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広島大学/2011年度/前期

広島大学 2011年 数学 第5問解答・解説

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1問題

広島大学2011年度第5問

△ABC\triangle ABC の頂点は反時計回りに A,B,CA,B,C の順に並んでいるとする。点 AA を出発した石が,次の規則で動くとする。

コインを投げて表が出たとき反時計回りに隣の頂点に移り,裏が出たときは動かない。コインを nn 回投げたとき,石が点 A,B,CA,B,C にある確率をそれぞれ an,bn,cna_n,b_n,c_n とする。次の問いに答えよ。

(1) a1,b1,c1a_1,b_1,c_1 の値を求めよ。

(2) an+1,bn+1,cn+1a_{n+1},b_{n+1},c_{n+1} を an,bn,cna_n,b_n,c_n で表せ。また,a2,b2,c2a_2,b_2,c_2 および a3,b3,c3a_3,b_3,c_3 の値を求めよ。

(3) an,bn,cna_n,b_n,c_n のうち2つの値が一致することを証明せよ。

(4) (3)において一致する値を pnp_n とする。pnp_n を nn で表せ。

補足説明:コインを投げて表と裏の出る確率はそれぞれ 12\displaystyle \frac{1}{2} とする。

まずは自分で解いてみましょう。詰まったら「考え方」、解けたら「答え」で確かめられます。

2答え

答えを見る自分の答えと照らし合わせる
  • (1) (a1,b1,c1)=(12,12,0),\displaystyle \space{}(a_1,b_1,c_1)=\left(\frac12,\frac12,0\right),\quad (2) an+1=an+cn2, bn+1=an+bn2, cn+1=bn+cn2,(a2,b2,c2)=(14,12,14), (a3,b3,c3)=(14,38,38),\displaystyle \space{}a_{n+1}=\frac{a_n+c_n}{2},\space{}b_{n+1}=\frac{a_n+b_n}{2},\space{}c_{n+1}=\frac{b_n+c_n}{2},\quad (a_2,b_2,c_2)=\left(\frac14,\frac12,\frac14\right),\space{}(a_3,b_3,c_3)=\left(\frac14,\frac38,\frac38\right),\quad (3) {an=bn(n≡1(mod3)),cn=an(n≡2(mod3)),bn=cn(n≡0(mod3)),\space{}\begin{cases}a_n=b_n&(n\equiv1\pmod3),\\c_n=a_n&(n\equiv2\pmod3),\\b_n=c_n&(n\equiv0\pmod3),\end{cases}\quad (4) pn=13+(−1)n−13⋅2n (n≧1).\displaystyle \space{}p_n=\frac13+\frac{(-1)^{n-1}}{3\cdot2^n}\space{}(n\ge1).

3解答

解答を見る途中式つきの解答

(1) 1回目に表が出れば石はBへ、裏が出ればAにとどまる。したがって a1=12,b1=12,c1=0.\displaystyle a_1=\frac12,\qquad b_1=\frac12,\qquad c_1=0. (2) n+1回目の後にAにあるのは、n回目の後にAにあって裏が出る場合、またはCにあって表が出る場合である。同様にB、Cについても最後の1回の結果で場合分けすると an+1=an+cn2,bn+1=an+bn2,cn+1=bn+cn2.\displaystyle a_{n+1}=\frac{a_n+c_n}{2},\qquad b_{n+1}=\frac{a_n+b_n}{2},\qquad c_{n+1}=\frac{b_n+c_n}{2}. これに(1)を代入して (a2,b2,c2)=(14,12,14).\displaystyle (a_2,b_2,c_2)=\left(\frac14,\frac12,\frac14\right). さらにこの値を漸化式に代入して (a3,b3,c3)=(14,38,38).\displaystyle (a_3,b_3,c_3)=\left(\frac14,\frac38,\frac38\right). (3) 位置はA,B,Cのいずれかなので、すべてのn≧\ge1について an+bn+cn=1.a_n+b_n+c_n=1. 差を xn=an−bn, yn=bn−cn, zn=cn−anx_n=a_n-b_n,\ y_n=b_n-c_n,\ z_n=c_n-a_n とおく。(2)の漸化式から xn+1=−yn2,yn+1=−zn2,zn+1=−xn2.\displaystyle x_{n+1}=-\frac{y_n}{2},\qquad y_{n+1}=-\frac{z_n}{2},\qquad z_{n+1}=-\frac{x_n}{2}. また、(1)より x1=0x_1=0 である。よってこの差の関係を順に用いると z2=0,y3=0,x4=0,z5=0,y6=0,x7=0, …z_2=0,\quad y_3=0,\quad x_4=0,\quad z_5=0,\quad y_6=0,\quad x_7=0,\ \ldots となる。実際、x1+3k=0x_{1+3k}=0 ならば z2+3k=0, y3+3k=0, x4+3k=0z_{2+3k}=0,\ y_{3+3k}=0,\ x_{4+3k}=0 であるから、数学的帰納法によりx1+3k=0,z2+3k=0,y3+3k=0(k=0,1,2,…).x_{1+3k}=0,\qquad z_{2+3k}=0,\qquad y_{3+3k}=0\qquad(k=0,1,2,\ldots).したがって an=bn (n≡1(mod3)),cn=an (n≡2(mod3)),bn=cn (n≡0(mod3)),a_n=b_n\ (n\equiv1\pmod3),\qquad c_n=a_n\ (n\equiv2\pmod3),\qquad b_n=c_n\ (n\equiv0\pmod3), ゆえにどのn≧\ge1でも an,bn,cna_n,b_n,c_n のうち二つが一致する。 (4) (3)で一致する二つの値を pnp_n とする。各nで an+bn+cn=1a_n+b_n+c_n=1 であり、等しい二つ以外の値は 1−2pn1-2p_n である。(3)の一致する組はnを1増やすごとに an=bn ⟶ an+1=cn+1,cn=an ⟶ bn+1=cn+1,bn=cn ⟶ an+1=bn+1.a_n=b_n\ \longrightarrow\ a_{n+1}=c_{n+1},\qquad c_n=a_n\ \longrightarrow\ b_{n+1}=c_{n+1},\qquad b_n=c_n\ \longrightarrow\ a_{n+1}=b_{n+1}. 各場合で、次の時点に一致する値は等しい値pnp_nと残る値1−2pn1-2p_nの平均だから pn+1=pn+(1−2pn)2=1−pn2.\displaystyle p_{n+1}=\frac{p_n+(1-2p_n)}{2}=\frac{1-p_n}{2}. また p1=12\displaystyle p_1=\frac12 である。したがって pn+1−13=−12(pn−13),pn−13=(−12)n−1(12−13)=(−1)n−13⋅2n.\displaystyle p_{n+1}-\frac13=-\frac12\left(p_n-\frac13\right), \qquad p_n-\frac13=\left(-\frac12\right)^{n-1}\left(\frac12-\frac13\right) =\frac{(-1)^{n-1}}{3\cdot2^n}. ゆえに pn=13+(−1)n−13⋅2n(n≧1).\displaystyle p_n=\frac13+\frac{(-1)^{n-1}}{3\cdot2^n}\qquad(n\ge1).

この問題で使う考え方

  • 確率の加法・条件分け
  • 漸化式
  • 数学的帰納法

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