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山形大学/2013年度

山形大学 2013年 数学 第4問解答・解説

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1問題

山形大学2013年度第4問

自然数 n に対し, 座標平面上の点 (n,1)(n, 1) を PnP_{n} とする. また, r を正の実数とする. このとき, 次の問に答えよ.

(1) 1 次変換 f は, すべての n に対して f(Pn)=Pn+1f(P_{n}) = P_{n+1} を満たすとする. f を表す行列 A を求めよ.

(2) 1 次変換 g は, 点 (1, 1) を点 (−2r,1)(-2r, 1) に, 点 (−2r,1)(-2r, 1) を点 (2r2−r,1)(2r^{2}-r, 1) に移すとする. g を表す行列 B を求めよ.

(3) C=ABA−1C = ABA^{-1} とする.行列 CnC^{n} を推定し,それが正しいことを数学的帰納法によって示せ.

(4) 行列 CnC^{n} で表される 1 次変換による点 (1,r)(1, r) の像の x 座標を xnx_{n} とする. r < 1 のとき, lim⁡n→∞xn\displaystyle \lim\limits _{n \to \infty} x_{n} を求めよ.

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

一次変換の像から行列を決め、C の冪を等比和の形で予想して帰納法で証明し、像の座標の極限を求める。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)  A=(1101).(2)  B=(−r−r01).(3)  C=ABA−1=(−r101),Cn=((−r)n1−(−r)n1+r01).(4)  xn=(−r)n+r1+r,lim⁡n→∞xn=r1+r(0<r<1).\displaystyle \begin{aligned} (1)\;&A=\begin{pmatrix}1&1\\0&1\end{pmatrix}.\\ (2)\;&B=\begin{pmatrix}-r&-r\\0&1\end{pmatrix}.\\ (3)\;&C=ABA^{-1}=\begin{pmatrix}-r&1\\0&1\end{pmatrix},\quad C^n=\begin{pmatrix}(-r)^n&\dfrac{1-(-r)^n}{1+r}\\0&1\end{pmatrix}.\\ (4)\;&x_n=\dfrac{(-r)^n+r}{1+r},\quad \displaystyle\lim\limits _{n\to\infty}x_n=\frac{r}{1+r}\quad(0<r<1). \end{aligned}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

列ベクトルを用いて各一次変換を表す。

(1) A=(abcd)A=\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix} とおくと、すべての自然数 nn について A(n1)=(n+11)A\begin{pmatrix}n\\1\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}n+1\\1\end{pmatrix} だから、an+b=n+1an+b=n+1 および cn+d=1cn+d=1 がすべての nn で成り立つ。よって a=b=d=1,c=0a=b=d=1,c=0 であり、 A=(1101).A=\begin{pmatrix}1&1\\0&1\end{pmatrix}.

(2) B=(pqsu)B=\begin{pmatrix}p&q\\s&u\end{pmatrix} とおく。条件より p+q=−2r,−2rp+q=2r2−r,s+u=1,−2rs+u=1.p+q=-2r,\quad -2rp+q=2r^2-r,\quad s+u=1,\quad -2rs+u=1. 最初の二式の差から −(2r+1)p=r(2r+1)-(2r+1)p=r(2r+1)、したがって p=−r,q=−rp=-r,q=-r を得る。後二式の差から −(2r+1)s=0-(2r+1)s=0 であり、r>0r>0 より s=0,u=1s=0,u=1 である。ゆえに B=(−r−r01).B=\begin{pmatrix}-r&-r\\0&1\end{pmatrix}.

(3) A−1=(1−101)A^{-1}=\begin{pmatrix}1&-1\\0&1\end{pmatrix} なので、 C=ABA−1=(−r1−r01)(1−101)=(−r101).C=ABA^{-1}=\begin{pmatrix}-r&1-r\\0&1\end{pmatrix}\begin{pmatrix}1&-1\\0&1\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}-r&1\\0&1\end{pmatrix}. ここで q=−rq=-r とおくと C=(q101)C=\begin{pmatrix}q&1\\0&1\end{pmatrix} である。次の式を予想する。 Cn=(qn1−qn1−q01)=((−r)n1−(−r)n1+r01).\displaystyle C^n=\begin{pmatrix}q^n&\dfrac{1-q^n}{1-q}\\0&1\end{pmatrix} =\begin{pmatrix}(-r)^n&\dfrac{1-(-r)^n}{1+r}\\0&1\end{pmatrix}. n=1n=1 のとき右辺は CC に一致する。nn で成り立つと仮定すると、 Cn+1=CnC=(qn+1qn+1−qn1−q01)=(qn+11−qn+11−q01).\displaystyle C^{n+1}=C^nC =\begin{pmatrix}q^{n+1}&q^n+\dfrac{1-q^n}{1-q}\\0&1\end{pmatrix} =\begin{pmatrix}q^{n+1}&\dfrac{1-q^{n+1}}{1-q}\\0&1\end{pmatrix}. 最後の等号は qn+(1−qn)/(1−q)=(1−qn+1)/(1−q)q^n+(1-q^n)/(1-q)=(1-q^{n+1})/(1-q) による。したがって数学的帰納法により、すべての自然数 nn で予想式が成り立つ。

(4) この行列を (1,r)T(1,r)^T に作用させると、像の xx 座標は xn=(−r)n+r{1−(−r)n}1+r=(−r)n+r1+r.\displaystyle x_n=(-r)^n+\frac{r\{1-(-r)^n\}}{1+r}=\frac{(-r)^n+r}{1+r}. 0<r<10<r<1 だから (−r)n→0(-r)^n\to0 であり、 lim⁡n→∞xn=r1+r.\displaystyle \lim\limits _{n\to\infty}x_n=\frac{r}{1+r}.

この問題で使う考え方

  • 行列を用いた表現
  • 数学的帰納法
  • 等比数列の一般項と和
  • 数列の極限

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