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群馬大学/2015年度

群馬大学 2015年 数学 第3問解答・解説

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1問題

群馬大学2015年度第3問

a を定数, e を自然対数の底とし, f(x)=(a−x2)e−x22\displaystyle f(x) = (a - x^{2})e^{-\frac{x^{2}}{2}} とおく。

(1) x > 0 のとき, 不等式 ex>1+x+x22\displaystyle e^{x} > 1 + x + \frac{x^{2}}{2} が成り立つことを証明せよ。これを用いて lim⁡x→∞f(x)=0\displaystyle \lim\limits _{x \to \infty} f(x) = 0 を示せ。

(2) 関数 f(x)f(x) が -1 < x < 2 においてちょうど 2 個の極値をもつように, 定数 a の値の範囲を定めよ。

(3) a は (2) で定めた範囲にあるとする。区間 (−∞,∞)(-\infty, \infty) における f(x)f(x) の最大値と最小値を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2解答

解答を見る答えはこの解答の中にあります

(1) 指数不等式と極限 G(x)=ex−1−x−x2/2G(x)=e^x-1-x-x^2/2とおく。G(0)=G′(0)=0G(0)=G'(0)=0で、x>0x>0なら G′′(x)=ex−1>0.G''(x)=e^x-1>0. したがってG′(x)>0G'(x)>0、さらにG(x)>0G(x)>0となり、ex>1+x+x2/2e^x>1+x+x^2/2を得る。

x→∞x\to\inftyではu=x2/2→∞u=x^2/2\to\inftyとおく。不等式をuuへ適用すると 0≦∣f(x)∣=∣a−2u∣eu≦∣a∣+2u1+u+u2/2⟶0.\displaystyle 0\le |f(x)|=\frac{|a-2u|}{e^u} \le\frac{|a|+2u}{1+u+u^2/2}\longrightarrow0. よってlim⁡x→∞f(x)=0\displaystyle \boxed{\lim\limits _{x\to\infty}f(x)=0}である。ffは偶関数なのでx→−∞x\to-\inftyでも0に収束する。

(2) 開区間での極値の個数 b=a+2b=a+2とおくと f′(x)=x(x2−b)e−x2/2.f'(x)=x(x^2-b)e^{-x^2/2}. b≦0b\le0ではf′f'はx<0x<0で負、x>0x>0で正なので、x=0x=0に極小が一つある。b=0b=0でもf′(x)=x3e−x2/2f'(x)=x^3e^{-x^2/2}で同じ符号変化をする。

b>0b>0ではr=br=\sqrt bとおく。導関数の符号はxxが−r,0,r-r,0,rを通過する順に「負、正、負、正」と変わり、x=±rx=\pm rで極小、x=0x=0で極大となる。範囲−1<x<2-1<x<2において、−r-rが入る条件はr<1r<1、rrが入る条件はr<2r<2である。r=1r=1の−r=−1-r=-1とr=2r=2のr=2r=2は端点なので含めない。

極値をとる点の個数がちょうど2個という意味なら、00とrrのみが入る1≦r<21\le r<2であり、 −1≦a<2.\boxed{-1\le a<2}. 一方、異なる極値の数値がちょうど2個という意味なら、0<b<10<b<1で入る二つの極小点±r\pm rは同じ値を与える。0<b<40<b<4では極大値f(0)=af(0)=aと極小値f(±r)=−2e−b/2f(\pm r)=-2e^{-b/2}が異なる二つの数値なので、 −2<a<2(異なる極値の数値を数える場合).\boxed{-2<a<2}\quad\text{(異なる極値の数値を数える場合)}. 0<b<10<b<1では極値をとる点は3個だが、極値の数値は2個である。例えばa=−3/2a=-3/2ならr=1/2r=1/\sqrt2で、−r,0,r-r,0,rはすべて−1<x<2-1<x<2の範囲内にある。 b=a+2−1<x<2の範囲内で極値をとる点の個数異なる極値の数値の個数b≦0110<b<1321≦b<422b≧411\begin{array}{c|c|c} b=a+2 & -1<x<2\text{の範囲内で極値をとる点の個数} & \text{異なる極値の数値の個数}\\\hline b\le0 &1&1\\ 0<b<1 &3&2\\ 1\le b<4 &2&2\\ b\ge4 &1&1 \end{array}

(3) 全実数上の最大値・最小値 (2)のどちらの解釈でも対象範囲はb=a+2>0b=a+2>0に含まれる。上の増減と両側の極限0から、常に min⁡f(x)=−2e−(a+2)/2\displaystyle \boxed{\min f(x)=-2e^{-(a+2)/2}} であり、x=±a+2x=\pm\sqrt{a+2}で達する。

a≧0a\ge0ならf(0)=af(0)=aであり、x≠0x\ne0ではa−x2≧0a-x^2\ge0ならf(x)<af(x)<a、a−x2<0a-x^2<0ならf(x)<0≦af(x)<0\le aである。したがって max⁡f(x)=a(a≧0)\displaystyle \boxed{\max f(x)=a}\qquad(a\ge0) をx=0x=0で達する。a<0a<0ならf(x)<0f(x)<0が全実数xxで成り立つ一方、∣x∣→∞|x|\to\inftyでf(x)→0f(x)\to0なので、上限は0だが最大値は存在しない。よって(2)の範囲全体に対して一つの最大値の式を無条件に記すことはできない。

単元・方法・使用定理 単元は数学III「極限」「微分法」、数学II「指数関数・対数関数」である。方法は指数関数を二度微分する不等式証明、はさみうち、積の微分と符号表、端点を含まない区間での極値個数の確認、無限遠の極限と最大値の達成判定である。使用するのは高校範囲の指数関数の微分公式、積の微分法、導関数の符号による増減、はさみうちだけであり、Taylor展開など大学数学の定理は使わない。

同一問の旧QC・採用解答参照との照合 独立稿を先に保存した後、同一問のQCおよび採用解答参照を確認した。QCと参照答案は(1)の不等式・極限、(2)で極値をとる点を数えた−1≦a<2-1\le a<2、(3)の最小値とa<0a<0で最大値が存在しない場合分けについて、独立解答と一致する。したがってこれらに計算上の相違は認めない。

一方、QCは「異なる極値の数値が2個」という文字通りの数え方を検討していない。この読み方では−2<a<2-2<a<2となる。原文の「ちょうど2個の極値」は数える対象を明示していないため、(2)の採用範囲は極値をとる点を数えるという条件付きである。どちらの読み方でも負のaaを含み、そのとき全実数上の最大値は存在しない。原文(3)が最大値の存在を前提として単一の値を求めるなら、a≧0a\ge0などの追加条件が必要である。条件を補わない解答では、上記の場合分けを明記しなければならない。

この問題で使う考え方

  • 二階微分による指数不等式
  • はさみうち
  • 積・合成関数の微分
  • 符号表と開区間端点の場合分け
  • 無限遠の極限と上限・最大値の区別

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