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広島大学/2012年度/前期

広島大学 2012年 数学 第1問解答・解説

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1問題

広島大学2012年度第1問

行列 A=(abcd)A=\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix} の表す1次変換によって、2点 P(1,1),Q(2,2)P(1,1),Q(2,2) は連立不等式 1≦x≦2, 1≦y≦21\leq x\leq2,\ 1\leq y\leq2 の表す領域内の点 P′,Q′P',Q' にそれぞれ移されるものとする。ただし、a,b,c,da,b,c,d は正の実数で a>ca>c を満たすとする。次の問いに答えよ。

(1) a+b=1a+b=1 および c+d=1c+d=1 が成り立つことを証明せよ。

(2) 4点 O(0,0),R(a,c),S(a+b,c+d),T(b,d)O(0,0),R(a,c),S(a+b,c+d),T(b,d) を頂点とする平行四辺形 ORSTORST の面積を pp とするとき、次の式が成り立つことを証明せよ。 A(b−c)=p(b−c)A\begin{pmatrix}b\\-c\end{pmatrix}=p\begin{pmatrix}b\\-c\end{pmatrix}

(3) 自然数 nn に対して、an,bn,cn,dna_n,b_n,c_n,d_n を (anbncndn)=An(1b1−c)\begin{pmatrix}a_n&b_n\\c_n&d_n\end{pmatrix}=A^n\begin{pmatrix}1&b\\1&-c\end{pmatrix} で定める。このとき an,bn,cn,dna_n,b_n,c_n,d_n を b,c,nb,c,n および (2) の pp を用いて表せ。

(4) A3=127(14131314)\displaystyle A^3=\frac{1}{27}\begin{pmatrix}14&13\\13&14\end{pmatrix} となるように AA を定めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)a+b=1,c+d=1.(2)p=a−candA(b,−c)T=p(b,−c)T.(3)an=cn=1,bn=bpn,dn=−cpn.(4)A=(1/3)[[2,1],[1,2]].(1) a+b=1, c+d=1. (2) p=a-c and A(b,-c)^T=p(b,-c)^T. (3) a_n=c_n=1, b_n=bp^n, d_n=-cp^n. (4) A=(1/3)[[2,1],[1,2]].

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) P′=(a+b,c+d)P'=(a+b,c+d)、Q′=2P′Q'=2P' である。両点の各座標が1以上2以下なので、1≦a+b≦21\le a+b\le2 と 1≦2(a+b)≦21\le2(a+b)\le2 より a+b=1a+b=1。同様に c+d=1c+d=1 である。

(2) (1)より b=1−a, d=1−cb=1-a,\ d=1-c である。面積は p=∣ad−bc∣=a−c>0p=|ad-bc|=a-c>0 であり、行列の積を計算すると問題文の等式を得る。

(3) u=(1,1)Tu=(1,1)^T、v=(b,−c)Tv=(b,-c)^T とおく。det⁡[u v]=−(b+c)≠0\det[u\ v]=-(b+c)\ne0 なので、これらは平行でない。直接計算すると Au=u, Av=pvAu=u,\ Av=pv であり、繰り返し掛けると An[u v]=[u pnv]A^n[u\ v]=[u\ p^n v] を得る。

(4) B=A3=127(14131314)\displaystyle B=A^3=\frac1{27}\begin{pmatrix}14&13\\13&14\end{pmatrix} とおく。Bv=p3vBv=p^3v の成分を比較すると (14−27p3)b=13c(14-27p^3)b=13c、(14−27p3)c=13b(14-27p^3)c=13b である。λ=14−27p3\lambda=14-27p^3 とおくと、b,c>0b,c>0 より λ>0\lambda>0。2式を掛けると λ2bc=169bc\lambda^2bc=169bc だから λ=13\lambda=13 であり、b=cb=c、p3=1/27p^3=1/27 を得る。したがって p=1/3p=1/3。b=1−a, p=a−c, d=1−cb=1-a,\ p=a-c,\ d=1-c より a=d=2/3a=d=2/3、b=c=1/3b=c=1/3 である。以上は行列の積と二つの成分の等式を用いた計算である。

この問題で使う考え方

  • 連立不等式
  • 行列の固有ベクトル
  • 行列の累乗

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