(1) 二項定理により
(a+b)4=a4+4a3b+6a2b2+4ab3+b4,
(a−b)4=a4−4a3b+6a2b2−4ab3+b4.
(2) A=(abba) の定義に従って直接計算する。
A^2=(abba)(abba)=(a2+b22ab2aba2+b2).
さらに A4=(A2)2 を同様に計算すると
A^4=((a2+b2)2+(2ab)22(a2+b2)(2ab)2(a2+b2)(2ab)(a2+b2)2+(2ab)2)=(a4+6a2b2+b44a3b+4ab34a3b+4ab3a4+6a2b2+b4).
一方,(1)の結果から
(a+b)^4+(a-b)^4=2(a4+6a2b2+b4), (a+b)^4-(a-b)^4=2(4a3b+4ab3)
であるから
a^4+6a^2b^2+b^4=2(a+b)4+(a−b)4, 4a^3b+4ab^3=2(a+b)4−(a−b)4.
よって
A^4=2(a+b)4+(a−b)42(a+b)4−(a−b)42(a+b)4−(a−b)42(a+b)4+(a−b)4.
(3) E=(1001), J=(0110) とおく。定義に従って直接計算すると
J^2=(0110)(0110)=(1001)=E, EJ=JE=J
であり,また A=aE+bJ である(両辺の成分を比べると、対角成分はa、非対角成分はbで一致する)。
ここで P=21(E+J), Q=21(E-J) とおくと,E,Jの関係から成分計算により
P2=P,Q2=Q,PQ=QP=O(零行列), P+Q=E
が成り立つ。さらに
A=aE+bJ=a(P+Q)+b(P−Q)=(a+b)P+(a−b)Q
である。
【数学的帰納法】命題「An=(a+b)nP+(a−b)nQ」を自然数nについて示す。
n=1のとき,右辺=(a+b)P+(a−b)Q=Aであり成立する(上で確認済み)。
n=kのとき成立すると仮定すると,Ak=(a+b)kP+(a−b)kQであるから
Ak+1=AkA=((a+b)kP+(a−b)kQ)((a+b)P+(a−b)Q)
=(a+b)k+1P2+(a+b)k(a−b)PQ+(a−b)k(a+b)QP+(a−b)k+1Q2
=(a+b)k+1P+(a−b)k+1Q(∵P2=P, Q2=Q, PQ=QP=O)
となり,n=k+1でも成立する。よって数学的帰納法によりすべての自然数nについて
An=(a+b)nP+(a−b)nQ=2(a+b)n+(a−b)nE+2(a+b)n−(a−b)nJ
が成り立つ。成分で書くと
A^n=2(a+b)n+(a−b)n2(a+b)n−(a−b)n2(a+b)n−(a−b)n2(a+b)n+(a−b)n (n=1,2,3,…).
(検算)n=1:与式=(abba)=Aと一致。n=2:与式の(1,1)成分=2(a+b)2+(a−b)2=a2+b2、(1,2)成分=2(a+b)2−(a−b)2=2abとなり,(2)の前段で直接計算したA2と一致する。n=4のとき(2)の結果とも一致する。
(4) (3)の結果で(1,1)成分をとると
xn=2(a+b)n+(a−b)n
である。b=1−aを代入すると
a+b=a+(1−a)=1, a−b=a−(1−a)=2a−1
であるから
xn=21n+(2a−1)n=21+(2a−1)n.
ここで0<a<1より0<2a<2,したがって
−1<2a−1<1, すなわち ∣2a−1∣<1
である。等比数列の極限の性質(∣r∣<1のときrn→0 (n→∞))により
n→∞lim(2a−1)n=0
が成り立つ(2a−1=0すなわちa=1/2のときも(2a−1)n=0→0で同じ結論)。よって
n→∞limxn=n→∞lim21+(2a−1)n=21+0=21
であり,この極限値は0<a<1の範囲内のaの取り方によらず一定に1/2である。