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山口大学/2014年度/前期

山口大学 2014年 数学 第1問解答・解説

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1問題

山口大学2014年度第1問配点 50点

a,ba,b を実数とする。行列 A=(abba)A=\begin{pmatrix}a&b\\b&a\end{pmatrix} について、次の問いに答えなさい。

(1) すべての自然数 nn に対して、An=(anbnbnan)A^{n}=\begin{pmatrix}a_{n}&b_{n}\\b_{n}&a_{n}\end{pmatrix} となる実数 an,bna_{n},b_{n} があることを数学的帰納法で示し、an,bna_{n},b_{n} を用いて an+1,bn+1a_{n+1},b_{n+1} を表しなさい。

(2) cn=an+bn,dn=an−bnc_{n}=a_{n}+b_{n},\quad d_{n}=a_{n}-b_{n} とおく。数列 {cn}\{c_{n}\} の漸化式と数列 {dn}\{d_{n}\} の漸化式をそれぞれ求め、a,b,na,b,n を用いて cn,dnc_{n},d_{n} を表しなさい。

(3) a,b,na,b,n を用いて an,bna_{n},b_{n} を表しなさい。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) 数学的帰納法により、すべての自然数 n について An=[[an,bn],[bn,an]]A^n=[[a_n,b_n],[b_n,a_n]] と書ける。成分は an+1=aan+bbn,bn+1=ban+abna_{n+1}=a a_n+b b_n, b_{n+1}=b a_n+a b_n。(2)cn+1=(a+b)cn,c1=a+b(2) c_{n+1}=(a+b)c_n, c_1=a+b より cn=(a+b)nc_n=(a+b)^n。dn+1=(a−b)dn,d1=a−bd_{n+1}=(a-b)d_n, d_1=a-b より dn=(a−b)nd_n=(a-b)^n。(3)an=((a+b)n+(a−b)n)/2,bn=((a+b)n−(a−b)n)/2(3) a_n=((a+b)^n+(a-b)^n)/2, b_n=((a+b)^n-(a-b)^n)/2(n>=1n>=1)。自然数に0を含める場合は a0=1,b0=0,c0=d0=1a_0=1,b_0=0,c_0=d_0=1。

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) n=1n=1 では A1=A=A^1=A=(abba)\begin{pmatrix}a&b\\b&a\end{pmatrix} であるから、a1=a,b1=ba_1=a,\quad b_1=b とおけばよい。

ある自然数 n\text{自然数 }n について An=A^n=(anbnbnan)\begin{pmatrix}a_n&b_n\\b_n&a_n\end{pmatrix} と仮定する。このとき

An+1=AnA=A^{n+1}=A^nA=(anbnbnan)\begin{pmatrix}a_n&b_n\\b_n&a_n\end{pmatrix}(abba)\begin{pmatrix}a&b\\b&a\end{pmatrix}=(aan+bbnban+abnban+abnaan+bbn)\begin{pmatrix}aa_n+bb_n&ba_n+ab_n\\ba_n+ab_n&aa_n+bb_n\end{pmatrix}.

an+1=aan+bbn,bn+1=ban+abna_{n+1}=aa_n+bb_n,\qquad b_{n+1}=ba_n+ab_n とおけば、an+1,bn+1a_{n+1},b_{n+1} は実数であり、An+1=A^{n+1}=(an+1bn+1bn+1an+1)\begin{pmatrix}a_{n+1}&b_{n+1}\\b_{n+1}&a_{n+1}\end{pmatrix} となる。よって数学的帰納法により、すべての自然数 n\text{自然数 }n について所定の形に表せる。

(自然数に 0 を含める場合は、補助的に A0=I,a0=1,b0=0A^0=I,\quad a_0=1,\quad b_0=0 とすればよい。)

(2) 上の漸化式から

cn+1=an+1+bn+1=(a+b)(an+bn)=(a+b)cn,c1=a+bc_{n+1}=a_{n+1}+b_{n+1}=(a+b)(a_n+b_n)=(a+b)c_n,\qquad c_1=a+b,

dn+1=an+1−bn+1=(a−b)(an−bn)=(a−b)dn,d1=a−bd_{n+1}=a_{n+1}-b_{n+1}=(a-b)(a_n-b_n)=(a-b)d_n,\qquad d_1=a-b.

したがって、n≧1n\ge1 について

cn=(a+b)n,dn=(a−b)nc_n=(a+b)^n,\qquad d_n=(a-b)^n.

自然数に 0 を含める場合には c0=d0=1c_0=d_0=1 である。

(3) an+bn=cn,an−bn=dna_n+b_n=c_n,\quad a_n-b_n=d_n の和と差をとると、n≧1n\ge1 について

an=cn+dn2=(a+b)n+(a−b)n2,bn=cn−dn2=(a+b)n−(a−b)n2\displaystyle a_n=\frac{c_n+d_n}{2}=\frac{(a+b)^n+(a-b)^n}{2},\qquad b_n=\frac{c_n-d_n}{2}=\frac{(a+b)^n-(a-b)^n}{2}.

自然数に 0 を含める場合は a0=1,b0=0a_0=1,\quad b_0=0 である。

この問題で使う考え方

  • 数学的帰納法
  • 漸化式
  • 行列を用いた表現

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