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愛媛大学/2009年度/前期

愛媛大学 2009年 数学 第7問解答・解説

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1問題

愛媛大学2009年度第7問

θ\theta を実数とし,xyxy 平面上で,まず直線 y=xy=x に関する対称移動を行い,その後原点のまわりの回転角 θ\theta の回転移動を行う。この移動の合成を表す行列を A(θ)A(\theta) とする。

(1) 直線 y=xy=x に関する対称移動,および原点のまわりの回転角 θ\theta の回転移動を表す行列をそれぞれ書け。ただし,答えのみでよい。

(2) A(θ)A(\theta) を求めよ。

(3) 実数 α,β\alpha,\beta に対して,行列の積 A(α)A(β)A(\alpha)A(\beta) は原点のまわりの回転移動を表す行列であることを示し,回転角を α,β\alpha,\beta で表せ。

(4) α=49π,β=56π\displaystyle \alpha=\frac{4}{9}\pi,\quad\beta=\frac{5}{6}\pi のとき {A(α)A(β)}n=E\{A(\alpha)A(\beta)\}^{n}=E となる最小の自然数 nn を求めよ。ただし,EE は単位行列とする。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

幾何変換の行列を列ベクトルに作用させる規約で表し、指定された順序で行列を掛けた。積の各成分に三角関数の加法定理を適用し、回転角とその位数を求めた。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) (0110),(cos⁡θ−sin⁡θsin⁡θcos⁡θ);\begin{pmatrix}0&1\\1&0\end{pmatrix},\quad \begin{pmatrix}\cos\theta&-\sin\theta\\\sin\theta&\cos\theta\end{pmatrix};\qquad (2) A(θ)=(−sin⁡θcos⁡θcos⁡θsin⁡θ);A(\theta)=\begin{pmatrix}-\sin\theta&\cos\theta\\\cos\theta&\sin\theta\end{pmatrix};\qquad (3) 回転角 α−β;\alpha-\beta;\qquad (4) n=36.n=36.\quad 出願先別選択指示:教育学部・農学部は大問1,2,3,4、理学部・工学部は大問4,5,6,7,8、医学部は大問4,6,7,8,9を解答。本問は理学部・工学部・医学部の対象。

4解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 点を列ベクトルで表す。直線 y=xy=x に関する対称移動は (x,y)↦(y,x)(x,y)\mapsto(y,x) だから、その行列は S=(0110)S=\begin{pmatrix}0&1\\1&0\end{pmatrix} である。また、原点のまわりの角 θ\theta の回転行列は R(θ)=(cos⁡θ−sin⁡θsin⁡θcos⁡θ)R(\theta)=\begin{pmatrix}\cos\theta&-\sin\theta\\\sin\theta&\cos\theta\end{pmatrix} である。

(2) 対称移動の後に回転するので、合成行列は A(θ)=R(θ)SA(\theta)=R(\theta)S である。したがって A(θ)=(cos⁡θ−sin⁡θsin⁡θcos⁡θ)(0110)=(−sin⁡θcos⁡θcos⁡θsin⁡θ)A(\theta)=\begin{pmatrix}\cos\theta&-\sin\theta\\\sin\theta&\cos\theta\end{pmatrix}\begin{pmatrix}0&1\\1&0\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}-\sin\theta&\cos\theta\\\cos\theta&\sin\theta\end{pmatrix}。

(3) sγ=sin⁡γ, cγ=cos⁡γs_\gamma=\sin\gamma,\ c_\gamma=\cos\gamma とおくと、A(α)A(β)=(−sαcαcαsα)(−sβcβcβsβ)=(sαsβ+cαcβ−sαcβ+cαsβ−cαsβ+sαcβcαcβ+sαsβ)=(cos⁡(α−β)−sin⁡(α−β)sin⁡(α−β)cos⁡(α−β)).\begin{aligned} A(\alpha)A(\beta)&=\begin{pmatrix}-s_\alpha&c_\alpha\\c_\alpha&s_\alpha\end{pmatrix}\begin{pmatrix}-s_\beta&c_\beta\\c_\beta&s_\beta\end{pmatrix}\\&=\begin{pmatrix}s_\alpha s_\beta+c_\alpha c_\beta&-s_\alpha c_\beta+c_\alpha s_\beta\\-c_\alpha s_\beta+s_\alpha c_\beta&c_\alpha c_\beta+s_\alpha s_\beta\end{pmatrix}\\&=\begin{pmatrix}\cos(\alpha-\beta)&-\sin(\alpha-\beta)\\\sin(\alpha-\beta)&\cos(\alpha-\beta)\end{pmatrix}.\end{aligned} ここで三角関数の加法定理を用いた。これは原点のまわりの回転角 α−β\alpha-\beta の回転行列である。

(4) α−β=49π−56π=−718π\displaystyle \alpha-\beta=\frac{4}{9}\pi-\frac{5}{6}\pi=-\frac{7}{18}\pi である。(3)の回転行列を nn 乗すると回転角は −7n18π\displaystyle -\frac{7n}{18}\pi となる。これが単位行列となる条件は、−7n18π=2kπ\displaystyle -\frac{7n}{18}\pi=2k\pi(kk は整数)である。よって 7n=−36k7n=-36k。77 と 3636 は互いに素なので 3636 は nn を割り切る。自然数 n≧1n\ge1 の最小値は 3636 であり、実際に n=36n=36 のとき回転角は −14π-14\pi で単位行列となる。

出願先別選択指示:教育学部・農学部は大問1,2,3,4を解答し、理学部・工学部は大問4,5,6,7,8を解答し、医学部は大問4,6,7,8,9を解答する。本問(大問7)は理学部・工学部・医学部の対象。

この問題で使う考え方

  • 三角関数の加法定理
  • 行列を用いた表現

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