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千葉大学/2018年度

千葉大学 2018年 数学 第11問解答・解説

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1問題

千葉大学2018年度第11問

nを3以上の自然数として、n枚のカードC₁,C₂,…,Cₙ₋₁,Cₙがある。初めにこれらのカードを下からCₙ,Cₙ₋₁,…,C₂,C₁の順番に積み上げておく。いちばん上にあるカードがC₁で、いちばん下がCₙである。積み上げられたカードに対して以下の試行を繰り返す。いちばん上にあるカードを取ってそれを残りのいずれかのカードの下に入れるか、またはいちばん上に戻す。どの位置におくかの確率はすべて等しいものとする。 k=1,2,…について、k回の試行の後にカードC₁が上から数えてℓ番目にある確率をP(k,ℓ) (ℓ=1,2,…,n)で表し、またk回の試行の後にカードC₂が上から数えてℓ番目にある確率をQ(k,ℓ)で表す。例えばP(1,ℓ)はℓによらず1/nに等しい。以下の問いに答えよ。

(1) P(2,ℓ)を求めよ。

(2) P(k,ℓ)を求めよ。

(3) Q(k,ℓ)を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

追跡対象カードの位置の変化を数え、C2については最初に位置1へ来る時点で場合分けする。

3解答

解答を見る答えはこの解答の中にあります

問題のカードの位置だけに注目し、位置を上から数えた番号で表す。対象カードが位置 r>1r>1 にあるとき、先頭の別のカードを取り除くと対象カードは位置 r−1r-1 になる。そのカードを対象カードより上に入れる r−1r-1 通りでは対象カードは位置 rr に戻り、下に入れる n−r+1n-r+1 通りでは位置 r−1r-1 にとどまる。対象カードが位置1にあるときは、そのカード自身を移すので、移動後の位置は1から (n) まで等確率である。

C1C_1 は初め位置1にあるため、1回後の位置は各々確率 1/n1/n である。この一様分布が次の試行後にも保たれることを確かめる。位置1に来る確率は、直前に位置1または位置2にある場合を合わせて 1n⋅1n+1n⋅n−1n=1n.\displaystyle \frac1n\cdot\frac1n+\frac1n\cdot\frac{n-1}{n}=\frac1n. 位置 ℓ\ell(2≦ℓ≦n2\le\ell\le n)に来る確率は、直前に位置1、位置 ℓ\ell、位置 ℓ+1\ell+1 にある場合を合わせて 1n(1n+ℓ−1n+n−ℓn)=1n,\displaystyle \frac1n\left(\frac1n+\frac{\ell-1}{n}+\frac{n-\ell}{n}\right)=\frac1n, ただし ℓ=n\ell=n では最後の項は0である。したがって一様分布は各試行で保たれる。よって P(2,ℓ)=1n,P(k,ℓ)=1n(k≧1).\displaystyle P(2,\ell)=\frac1n,\qquad P(k,\ell)=\frac1n\quad(k\ge1).

次に C2C_2 を考える。初め位置2にあり、位置2にいる間は、次の試行で確率 1/n1/n で位置2にとどまり、確率 (n−1)/n(n-1)/n で位置1に移る。位置1に移った次の試行で C2C_2 自身が移され、その後の位置は一様となり、以後もその分布が保たれる。

kk 回後にまだ位置2にとどまる確率は n−kn^{-k}、ちょうど kk 回目に初めて位置1へ移る確率は (n−1)n−k(n-1)n^{-k} である。また、k−1k-1 回目以前に位置1へ移り、その次の試行で一様分布になった確率は ∑s=1k−1n−1ns=1−n−(k−1).\displaystyle \sum\limits _{s=1}^{k-1}\frac{n-1}{n^s}=1-n^{-(k-1)}. したがって Q(k,ℓ)=1−n−(k−1)n+n−k1{ℓ=2}+(n−1)n−k1{ℓ=1}(k≧1).\displaystyle Q(k,\ell)=\frac{1-n^{-(k-1)}}n+n^{-k}\mathbf 1_{\{\ell=2\}}+(n-1)n^{-k}\mathbf 1_{\{\ell=1\}}\quad(k\ge1). これを ℓ\ell ごとに整理すると Q(k,ℓ)={1n+n−2nk(ℓ=1),1n(ℓ=2),1n−1nk(3≦ℓ≦n).(k≧1).\displaystyle Q(k,\ell)=\begin{cases} \dfrac1n+\dfrac{n-2}{n^k}&(\ell=1),\\[2pt] \dfrac1n&(\ell=2),\\[2pt] \dfrac1n-\dfrac1{n^k}&(3\le\ell\le n). \end{cases} \quad(k\ge1).

この問題で使う考え方

  • 確率の基本法則
  • 条件付き確率
  • 等比数列の一般項と和

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