= \begin{pmatrix} \dfrac{1+\sqrt3}{2}&\dfrac{1-\sqrt3}{2}\\[2pt] \dfrac{2+\sqrt3}{2}&\dfrac{1-2\sqrt3}{2} \end{pmatrix}. これに B−1B^{-1} を左から掛け、各成分を計算すると C:=B−1A−1B=(12−323212).\displaystyle C:=B^{-1}A^{-1}B =\begin{pmatrix}\dfrac12&-\dfrac{\sqrt3}{2}\\[2pt]\dfrac{\sqrt3}{2}&\dfrac12\end{pmatrix}. さらに同じ成分積を繰り返して C2=(−12−3232−12),C3=C2C=(−100−1)=−E.\displaystyle C^2=\begin{pmatrix}-\dfrac12&-\dfrac{\sqrt3}{2}\\[2pt]\dfrac{\sqrt3}{2}&-\dfrac12\end{pmatrix},\qquad C^3=C^2C=\begin{pmatrix}-1&0\\0&-1\end{pmatrix}=-E.

(3) AA と BB は逆行列をもつので、A7BA^7B も逆行列をもち、与式の解は一意である。両辺に左から B−1A−7B^{-1}A^{-7} を掛けると X=B−1A−7B=(B−1A−1B)7=C7.X=B^{-1}A^{-7}B=(B^{-1}A^{-1}B)^7=C^7. ここで積を繰り返し、途中の BB−1=EB B^{-1}=E を消去すると相似な行列の積が順にまとまり、上式を得る。C3=−EC^3=-E だから C6=EC^6=E、よって C7=CC^7=C である。したがって X=(12−323212).\displaystyle X=\begin{pmatrix}\dfrac12&-\dfrac{\sqrt3}{2}\\[2pt]\dfrac{\sqrt3}{2}&\dfrac12\end{pmatrix}.

(4) (2)の成分計算から X2=X−EX^2=X-E が分かる。これを順に掛けると X3=−E,X4=−X,X5=−X2,X6=E.X^3=-E,\qquad X^4=-X,\qquad X^5=-X^2,\qquad X^6=E. よって指定された指数を6で割った余りに直せば E+X5+X10+X15+X20+X25=E−X2−X−E+X2+X=O.\begin{aligned} E+X^5+X^{10}+X^{15}+X^{20}+X^{25} &=E-X^2-X-E+X^2+X\\ &=O. \end{aligned}

この問題で使う考え方

  • 2次行列の成分による積
  • 逆行列の定義と成分計算
  • 行列の累乗を繰り返し計算
  • 指数の周期整理

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