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広島大学/2007年度/前期

広島大学 2007年 数学 第1問解答・解説

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1問題

広島大学2007年度第1問

a,b,c,da,b,c,d は a+c=b+d=1a+c=b+d=1 を満たす正の定数とし,行列 A=(abcd)A=\begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix} を考える。さらに,x1+y1=1x_1+y_1=1 を満たす実数 x1,y1x_1,y_1 に対し,xn,ynx_n,y_n(n=2,3,4,…n=2,3,4,\ldots)を漸化式 (xnyn)=A(xn−1yn−1)\begin{pmatrix}x_n\\y_n\end{pmatrix}=A\begin{pmatrix}x_{n-1}\\y_{n-1}\end{pmatrix} によって帰納的に定める。このとき,次の問いに答えよ。

(1) xn+yn=1(n=1,2,3,…)x_n+y_n=1\quad(n=1,2,3,\ldots) であることを示せ。

(2) xnx_n をまず a,b,xn−1a,b,x_{n-1} で表し,次に a,b,x1a,b,x_1 で表せ。

※ xnx_n を表すとき,必要ならば nn も使ってよい。

(3) 極限値 lim⁡n→∞xn\displaystyle\lim\limits _{n\to\infty}x_n を求めよ。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) xn+yn=1\quad x_n+y_n=1\quad for all n≧1\quad n\ge1\quad . (2) xn=(a−b)xn−1+b\quad x_n=(a-b)x_{n-1}+b\quad ; xn=(a−b)n−1x1+b(1−(a−b)n−1)1−a+b\displaystyle \quad x_n=(a-b)^{n-1}x_1+\frac{b(1-(a-b)^{n-1})}{1-a+b}\quad . (3) lim⁡n→∞xn=b/(1−a+b)=b/(b+c)\displaystyle \quad \lim\limits _{n\to\infty}x_n=b/(1-a+b)=b/(b+c)\quad .

3解答

解答を見る途中式つきの解答

初期条件で和は1。漸化式の成分を足すと xn+yn=(a+c)xn−1+(b+d)yn−1=xn−1+yn−1,x_n+y_n=(a+c)x_{n-1}+(b+d)y_{n-1}=x_{n-1}+y_{n-1}, したがって帰納法で全ての n≧1n\ge1 に対して和は1。

yn−1=1−xn−1y_{n-1}=1-x_{n-1} を第1成分の式に代入すれば xn=(a−b)xn−1+bx_n=(a-b)x_{n-1}+b。r=a−br=a-b と置き、有限等比和を使うと xn=rn−1x1+b(1+r+⋯+rn−2)=rn−1x1+b1−rn−11−r.\displaystyle x_n=r^{n-1}x_1+b(1+r+\cdots+r^{n-2})=r^{n-1}x_1+b\frac{1-r^{n-1}}{1-r}. ここで 1−r=1−a+b=b+c>01-r=1-a+b=b+c>0 より与式の形を得る。

a+c=1a+c=1, b+d=1b+d=1 と正値性から 0<a,b<10<a,b<1、よって ∣a−b∣<1|a-b|<1。従って (a−b)n−1→0(a-b)^{n-1}\to0 であり、極限は b/(1−a+b)=b/(b+c)b/(1-a+b)=b/(b+c)。

この問題で使う考え方

  • 数学的帰納法
  • 一次漸化式
  • 有限等比和

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