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広島大学/2004年度/前期

広島大学 2004年 数学 第5問解答・解説

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1問題

広島大学2004年度第5問

円周を5等分して図のように0から4の目盛りをふる。

円周上に5つの目盛りがあり、上の0から時計回りに1、2、3、4と番号が付いている。各位置には円周を横切る短い目盛り線がある。

初めに点 PP を目盛り0の位置に置く。硬貨を1回投げるごとに,表が出れば,点 PP を右回りに2目盛り動かし,裏が出れば,点 PP を左回りに1目盛り動かすという操作をくり返し行う。硬貨を nn 回投げたあと,点 PP が目盛り ii の位置にある確率を pn(i)p_n(i) と表す。

(1) p2(1), p3(2), p3(3)p_2(1),\ p_3(2),\ p_3(3) を求めよ。

(2) 硬貨を4回投げて,点 PP がはじめて目盛り2の位置で止まる確率を求めよ。

(3) pn+1(0)=12{pn(3)+pn(1)}(n=1,2,3,…)\displaystyle p_{n+1}(0)=\frac{1}{2}\left\{p_n(3)+p_n(1)\right\}\qquad(n=1,2,3,\ldots) を示せ。

(4) zz を z5=1z^5=1 を満たす複素数とする。すべての自然数 nn に対して∑i=04pn(i)zi=(z2+z−1)n2n\displaystyle \sum\limits _{i=0}^{4}p_n(i)z^i=\frac{(z^2+z^{-1})^n}{2^n} が成り立つことを示せ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2考え方

考え方を見る解き方の方針だけを確かめる

5を法とする目盛りの推移を列挙し、各小問では到着状態への遷移を数えた。(4)では全目盛りへの遷移を複素数重み付き和にまとめた。

3答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1)  p2(1)=12,p3(2)=18,p3(3)=38.(2)  316.(3)  pn+1(0)=12{pn(3)+pn(1)}.(4)  ∑i=04pn(i)zi=(z2+z−1)n2n.\displaystyle \begin{aligned} (1)\;&p_2(1)=\frac12,\quad p_3(2)=\frac18,\quad p_3(3)=\frac38.\\ (2)\;&\frac{3}{16}.\\ (3)\;&p_{n+1}(0)=\frac12\{p_n(3)+p_n(1)\}.\\ (4)\;&\displaystyle\sum\limits _{i=0}^{4}p_n(i)z^i=\frac{(z^2+z^{-1})^n}{2^n}. \end{aligned}

4解答

解答を見る途中式つきの解答

表を H、裏を T と書き、H のときの移動を +2、T のときの移動を -1 とする。目盛りは 5 を法として考える。  (1) 2 回の投げ方と到着目盛りは、HH:4, HT:1, TH:1, TT:3HH:4,\ HT:1,\ TH:1,\ TT:3 である。4 通りは同様に確からしいから、p2(1)=24=12.\displaystyle p_2(1)=\frac{2}{4}=\frac12. 3 回では、投げ方HHHHHTHTHHTTTHHTHTTTHTTT目盛り13303002\begin{array}{c|cccccccc}\text{投げ方}&HHH&HHT&HTH&HTT&THH&THT&TTH&TTT\\\hline\text{目盛り}&1&3&3&0&3&0&0&2\end{array}したがって、p3(2)=18,p3(3)=38.\displaystyle p_3(2)=\frac18,\qquad p_3(3)=\frac38.   (2) 4 回中に表が h 回出たとき、移動量は 2h−(4−h)=3h−42h-(4-h)=3h-4 だから、最後に目盛り 2 にいる条件は3h−4≡2(mod5),3h-4\equiv 2\pmod 5,すなわち h=2h=2 である。表が 2 回の 6 通りのうち、最初が表の 3 通りは1回目に目盛り2へ着いてしまう。最初が裏の残り3通り THHT,THTH,TTHHTHHT,THTH,TTHH の目盛りの推移はそれぞれ (4,1,3,2),(4,1,0,2),(4,3,0,2)(4,1,3,2),(4,1,0,2),(4,3,0,2) であり、いずれも4回目に初めて目盛り2に着く。よって求める確率は324=316.\displaystyle \frac{3}{2^4}=\frac{3}{16}.   (3) 目盛り0に着く直前の位置は、表で2目盛り進む場合には3、裏で1目盛り戻る場合には1である。各投げ方の確率は 1/21/2 なのでpn+1(0)=12pn(3)+12pn(1)=12{pn(3)+pn(1)}.\displaystyle p_{n+1}(0)=\frac12p_n(3)+\frac12p_n(1)=\frac12\{p_n(3)+p_n(1)\}.   (4) 目盛りを添字として5を法とする。1回の移動から、各 i=0,1,2,3,4i=0,1,2,3,4 についてpn+1(i)=12{pn(i−2)+pn(i+1)},\displaystyle p_{n+1}(i)=\frac12\{p_n(i-2)+p_n(i+1)\},となる。ここで添字は5を法として読む。Sn=∑i=04pn(i)zi\displaystyle S_n=\sum\limits _{i=0}^4p_n(i)z^i とおくと、z5=1z^5=1 より添字を巡回させても対応する冪は変わらないのでSn+1=12(∑i=04pn(i−2)zi+∑i=04pn(i+1)zi)=12(z2+z−1)Sn.\displaystyle \begin{aligned}S_{n+1}&=\frac12\left(\sum\limits _{i=0}^4p_n(i-2)z^i+\sum\limits _{i=0}^4p_n(i+1)z^i\right)\\&=\frac12(z^2+z^{-1})S_n.\end{aligned}投げる前は p0(0)=1p_0(0)=1、他の p0(i)=0p_0(i)=0 と置けば S0=1S_0=1。この漸化式を繰り返すと Sn=2−n(z2+z−1)nS_n=2^{-n}(z^2+z^{-1})^n を得る。これは求める式である。

この問題で使う考え方

  • 確率の基本法則
  • 独立な試行
  • 組合せ
  • 複素数平面

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